Sinnò me moro

Amore, amore, amore, amore mio, In braccio a te, me scordo ogni dolore! Vojo resta co'te, sinnò me moro, Vojo resta co'te, sinnò me moro, Vojo resta co'te, sinnò me moro…  Nun piagne amore

Sinno me moro(Un maledetto imbroglio 刑事)

自己紹介 成田悦子毎日少しずつ主に英文学の過去の小説を紹介しています。私の遣り方は原文をそのまま生かし、イギリス人、イギリスという国そのものの文字を通した姿を過去に遡って見せ、貴方同様私が学ぶ

自分の写真
暑いし, リチウム電池入りロボ県内, Japan
GooNTTレゾナントは私のブログを4つ非表示にし、「詩を全部削除しろ」と詩人である私に言っています。

Gooは猥褻サイトの記事は問題がないと言います。私の住所・氏名・電話番号まで書き込んで「きちがい、前科三犯」と書くサイトの規約違反を指摘しても、「貴方は一体どうしたいのですか?」と言います。削除して欲しいに決まっています。そんなことも分からないのに、「鳥居正宏」という偽名の社民党員の要請で四つのブログを非表示にしています。私は「鳥居正宏」の中傷記事を書いたことは一度も無く、中傷されたコメントを載せたことが一度あっただけです。しかしそのコメントは、社民党と自公政権が不正に侵入して直ぐに削除して非表示の要請があった時にはありませんでした。あれから20数年Gooも消えます。私が消えていないことはいい兆し。正義は私の下にある。当面翻訳中心の生活です。

成田悦子翻訳小説.orgで翻訳中 「Youth 」Joseph Conrad, The Grapes of Wrath Jhon Steinbeck

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ブログ 成田悦子翻訳小説.org Youth Joseph Conrad, The Grapes of Wrath Jhon Steinbeck

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2022年9月30日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「妙な一致、貴方が言えば何でもそうだ。」

 前に一度、ありったけの強さでヘンリの代役を務めた事があった、僕は、今、彼をへこませるつもりはなかった。「僕は、見知らぬもの同士の一致を知った。」僕は続けた。「去年中、ヘンリ、僕は、実にうんざりさせられる程、僕は車のナムバを集めた。それは、符合について貴方に教え導く。一万もの有り得る番号、そして神は、どれ程多くの組み合わせがあるか知っているのに、未だに僕は、繰り返し、交通障害で並んだ同じ型の二台の車に目が行く。」

 「そうだね。それはそんな風になってしまうものだと僕も思う。」

 「僕は、一致の内に、僕の自信を失くしてしまう事はない、ヘンリ。」

 電話は、二階で微かに鳴っていた。僕たちに今までそれが聞こえなかったのは、 スイチが書斎で消してあったから。

 「オウ大事な人、オウ大事な人、」ヘンリが言った。「もしそれが又、あの人だったら、僕は少しも驚かないのに。」

 「彼女に鳴らさせて置け。」すると僕が話すと同時に、ベルが止まった。「それで僕が卑劣だという事にはならない。」ヘンリが言った。「十年で百パウンドゥ以上、彼女が借りたとは思わない。」

 「外に出て、一杯やろう。」

 「もちろん。オウ、僕は、僕の靴を履いてなかった。」彼がその上に折れ曲がると、彼の頭の王冠に禿げた継ぎ当てが見えた。それは、彼の心配事が尽きなかったかのようだった―僕は、彼の心配事の一つだった。「僕は、貴方がいないと何をしたらいいのか、分からない、ベンドゥリクス。

286

2022年9月29日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「そう。彼女は10パウンドゥ欲しかった―彼女の何時もの作り話、一日街で、買い物をして、走りに走る、銀行は閉まった…ベンドゥリクス、僕は卑しい男ではないが、僕は、彼女が仕出かす遣り方に、随分いらいらさせられる。彼女は、年に二千も彼女のものとして懐に入れた。それは、僕が稼ぐのとほぼ同額だ。」

 「貴方は、それを彼女にあげたの?」

 「オウそう。誰でも決まってそうするが、困った事に、僕は説教をせずにはいられなかった。それが彼女を怒り狂わせた。何度、彼女がそんな事をして、何度、僕に返したか、僕は彼女に話した―それは、最初、簡単だった。彼女は、彼女の小切手綴りを取り出して、彼女は、僕に、そこやその時全部の代償に全部小切手に書くつもりだと言った。彼女は非常に腹を立てたので、僕は彼女はそうするつもりだと確信した。彼女は、彼女の最後の小切手を使ってしまったという事を、本当に忘れていた。彼女は僕に恥をかかせようとしたのに、彼女は、只、自ずと恥をかく事に成功しただけだった、可哀そうな女。当然、それが、事を悪化させた。

 「彼女は、どうしたの?」

 「サラーに相応しい葬式をしてやらなかった事で、彼女は僕を責めた。彼女はおかしな話を僕にした・・・」

 「僕は、それなら知っている。彼女は、二杯のポートゥの後、僕にそれを打ち明けた。」

 「彼女が、嘘を吐いていると貴方は思う?」

 「いや。」

 「それは、有り得ない一致でしょ?二歳で洗礼を施され、そしてあの時、貴方が覚えてもいられない事に、後戻りし始める事・・・それじゃあ、まるで伝染病のようだ。」

285

2022年9月28日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼は彼の街用と彼の田舎用靴を持ち、共有地は、彼の見る限り田舎だった。彼は、彼の紐の上に折れ曲がった。そこには彼が解けない結び目があって―彼は、何をしても彼の指使いが下手だった。彼は、奮闘する事に疲れ果て、靴をもぎ取った。僕はそれをつまみ上げ、彼の為に結び目を解いた。

 「貴方には感謝する、ベンドゥリクス。」おそらくそれ程些細ではあっても、仲間付き合いの一つの振る舞いは、彼に信用を与えた。「あまり嬉しくない事が、今日役所であったんだ。」彼は言った。

 「僕に話すと言い。」

 「バトゥラムさんが、電話をして来た。貴方は、バトゥラムさんを知ってると、僕は思わない。」

 「オウ、そう。僕は、他日、彼女に会った。」妙な言葉―他日、その一日以外、全ての日は、同じだったかのようで。

 「僕たちは、そんなに上手く一緒にやって行った事がない。」

 「そういう風に彼女は言っていた。」

 「サラーは、それを何時も非常にうまくこなした。彼女はあの人を遠ざけていた。」

 「彼女は、お金を借りに来たの?」

284


2022年9月27日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼らは、それによって無条件で、陰謀の外側に留まる。しかし僕たちは、四方を押されてしまう。僕たちは、不在の執拗さを持つ。僕たちは、脱出出来ずに陰謀に縛られ、物憂げに神は僕たちに強いる、こちらでもあちらでも、彼の意図に従って、詩情もなく、自由意志もない人物、彼の重要性だけが、その何処かに、何らかの折にあり、僕たちが、多分彼らの自由意思にとって好機を手にした死者を提供しながら、その中で、生きている人物が動き、話すシーンを入れ込むのに役立つ。

 僕は、ドアが閉まり、ホールの中のヘンリの足音が聞こえた時、嬉しかった。止める事、それが謝罪だった。その人物は、今尚、朝まで無気力のままでもいい。その時は、ついにポンテフラクトゥ・アームズへ向かう時間だった。僕は、彼が上に呼び掛けるのを待った。(既に一か月の内に、何年も一緒に暮らして来た二人の独身者と同じように、僕たちの成り行き任せだった。)しかし彼は声を掛けず、僕は、彼が彼の書斎の中に入るのを耳にした。少しして、僕は、彼の後を

追った。僕は僕の酒を飲み損うところだった。

 僕が、最初、彼と一緒に戻って来た時、僕は、その時の事が思われた。彼は、そこに、緑色の円盤投擲の側に座っていた。

しかし、今、彼を見守りながら、僕は、羨望も喜びもどちらも感じなかった。

 「飲むか、ヘンリ?」

 「そう、そう。もちろん。僕は、只、僕の靴をかえようとしただけだ。」

283

2022年9月26日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「心霊治療?」

 「僕には信仰はありません。僕は、医者に行ったことがありません。」

 「それじゃ何?蕁麻疹?」

 彼は、その話題を終えようとして漠然と言った。「近代的方法。電気。」

 僕は帰宅して、再び、僕は僕の本に身を入れようとした。何時も、僕は書き始めると、そこにしつこく息づかない一つの人物がいるのに気付く。彼に関して心理的誤りは、そこには何もないのに、彼は身動きが取れず、彼は周りに押されてしまう、言葉が彼に向かって探り当てられようとする、僕が勤勉な歳月を通して得た、あらゆる技術的スキルは、彼を僕の読者に息づいて見えるように組み立てる事に使われて欲しい。時に、僕は、物語の中で最も‐引き摺られた人物として彼を批評家が褒めると、僕は腐った満足を得る。喩え彼が引き摺られなかったとしても、彼には確かに引き摺り込まれた。彼は、重く僕の心に横たわる、僕が仕事をし出すと必ず胃の上の殆ど消化されない食事のように、彼が登場するどんなシーンにも、創造の喜びから僕を遠ざけるばかりで。

 彼は、期待されなかった事はせず、彼は僕を驚かせもせず、彼は手数料も取らない。他の人物皆が助ける、彼は只々邪魔をする。

 それでも尚、誰も彼なしで振舞えない。僕は、僕たちの何人かについては、その道筋そのものに神の思いを想像出来る。死者は、人はきっと思う、ある認識の中に自らを創造する。彼らは息を吹き返す。彼らは、驚くほどの演技、或いは言語能力を持つ。

282

2022年9月25日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「それで貴方は家庭‐指導は未だしているんですか?」僕はからかった。

 「いいえ。僕はそれも止めました。」

 「貴方の見解は変わらなかった、と僕は願う?」

 彼は憂鬱そうに言った、「僕は、何を信じていいか分かりません。」

 「何にもない。きっと、それが核心だった。」

 「そうでした。」彼は、群衆の外の方へ少し動き始め、僕は、自ずと彼の悪い方に目が行った。僕は、もう少し彼をからかおうとせずにはいられなかった。「貴方は、歯痛になったの?」僕は尋ねた。

 「いいえ、どうして?」

 「それは、そんな風に見えたから。そのハンカチーフで。」

 彼は答えずに、ハンカチーフを取った。そこには隠す醜さは全くなかった。一つの小さいシミ以外、彼の肌は、実に新鮮で若々しかった。

 「彼は言った、「僕は、僕が知る人に会う時、説明するのに飽きてしまいました。」

 「貴方が、除去法を見付けたの?」

 「はい。僕は何処かにいたと貴方に話しました。」

 「施設療養所へ?」

 「はい。」

 「手術を?」

 「正確ではありません。」彼は嬉しくなさそうに付け加えた、「それは、手を触れて行われました。」

281

2022年9月24日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅷ

僕の本は上手く行っていなかった(書くという行為は、何と時間の浪費に思える事か、しかし他にどう使い果たされよう?)演説者の話を聞く為に共有地を横切って歩いた。そこに僕が覚えている一人の男がいて、彼は戦前の日々、僕を何時も楽しませてくれた。僕は、彼の投球場所に無事戻り、彼を見て嬉しかった。彼は、政治的、宗教的演説者のように、伝えたいメシジをまるで持っていなかった。彼は  で、彼は只物語を伝え、詩の一片を暗唱した。彼は、詩の何かの断片をと頼んで、彼に間違いを指摘する、彼の聴衆に挑もうとした。「The Ancient Mariner」誰かが叫ぶ、と直ぐに、大層な強勢で、彼は僕たちに4行詩を披露するのだ。一人のお調子者が言った、「Shakespear’s Thirty-Second Sonnet」すると彼が無作為に四行を暗唱し、お調子者が異議を唱えると、彼は言った、「貴方は、酷い版を手に入れたんだね」僕は、僕の同僚のリスナをぐるっと確認してから、スマイズを見た。おそらく彼は先に僕を見付けた、というのも、彼は、彼の顔のハンサムな方、サラーがキスをしなかった方を、僕に向けたから、しかし喩えそうでも、彼は僕の目を避けた。

 何故僕は、サラーが知っていた誰彼に、何時も話し掛けたがるのか?僕は、彼の方へと僕の意志を押し通して言った、「こんにちわ、スマイズ。」彼は、彼の顔の醜い方にハンカチーフを乗せたまま、僕の方を向いた。「オウ、ベンドゥリクスさん。」彼は言った。

 「僕は、葬式以来、貴方を見かけませんでした。」

 「僕は、離れていました。」

 「貴方は、もうここで話していないのですか?」

 「いいえ。」彼は躊躇い、嬉しくなさそうに付け足した、「僕は、公開演説を止めました。」

280

2022年9月23日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 その夜、朝の二時にすっかり目が覚めた。僕は食料貯蔵室へ降り、何枚かのビスキトゥと一杯の水を、自分で取って来た。僕は、ヘンリの前で、サラーの事をあんな風に話してしまって申し訳なく思っていた。牧師は、或る死者がしなかったということ、そこには僕たちが出来る事は何もないと言った。それは、殺人や姦通、目を見張る程の罪の真実かも知れないが、一人の死者はずっと妬みと卑劣という有罪のままでいいのか?僕の憎悪は、僕の愛情同様、箸にも棒にもかからなかった。僕は静かにドアを開け、ヘンリを覗き見た。彼は、明かりを点け、彼の目を彼の腕が隠したまま、ぐっすり眠っていた。隠された目と共に、そこには、全身について匿名の、人がいた。彼は男そのものだった―僕たちの内の一人。彼は、男が戦場で出くわす初めての敵の兵士のようで、死んで、見分けがつかない、白でも赤でもなく、しかし彼自身のように人間そのもの。僕は、彼が目が覚めたらと、彼のベドゥの側に2枚のビスキトゥを置き、明かりを消した。

279

2022年9月22日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕の片机の引き出しから、僕は貴女の日記を取りそれをでたらめに捲りながら、去年の一月の日付に沿って僕は読んだ。「オウ神よ、私は貴方を実際嫌える、それにどんな意味があるのか?」そして僕は思った、サラーを憎む事は、ひたすらサラーを愛す事、自らを嫌う事は、ひたすら自らを愛す事^―モーリス・ベンドゥリクス、The Ambitious Host,The Crowned Image,The Grave Water-frontの著者。ベンドゥリクス乱筆家―サラーでなくとも―もし貴方が実在すれば、貴方以外、僕たちの憎悪に価値を見出す事はない。そこで僕は考えた、時に僕はモーリスを憎んだが、喩え僕が彼をも愛さなかったところで、僕は彼を憎むに至るだろうか?オウ神よ、喩え、僕が貴方を、心底憎めたにしても・・・

 どのように彼女は信じなかった神に祈ったか、僕は覚えていた、と今、僕はサラーに話し掛ける、僕は信じなかったのに。僕は言った、生きる事に僕を連れ戻そうとして、一度は僕たち二人揃って、貴方は犠牲にした。貴女なしで、これが、どんな人生足り得るか?神を愛する事、それは貴女にとっては全て実に好都合だ。貴女は、彼を我がものにしている。僕は生きる事に喘いでいる、僕は健全である事に気が塞ぐ。もし僕が神を慈しみ始めると、僕はまさに死ねもしない。僕は、その事で何かをしようとした。僕は僕の手で貴女に触れずにはいられない、僕は僕の舌で貴女を味わわずにいられなかった。誰も愛せないし、何一つ出来ない。夢の中で貴女が一度したように気にしないでと貴女が僕に話し掛ける事、それも何の役にも立たない。もし僕が永遠にそのように愛したら、それで、何もかも終焉に至るだろう。貴女を愛してさえいれば、僕は何も食べなくても良かった、他のどんな女にも萎えてゆく欲望を感じた。ともかく彼を慈しんだところで、そこは遠くて、何事の中にも、まるで彼と共にある事の喜びは見出せない。僕は僕の仕事でさえ捨てたくて、僕はベンドゥリクスである事を止めたい。サラー、僕はどうしようもない。

278

2022年9月21日水曜日

The End of the affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、僕からあの娘を救うように貴女に頼み、貴女は貴女の母親を僕たちの間に押し付けた―或いはそう彼らが言ってもいい。しかし、もし僕が信じ始めれば、その時貴女の神を僕は信じるようとするに決まっている。僕は貴女の神を愛そうとする。僕は、いっそ貴女と寝た男たちを愛す方がましだ。

 僕は理性的になる事にした、僕は二階に行くよう自分に言い聞かせた。サラーは、死んでいないまま、もう長い時が過ぎた。誰も、この激しさで死者を愛し続けない、唯一生者だけは。彼女は生きていない、彼女が生きている筈がない。彼女が生きていると想い込んではいけない。僕は、僕のベドゥに横になり、僕の目を閉じて、僕は理性的になるよう努めた。僕が時になるように、もし僕が彼女を、そんなに身を余す程嫌えば、どうして彼女を愛せる?人は、心底憎み愛せるか?又、僕が心底憎むのは、それは、僕自身だけだ。僕がそれらのありふれた取るに足りぬ技術書いた本に、僕は嫌気がさす。僕の中の職人気質は、原稿の為には随分貪欲で、彼女が僕に与えられる情報が欲しくて、僕が愛さなかった女を引き籠らせようと調整した。心ゆくまで楽しんだところで、それにしても、心が何を思うかを表現するには、不十分であるこの体を、僕は疎んじた。そして僕は、僕の信頼しようとしない心が疎ましい。それは、ドアベルに粉を振ったり、神屑籠を荒らしたり、貴女の秘密を盗んだりしたパ―キスを腕時計にセットした。

277

2022年9月20日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕に貴方を求めよ、神父?神父、僕は無作法でありたいとは思わないが、僕は、サラーがいなくても僕だ,サラーがいなくても。」

 ヘンリは、困り果てて言った、「僕は申し分けなく思います、神父。」

 「貴方がそうである必要はない。どんな時に男が苦痛の中に納まるか私は知っています。」

 僕は、彼の自己満足の堅い皮膚を貫けなかった。僕は、僕の椅子を後ろに押して言った、「貴方は間違っている、神父。これは苦痛のように何か微妙なものではない。僕は、苦痛の中にいるのではない。僕は、憎しみの中にいる。僕はサラーを憎む、彼女は小さいタートゥだったから、僕はヘンリを憎む、彼女は、彼にくっついて離れないから、そして僕は、貴方と貴方の想像上の神を憎む、貴方は、僕たち皆から彼女を何処かへ連れ去ったから。」

 「貴方は、善良な憎みたがり屋です、」クロムプトンが言った。

 涙が、僕の目で行き場を失くした、彼等の何れかを傷付けるにしても、僕は力を頼りにする気はなかったから。「その貴方の饒舌さを持ったまま地獄へ。」僕は言った。

 僕は、ドアを僕の背でバタンと閉め、二人揃って彼らを閉じ込めた。ヘンリへの彼の高徳な博識を、彼に撒き散らせるといい、僕は思った、僕は一人だ。僕は一人になりたい。喩え貴女を僕が自分のものに出来ても、僕はあくまで一人になろうとする。オウ、次の男と同程度の信頼の能力が、僕にはある。僕は、延々と、ひたすら僕の心の眼差しを締め出すしかないのだ、そして僕は、貴女が、夜、安らぎを運ぶ貴方の感触と共に、パ―キスの少年の所へ出かけたという事を僕は信じられるのに。

276

2022年9月19日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼女は、彼女がなかった何かである振りはしなかった。」

 「僕は、彼女の唯一の愛人ではなかった―」

 「彼を一人にさせなさい、」クロムプトン神父は言った。「かわいそうな男に譫言(うわごと)を言わせて置きなさい。」

 「貴方の専門的な哀れみを僕によこすな、神父。それを貴方の罪を悔いている人の為に、取って置きなさい。」

 「貴方は、僕が誰を哀れもうと、僕に押し付ける事は出来ない、ベンドゥリクスさん。」

 「どんな男でも彼女を所有出来た。」僕は、僕が何を言おうと信じようとしたのは、その時、そこに間違えるか後悔する事は何一つないに決まっていた。彼女が何処にいても、僕は、もう彼女に縛られようとは思わなかった。僕は自由になるんだ。

 「そして貴方は、懺悔に関して、何を以てしても私を説き伏せられないベンドゥリクスさん。私は、告白の25年と共にあった。そこには、私たちが、私たちの前でしなかった死者の内の何人かに、私たちが出来る事は何一つありません。」

 「失敗以外、僕は懺悔すべき事に囚われる事はなかった。貴方を待つの人々の処へ戻りなさい、神父、貴方の血みどろの小さな箱と貴方のロザリオに戻りなさい。」

 「貴方が私をと望むなら、如何なる時もそこで、貴方は私に気付くでしょう。」

275

2022年9月18日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「聖オーガスティンは、時は何処から来たかと尋ねました。彼は、それは未だ存在しなかった未来から現れ、全く継続性を持たない現在の中へ、やがて存在を終えた過去の中で消えたと言いました。私たちは、子供より時を多少よく理解出来るという事を、私は知りません。」

 「僕には意味が分からなかった・・・」

 「オウそうですね、」と彼は言い、立ち上がりながら、「貴方は、まともにこの事に囚われてはいけません、マイルズさん。それでは、貴方の奥様がどんなに善良な方だったかを、見せびらかす事にしかなりません。」

 「それは、僕には何の救いにもならないんですね?彼女は、実在する事を終えた過去の一部です。」

 「その手紙を書いた男は、彼の中に多くの意図を持っていました。それらの為にと同じように、死者に祈る事の中に、そこには全く害はありません。」彼は、彼の言葉を繰り返した。「彼女は善良な女性でした。」

 全く突然、僕は僕の自制をなくした。彼の自己満足に主に悩まされた、と僕は信じている。知性などまるでないという感じは、これまで彼を困らせた筈だった。彼は数時間か、数日の間に知ったのは、僕たちが、何年もの間分かっていた誰かの親密な精通の掌握だけだった。僕は言った、彼女には、その種の事は何もなかった。」

 「ベンドゥリクス、」ヘンリは抜け目なく言った。

 「彼女はどんな男にでもまばたきをする人で、」僕は言った、「牧師にでも。彼女は、彼女の夫を騙したように、彼女は貴方を騙しただけです、神父。それに僕を。彼女は類稀な嘘吐きだった。」

274

2022年9月17日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「本、」僕は言った。「貴方がパ―キスにそれを上げる前に、そこにサラーが何を書いたか読んだの?」

 「いや、どうして?」

 「偶然の一致、それが全て。偶像崇拝である事へのクロムプトン神父の説得に加担する、それは貴方には必要ないように思う。」僕は、ヘンリに手紙を与えた。彼はそれを読み、それから、クロムプトン神父にそれを手渡した。

 「私は、それは好きではありません。」とヘンリは言った。「サラーは死にました。僕は、彼女が噂を立てられるのを見聞きするのは嫌です・・・」

 「僕は、貴方が何を言いたいのか分かる。僕もそう思う。」

 「それは、見も知らぬ人々に彼女の事を、あれこれ言われるのを聞いているようだ。」

 「彼らは、彼女の事を何も悪く言おうとしてはいません。」クロムプトン神父が言った。彼は手紙を下に置いた。「もう私は行かなければなりません。」しかし彼は、テイブルの上の手紙を見るばかりで、動こうとしなかった。彼は尋ねた、「それで碑文?」

 僕は、彼の方へ本を横切って押した。「オウ、それは、何年も前に書かれた。彼女は子供皆と同じで、このような事を彼女の本の多くに書きました。」

 「時は、不思議なものです、」クロムプトン神父は言った。

「もちろん、子供というものは、それが過去にすっかり為された事と理解しようもないのです。」

273

2022年9月16日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 今、もし成長した男がそういう事をする事が出来れば、ベンドゥリクスさん、貴方には私の幼気な子供が想像している事が理解出来ます。今朝、私が目覚めますと、彼の体温が99度で、彼は少しの痛みもなく、医者が来ると。そこには残された僅かな虚弱さもなかったものですから、私たちは、暫く待つ方がいいと彼は言いましたが、子供は一日中全く正常でした。只、来て痛みを拭い去ってしまったのは、それは、マイルズ婦人でした―胃の右側を、彼に触れながら、もし貴方が無作法を許して下されば―そして彼女は、彼の為に本に書き込んだ、と医者に打ち明けました。しかし医者は、彼は、この上なく安静を保たれなければいけない、本は彼を興奮させると言いますから、こんな状況の下では、私は家の中に本がない方が寧ろいいのです・・・」

 僕がその手紙を上に向けると、そこに追伸があった。「本の中のあちこちに何か書いてありますが、マイルズ婦人が少女だった頃で、それは何年も前だったという事は、誰でも見ると分かります、只、私はその事を、痛みが戻って来るかも知れないと不安に思うが故に、私の幼気な子供に説明出来ません。敬意を込めて、A.P。」私は見返しの方を向けて、そこに 他の本の中で以前見たのとちょうど同じ消せない鉛筆の形にならなかった走り書きがあり、その中に、子供だったサラー・バトゥラムが、彼女の座右の銘を書いていた。

 「私が病気になった時、私の母は、私にラングによるこの本を私に与え      ました。

 もし誰か丈夫な人がそんなものを盗めば、彼は、凄絶な轟音を喰らうで         しょう。

 けれども、もし貴方が病気で床に伏せているのなら、その代わりに

 貴方は、それを読む為に、手に取ることが出来ます。」

 僕は、食堂の中に僕と一緒にそれを戻した。「それは何だったの?」ヘンリが尋ねた。

272

2022年9月15日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 彼女は、一度、彼に話し掛けただけでしたが、どういう分けか、彼の母親は彼女に似ていたという考えを持ってしまった、と僕は思います。只、彼女も、彼女の途上にあって、十分誠実な婦人ではなかったのに、私は私の人生の日々を見失っています。それで、彼の体温が、彼のような少年にしては高い、103だった時、通りで彼がした、ちょうどその通りに、マイルズ婦人に話し始めましたが、彼の年齢でさえ専門家としてのプライドゥを持ちながら、もちろん彼はしたくないのに、彼女を見張っていた、と彼女に打ち明けました。その内、彼は、彼女が何処かへ行ってしまって泣き出し、それから彼は眠ったにもかかわらず、彼が起きた時には、彼の体温は、まだ102のままでした。彼は、彼女が夢の中で彼に約束したプレズントゥを頼みました。そう、それが、何故私がマイルズ氏を悩ませ、彼を騙したのかであり、幼気な私の子供だけで、そこに専門家としての理由がない事が、私は恥ずかしい。

 私が本を貰って、それを彼に与えると、彼は少し穏やかになりました。しかし、もうこれ以上危険を選ぶ事はなく、彼は、水曜日には病院に行く予定で、もしそこで空いたベドゥがあったら、彼は、その夜、彼を送るつもりだ、と医者が言いましたから、私は心配でした。私の可哀そうな妻と私の幼気な子供だからこそ私は気懸かりで、それにメスが怖くて眠れなかったのは、貴方が見ての通りです。私は、随分一生懸命祈ったと貴方に打ち明けても、気にはなりません、ベンドゥリクスさん。私は神に祈り、もし天国のそこに誰かがいれば、今彼女は天国にいるのだから、彼女が出来る事をして欲しい、と私の妻に祈り、私は、マイルズ婦人に、もし彼女がそこにいたら、彼女も又出来る事なら何でもして欲しい、と頼みました。

271

2022年9月14日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「親愛なるベンドゥリクス氏、私は貴方に書いています、嘆かわしい団体とはいえ、私共の終わり故に貴方の同情を確信しているマイルズ氏ではなく、想像力のある、未知の出来事に慣れた文学の紳士貴方に。貴方は、私の所の若い者が、最近、彼の胃の酷い痛みは悪化する一方で、アイス・クリームの所為ではない事を御存知です。私は、虫垂炎を心配しています。医者は、手術を申し渡し、それには殆ど危険性はあり得ないとはいえ、私の幼気(いたいけ)な子供にメスとは、どれだけ恐ろしい事か、彼の母親は、不注意によりその最中に死んだ事を私は確信しています。この上、もしも同じ事で私の子供を失う嵌(は)めになったら、私はどうすればいいでしょう?私は全く一人になってしまいます。つまらぬ事はひらに許して下さい、ベンドゥリクスさん、しかし私の職業では、私たちは順番に物事を片付けるよう訓練され、重要な事を真っ先に説明します、だから裁判官は、事実を分かり易く提供しなかったと不平を言えない。それで私は、月曜日に医者に言いました、私たちが確信するまで待ちましょうと。只、マイルズ婦人の家の外で、待ちかまえ、見張っていた、そういう事をした、これは風邪だと時々僕は思います、一人放って置かれても致し方ない底なしの寛大さを持つ女性だったと僕が言っても、貴方は私を許すでしょう、貴方は、私の仕事の中身をほじくり返し、選別するけれども、メイドゥン・レインでのあの最初の日から今まで。私が見張っていた、それが、誰か他の女性だったらいいのにと願いました。ともかく、僕の所の若い者は、どんな風にその可哀そうな女の人が死んで行ったのか、彼が聞いた時、恐ろしく取り乱しました。

270

2022年9月13日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼が本を返そうとしてるんじゃないかと僕は思う。」

 「こんな時間に?その上、それには僕の宛先が書いてある。」

 「そうだね、それで、それは何なの?」僕は小包を開けたくなかった。僕たちは、僕たち二人共が、忘れようとする痛みを伴った過程の最中(さなか)にあったのではないか?サヴィジ氏の取次店への僕の訪問で、僕は十分罰せられて来たのではないかと僕は思った。僕は、「私は、もう席を外しましょう、マイルズさん。」と言うクロムプトン神父の声を、僕は聞いた。

 「それはまだ早い。」

 僕は思った、僕が部屋の外に留まれば、僕は、ヘンリの客への礼儀に適わなくてもいい、彼はもう間もなく帰るかも知れない。僕は包みを開けた。

 ヘンリが正しかった。それは、アンドゥルー・ラングの童話集の一冊だった。しかし、頁の間に一枚の折り畳んだメモ用紙が突っ込んであった。それは、パ―キスからの手紙だった。

 「親愛なるベンドゥリクス氏、」僕は読んだ、又、それは感謝の主旨だと思いながら、僕の目は、最後の文章に我慢出来ずに引き付けられた。「つまりこの状況の下で、僕は、いっそ家に本がない方がいいし、貴方の立場上、そこには本当に恩知らずはいない、と貴方がマイルズ氏に説明して下さることを望んでいます、アルフレドゥ・パ―キス。」

 僕は、ホールに座り込んだ、僕はヘンリが話すのを聞いた、「僕は、僕の心を閉ざしてしまったと考えないで下さい。クロムプトン神父・・・」そうして僕は、パ―キスの手紙を初めから読むことにした。

269

2022年9月12日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 一瞬、それが僕たちの家政婦だと僕は思った、「 貴方は、ベンドゥリクスさんですか、サー?」と彼女が言うまで。

 「はい。」

 「私は、これを貴方に差し上げなければなりません、」すると彼女は、そこに何か爆発物でも入っているかのように、僕の手に素早く包みを押し込んだ。

 「それは、誰からですか?」

 「パ―キスさん、サー。」

 「僕は、当惑してそれを裏返した。彼が僕に手渡そうとするには、今はもう遅過ぎる何らかの証拠を、誤って取って置いた、そういう事が僕の身にまで振り掛かった。僕は、パ―キスさんを忘れたかった。

 「良ければ受領書を私に戴けますか、サー?私は、包みを貴方自身の手に入れ込まなければなりませんでした。」

 「僕は、鉛筆を持っていない―それに紙も。僕は本当に悩まされる覚えがない。

 「パ―キスさんは、記録をどうしているか、貴方は知ってらっしゃる、サー。私は、私のバグに鉛筆を入れています。」

 使用済みの便箋の背に、僕は、彼女の為に受領書を書いた。彼女は、それを用心してしまい込み、その次に可能な限り遠くへ、彼女に出来る限り速く手に入れたかったかのように入口の方へ慌てて走った。

僕は、僕の手の中の物の重さを測りながらホールに佇んだ。ヘンリが、食堂から僕に呼び掛けた。「それは何、ベンドゥリクス?」

 「パ―キスからの小包、」僕は言った。その文句は、早口言葉のように響いた。

268

2022年9月11日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「どんなものでも、何もないよりはいい。それは、ともかく神の力の承認で、それが賛美というもの、と私は思います。」僕は、夕食が始まってから、余りにも彼の話に耳を傾けていなかった。

 「僕は、考えもしなかった。」僕は言った、「それは、森に触れる事か、舗装道路上の線を避ける事にかなり似ていた。あの年齢では、どっちみち。」

 「オウそうです、」彼は言った、「私はちょっとした偶像崇拝にも逆らいません。それは、この世界が全てではないという考えを、人々に齎します。」彼は、僕に鼻を下げて顔をしかめた。「それは、知恵の始まりに成り得ましょう。」

 「貴方の教会は、確かに大筋から言って偶像崇拝を求めて入ります―聖ヤヌアリウス、血を流す像、処女の理想像―その類の事。」

 「私共は、それらを選り分けて除外しようとしました。何があってもいいと開き直る事、その方がずっと賢明さに欠けるのでは・・・?」

 ベルが鳴った。ヘンリは言った、「僕は、彼女はべドに行っていいよ、とメイドゥに言ってある。」

 「貴方は、僕の退席を許して下さいますか、神父?」

 「僕が行くよ、」僕は言った。僕は、その苛酷な同席から逃げ出す方が嬉しかった。彼は答えにも、励ましがあった。素人には、先ず彼を拒む事を期待出来ず、彼は彼の名に値する技術によって、人に耐え得る手品師のようだった

僕が玄関ドアを開けると、包みを抱えた喪服の頑丈な女が目に飛び込んだ。

267

2022年9月10日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「どんな開けた場所でも、貴方は、それを事件にする。それにどっちみちそりゃあ冬ですもの。」そうして、それはがそれはを締め出した。

 「もう幾つかチーズを、神父?」

 「いえ、貴方に感謝します。」

 「僕は思います、このような地区で、貴方はお金を集める数多(あまた)の苦労を抱えていらっしゃる―慈善の為に、と僕は申しますが?」

 「皆様は、彼らに出来ることなら何でも施して下さる。」

 「貴方のカフィと一緒にブランディは?」

 「いいえ、貴方に感謝します。」

 「貴方は、気にしないで下さい、喩え僕たちが・・・」

 「もちろん僕は気にしません。僕はそれを飲むと眠りに落ちられません、それだけです、それに僕は六時に起きることにしています。」

 「一体何の為に?」

 「祈り。貴方はそうする習慣が身についてますね。」

 「恐縮ですが、僕はたくさんは先ず祈れません。」ヘンリが言った、「僕は少年だった頃から、二軍のXV(ラグビー))に入りたくて何時も祈りました。」

 「それで貴方は入りましたか?」

 「僕は三軍に入りました。僕は不安ですが、祈りというものは、非常に優れている訳ではないんでしょ、神父。」

266

2022年9月9日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方まで、信仰を変えるんじゃないでしょ、ヘンリ?」

 「もちろん変えない。彼らには、僕たちが持つ程度の、彼らの見解に対する真剣さはある。」

 そうこうして彼は夕食に遣って来た。醜い、目の落ちくぼんだ、トルケマダのような鼻の、彼は、僕からサラーを守ったその男だった。一週間で忘れられて当然の、ばかげた誓いに閉じ込め、彼は、彼女を支えて来た。彼女が雨の中歩いて、避難所を探したのも、その代わりに「彼女の死を受け止める事になった」のも、そりゃあ、彼の教会に向かっていたからだ。ありのままの礼儀正しさでさえ示すのは、僕にとってそれは難しく、ヘンリは、夕食の重荷を肩に背負うことにした。神父クロムプトンは、何時もは、外で食事をしなかった。彼の意向を保つ為にそれを懸命に探す事、これは義務だという印象を、人は持った。彼は、非常に限られた些細な話をし、彼の答えは、木のように道を横切って倒れ掛かった。

 「貴方は、ここら辺に多くの貧困者を抱えている、と僕は思いますが?」

ヘンリは言った、かなり疲れて、一面のチーズに。彼は随分いろんな事に挑戦した―本や映画の影響、最近のフランス訪問、第三次戦争の可能性。

 「それは、問題ではありません。」神父クロムプトンは返事をした。

 ヘンリは一生懸命務めた。「不道徳?」彼は、僕たちがこんな言葉では、避けて通れないいささか捨て鉢な調子で尋ねた。

 「それは、嘗て問題であった例がありません。」神父クロムプトンが言った。

 「僕は思いました、多分―共有地―誰でも気付きます、夜・・・」

265

2022年9月8日木曜日

The End of the Affair Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅶ

「貴方は何処にいたの、ヘンリ?」僕は尋ねた。彼は、普段、最初に朝食に着き、時には、僕が下りる前に、彼は家を出たのに、今朝は、彼のお皿が触れられないままで、僕は彼が現れる前に、静かに玄関ドアが閉まるのを耳にした。

 「オウ。ちょうど下りて来たね、」彼はごまかすように言った。

 「一晩中外にいたの?」僕は尋ねた。

 「いや。もちろんいない。」彼が僕に本当の事を言うそんな義務を、彼自身に明瞭にする為に。「神父クロムプトンは、今日、サラーの為のマース(ミサ)を唱えた。」

 「彼は、未だにその事に関わっているの?」

 「ひと月に一度。ちょっと覗く、それが礼儀だろうと僕は思った。」

 「貴方がそこにいても彼が気付く、と僕は思わない。」

 「僕は、後でお礼を言いたくて、彼に面会した。実を言うと、僕は彼を夕食に招待した。」

 「それなら僕は出掛けるよ。」

 「貴方は、そうしないで欲しい、ベンドゥリクス。」

 「とりあえず、彼の身になると、彼は、サラーの友人だった。」 

264    

2022年9月7日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

僕はその紙切れを上に向け、23 7月 1926のプログラムを読んだ。the Water Music of Handelミス・ダンカンによる演奏、R.C.M。「I wanted lonely as a cloud」ベアトリス・コリンズ。チュダ・アイレス男子学生クラブによる。A flat Chopin‘s Waltsメアリ・ピピトゥによる。二十年前の長い夏の午後は、僕へとその影を伸ばし、僕は、そう、悪い方向へ僕たちを変えるこの世を憎んだ。僕は思った、僕の初めての小説を始めた、その時だった。僕は、仕事をしようと腰掛ける時、そこには有り余る程の興奮、野心、希望があった。僕は辛くはなく、僕は幸福だった。僕は読まれなかった本の中に紙切れを戻して置き、GolliwogとBeatrix Pottersの下の食器戸棚の後ろに一冊突っ込んだ。たった十年、僕たちの間の数郡を共にしただけでも、僕たちは二人共幸福だったが、何の明瞭な目的もなく、しかし数え切れない程の傷を互いに与える為に、一緒になるには少し遅かった。僕は、Scott`s last Expeditionを持ち上げた。

 あれは、僕自身の好きな本の一つだった。今デイトゥするなど奇妙に思えた。敵に対する氷だけを持ったこのヘロウイズム、人の所有を超えて、何人の死も巻き込まない自己犠牲、二つの戦争が僕たちと彼らの間に立ち尽くした。僕は、写真を見た。顎髭があり、目をむいている、雪の小さな積み上げたもの、、ユーニアン・ジャック、縞を付けた岩の間の時代‐遅れの調‐髪のような、長いたてがみを持ったポウニ。死でさえ「終止符」であり、「終止符」どころか、頁に線、感嘆符で印を付けた女学生がいて、彼女は、Scott`s last letter homeの余白に小奇麗に書いた。「そうして次はどうなるの?それが神ですか?Robert Browning。」その時でさえ、僕は思った、彼は彼女の心の中に入り込んだ。彼は、愛人同様に秘密で、束の間のムードゥの優勢を選び、彼のありそうにない事と伝説で、僕たちをヒアロウのように誘う。僕は、最後の本を戻し、錠を下ろして鍵を回した。

263

2022年9月6日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼女が、前にフドゥの詩を読んだことがあったかどうか、僕は疑う。本は、校長か有名な訪問者によって彼女に手渡された時と変わらず、どの頁もきれいだった。実際、それを食器戸棚に戻して置こうとした時、一枚のプリントゥが床に落ちた―おそらくその真の賞授与の書類。手書きの内、僕が承認可能だったのは(しかし僕たちの手書きでさえ、始まって日が浅く、時勢の古臭いアラビア模様上を占領している)言い回し「何と戯言を発する」だった。僕は、校長が彼女の席に着き、親たちによって恭しく拍手されている時、サラーはそれを書き下ろし、彼女の隣にそれを見せたのだと想像出来た。僕は、何故、彼女のもう一つの輪郭が、僕の頭の中に入ったのか、何時、その苛立ち、その無理解やその確信全てを持ったその女学生の言い回し「私は詐欺師でペテン師です。」を、僕が見知ったのか分からない。僕の手の下のここは、無知だった。彼女は彼女自身について、そういう事を思う為にだけ、もう一人の二十歳を生きて来たというのでは、余りに哀れなような気がした。詐欺師でペテン師。怒りの一瞬に、僕は彼女を利用した、それは説明になったのか?彼女は何時も、僕の批評を匿(かくま)った。それは雪のように彼女から滑り落ちた一途な賞賛だった。

262 

2022年9月5日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、その後サラーの夢を見て、僕たちは、南側の懐かしい部屋で、又恋人に戻ったが、何も起こる事はなかった。この時だけ、事実そこにどんな悲しみもなかった。僕たちは、幸福だった上に後悔もなく。

 僕の寝室の食器戸棚を引っ張って開け、古い子供たちの本の積み重ねを見付けた、それは、その後二、三日経ってからだった。ヘンリは、この食器戸棚をパ―キスの若い者の為に荒さなければならなかったんだ。それぞれ色の付いたカヴァに包まれたAndrew Langのお伽話、数多いBeatrix Pottersの五、六冊が、そこにはあった。The Children of the New Forest、The Golliwog at the North Pole、そしてまたもっと古い一、二冊。―Captain Scott`s Last ExpeditionやPoem of Thomas Hood、それが台数に於ける熟達の為、サラー・バトゥラムに授与されたというラベルの付いた学校用皮革に閉じられた極め付け。代数!人の何と変わる事よ。

 その夕方、僕は仕事が出来なかった。僕は何冊も本を抱えて床に寝転び、サラーの一生の内、白紙の時間に少なくとも二、三その輪郭を追おうとした。愛する人が、父や兄弟も又、いて欲しいと願った時代が、そこにあった。彼が分かち合えなかった年月を、彼は妬む。The Golliwog at the North Poleは、おそらくサラーの初めての本で、それは、前頁に亘って走り書きされていた、この道、またあの道、無意味に、破壊的に、カラのチョークで。Beatrix Pottersの一つに彼女の名前が、鉛筆で綴られていた。一つの大文字が間違って配列してあり、そうそれは、どう見ても・・・だった。The Children of the New Forestに、彼女は実にきちんと、綿密に、「Sarah Bertram Her Book」記と彼女は語った。借りるにはどうか許しを請うて下さい。そしてもし貴方がそれを盗めば、その時は、貴方の悔恨となるでしょう。それらは、今まで生きた全ての子供の目印だった。人が冬に見る鳥の鉤爪の印同様、特徴のない。僕がその本を閉じた時、直ぐに、それらは時の流れによって覆われた。

261

2022年9月4日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅵ

そうこうして僕は、共有地の北側に転居した。僕は一週間の家賃を無駄にした。ヘンリが直ぐに来て欲しいというものだから。僕は五パウンズ僕の本や衣服を運ぶヴァンの為に支払った。僕は、客間を持ち、ヘンリは、書斎としてがらくた―部屋を片付け、階上には、床の上、そこにバスがある。ヘンリは、彼の衣裳‐部屋に移り、彼らが冷たいトゥイン・ベドゥを共有した部屋は、訪れない客の為に残された。二、三日後、ヘンリは空っぽになる事のない家によって、何をどうするつもりなのか、僕は見ることにした。僕は、大英博物館でそれが閉まるまで仕事をし、その後、僕は戻って、ヘンリを待ち、普段は出掛けて、ポンテフラクトゥ・アームズで少し飲んだ。一度、ヘンリがボーンマウスの会議で、数日間不在だった時、僕は女の子を拾い、彼女を連れ帰った。それは、微塵もいい事はなかった。僕は、直ぐにそういう気がした、僕は、性的不能者で、彼女の気持ちを救う為に、他の誰かとこういう事をしない、と僕は、僕が愛した或る女に誓ったんだ、と彼女に打ち明けた。彼女は、非常に気持ちよく、それを理解した。売春婦は、感傷への大いなる畏敬の念を抱く。僕の心の中、そこにどんな復讐心もなかったこの時、僕があんなにも繰り返し楽しんだ何かを諦める事への悲しみを、僕は感じただけだった。

260 

2022年9月3日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方を味方につけて、地上の何を彼は欲しがったのか?」

 「彼のところの少年に彼女は親切だった、と彼は言った―神は、その時を御存知だ。その若者は病気だ。形見に彼女の物を欲しいように思えた。彼女の昔の子供達の本の一、二冊を彼にあげた。彼女の部屋、そこにはたくさんそういうものがあり、どれにも鉛筆で、一面、走り書きがあった。それは、そういうものを片付けるのに良い方法だった。誰もフォイルズにそういうものをまさか送られない、誰か出来る?僕はその中にどんな害も見えない、貴方はどう?」

 「いや。それは、サヴィジの探偵取次事務所から、彼女を見張る為に置いた男だった。」 

 「善良な神、もし僕が知っていたら…しかし彼は、実際、彼女を好きな感じではあった。」

 「パ―キスは人間だ。」僕は言った。「彼は、簡単に触った。」僕は、僕の部屋を見回した―どこからヘンリが来ても、サラーのものは、もうそれ以上そこにないように。多分どころではなく、彼女は、そこで薄められるだろうから。

 「僕は、来て貴方と一緒にいよう、ヘンリ、だが貴方は、僕に幾らか家賃を払わせなきゃいけないよ、ヘンリ。」

 「僕はとても嬉しい、ベンドゥリクス。それで、家屋は、自由保有不動産だ。貴方は、料金の内、貴方分を払えばいい。」

 「又結婚して、新しい当てこすりを探す方がいいと貴方が気付く『三ヶ月』。」

 彼は僕の言う事を、実に真面目に受け取った。「僕は、そんな事をもうする気はない。僕は、結婚する類じゃあない。僕が彼女と結婚したばっかりに、サラーに負わせたのは、そりゃあ大きな傷だった。僕は、今ようやくそれが分かった。」

259

2022年9月2日金曜日

The End of the Affair/ Graham Greene 成田悦子訳

彼女がそこにいなかった時は何時も、あの最期の月、僕が帰宅した時、手紙が僕を待っているのを見るのを惧れた。『親愛なるヘンリ』・・・彼らが小説の中で書くような事だと貴方は知っている。」

 「そう。」

 「しかし今は、あんな風に家が空虚には思えない。僕は、それをどう表現すべきか、分からない。彼女は何時も何処かにいる。彼女はこれまで何処にもいない。貴方は、彼女が他の何処にも、これまでいた例(ためし)がないのを見ている。彼女は、誰かと昼食を摂っていない、彼女は、貴方と映画館にいない。そんな場所は、彼女のいるべき場所ではなく、それにしても家だって。」

 「じゃあ、何処に彼女の家庭はあるの?」僕は言った。

 「オウ、貴方は僕を許そうとした、ベンドゥリクス。僕は神経が細く、疲れている―僕は十分寝ていない。彼女に話し掛けるのに次の最高の手法は、彼女について語る事だし、そこには貴方だけがいる、と貴方は分かっている。

 「彼女は、多くの友人を持っている。サー・ウイリアム・マロック、ダンスタン・・・」」

 「僕は、彼らに彼女の事を語れない。あの男、パ―キス以上に。」

 「パ―キス。」僕は叫んだ。彼は僕たちの暮らしの中に、永遠に、彼自身を滞めてしまったのか?

 「僕たちが催したカクテイル・パーティに彼はいた、と彼は僕に話した。」

 「見知らぬ人々を、サラーは選んだ。彼は、貴方も彼を知っていると言った。」

258

2022年9月1日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 ヘンリは言った、「そこには残った悪い‐感情は全くない。そこにあるの、ベンドゥリクス?僕は、貴方のクラブで貴方に怒られた―あの男の事で。しかし、今、それはどうでもいいじゃないか?」

 「僕が悪かった。彼は、単なる幾分狂気じみた桶をどんどん打つ、彼の論理を以(もっ)て彼女に興味を抱いた合理主義者だった。そんなことは忘れた方がいい、ヘンリ。」

 「彼女は善良だった、ベンドゥリクス。人々は噂するが、彼女は善良だった。まあ、僕が彼女を適切に愛せなかった、それは、彼女の落ち度ではない。貴方も知ってる、僕は恐ろしく分別があり,慎重だ。僕は愛人を作るタイプではない。彼女は、貴方のような誰かを求めた。」

 「彼女は僕の許を去った。彼女はその気にさせ続けた、ヘンリ。」

 「僕は、一度、貴方の著作の一つを呼んだのを知ってる?―サラーが僕に見繕った。貴方は、その中で女が死んだ後の家を描写した。」

 「The Ambitious Host。」

 「それがその題名だった。その時には、それで全くいいように思った。僕はそれを尤もらしいとは思ったが、貴方は、それを全く間違っていることにした。貴方は、どのように夫は、その家が酷く空虚だと気付くかを描写した。椅子を移し、そこにいるもう一人の動作の効果を出そうとして、彼は、部屋をあちこち替えた。時々、彼は、二つのグラスに飲み物を、彼自身注ごうとする。」

 「僕は、そういうことは忘れる。そうだとちょっと文学的な響きがある。」

 「それじゃあ、目的からずれる、ベンドゥリクス。悩みは、家が空虚に思えない処にある。貴方は見ている、しばしば随分前には、僕が役所から帰宅すると、彼女は何処かに出掛けている―おそらく貴方と一緒に。僕が呼ぶのに、彼女は答えようとしない。その時、家は空っぽだった。僕は、危うく家具がなくなっているのを見つけることを期待するところだった。僕は、僕の範疇で彼女を愛したんだと貴方も分かっている、ベンドゥリクス。

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