自己紹介 成田悦子毎日少しずつ主に英文学の過去の小説を紹介しています。私の遣り方は原文をそのまま生かし、イギリス人、イギリスという国そのものの文字を通した姿を過去に遡って見せ、貴方同様私が学ぶ

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暑いし, リチウム電池入りロボ県内, Japan
GooNTTレゾナントは私のブログを4つ非表示にし、「詩を全部削除しろ」と詩人である私に言っています。

Gooは猥褻サイトの記事は問題がないと言います。私の住所・氏名・電話番号まで書き込んで「きちがい、前科三犯」と書くサイトの規約違反を指摘しても、「貴方は一体どうしたいのですか?」と言います。削除して欲しいに決まっています。そんなことも分からないのに、「鳥居正宏」という偽名の社民党員の要請で四つのブログを非表示にしています。私は「鳥居正宏」の中傷記事を書いたことは一度も無く、中傷されたコメントを載せたことが一度あっただけです。しかしそのコメントは、社民党と自公政権が不正に侵入して直ぐに削除して非表示の要請があった時にはありませんでした。あれから20数年Gooも消えます。私が消えていないことはいい兆し。正義は私の下にある。当面翻訳中心の生活です。

成田悦子翻訳小説.orgで翻訳中 「Youth 」Joseph Conrad

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2022年4月1日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「爆弾は、二つも一か所に落ちない。」僕は言った。しかし機械的に、それはしばしば誤りを立証して来た迷信の一つだったから。

 「貴方は怪我をしているのね。」

 「僕は、歯を二本失くした、それだけ。」

 「こっちに来て。貴方の顔を私が洗ってあげるわ。」彼女は、僕がもう一つのの異議を行う間もなく、―手当てを終えた。僕が嘗て知り合った女は、同じように速く手当てができない、彼女は僕の顔をゆっくりと注意深く洗った。

 「貴女は床の上で何をしていたの?」僕は尋ねた。

 「祈っていたの。」

 「誰のことを?」

 「生きとし生けるもの全てのことを。」

 「階下に降りた方が、もっと気が利いていたよ。」

彼女の真剣さは、僕を驚かせた。僕は彼女をそのことから離れてからかいたくなった。

 「私はそうしたのよ。」彼女が言った。

 「僕は貴方に聞いていなかったよ。」

 「そこには誰もいなかった。ドアの下から伸びている貴方の腕を見るまで、私には貴方が見えなかった。私は貴方が死んだと思った。」

 「貴女は近付いて、試してみたってよかった。」

 「私はそうした。私はドアを持ち上げられなかった。」

 「あそこには僕を動かすくらいの隙間があった。そのドアは僕を押さえ付けていなかった。僕はどうにかこうにか起きようとした。」

 「私には分からない。私は貴方は死んだものと確信した。」 

 「だったら、そこで随分祈ったんだろうね?」僕は彼女をからかった。

 「奇跡をそっちのけにして。」

 「貴方にはもう望みがなければ」彼女は言った、「貴女は奇跡のために祈れる。そういうことは起きるでしょ?亡くなった人に。そして僕は亡くなった人だった。」

 「警報解除までいなさい。」彼女はその頭を振り、歩いてさっさと部屋から出た。僕は階段を彼女に付いて降り、僕の意志とは逆に困らせ始めた。「今日の午後、貴女にお目にかかれます?」

 「いいえ、だめです。」

 「明日の何時か・・・」

 「ヘンリが帰っているの。」

 「ヘンリ。ヘンリ。ヘンリ―その名は、僕たちの関係が続く限り、鐘を鳴らす。愛が死に絶え、愛着や習慣は日常の努力の末に得るというその無念さと共に、幸福とか楽しみとか、陽気とかのムードゥを悉(ことごと)く削ぎながら。「貴方はそんなに怯えなくていいわ。」彼女は言った。「愛情は尽きない・・・」そうして二年余りが、ホールでのあの出会いと「貴方?」以前に、過ぎ去った。

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