自己紹介 成田悦子毎日少しずつ主に英文学の過去の小説を紹介しています。私の遣り方は原文をそのまま生かし、イギリス人、イギリスという国そのものの文字を通した姿を過去に遡って見せ、貴方同様私が学ぶ

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暑いし, リチウム電池入りロボ県内, Japan
GooNTTレゾナントは私のブログを4つ非表示にし、「詩を全部削除しろ」と詩人である私に言っています。

Gooは猥褻サイトの記事は問題がないと言います。私の住所・氏名・電話番号まで書き込んで「きちがい、前科三犯」と書くサイトの規約違反を指摘しても、「貴方は一体どうしたいのですか?」と言います。削除して欲しいに決まっています。そんなことも分からないのに、「鳥居正宏」という偽名の社民党員の要請で四つのブログを非表示にしています。私は「鳥居正宏」の中傷記事を書いたことは一度も無く、中傷されたコメントを載せたことが一度あっただけです。しかしそのコメントは、社民党と自公政権が不正に侵入して直ぐに削除して非表示の要請があった時にはありませんでした。あれから20数年Gooも消えます。私が消えていないことはいい兆し。正義は私の下にある。当面翻訳中心の生活です。

成田悦子翻訳小説.orgで翻訳中 「Youth 」Joseph Conrad

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2022年3月21日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅳ

僕は彼に追い着くか、或いは少なくともフワイトゥホールからの長い距離を先回りして、彼を視界に捕らえようとした。というのも僕は彼の帽子を、僕が持って行ってやりたかったから。ところが彼は何処にも見当たらなかった。僕は何処へ行こうか決めかねて折り返した。近頃、それは最悪の時刻だ。そこにあるのは、有り余るほどのそれ。僕はチャーリング・クロス地下に近い小さな本屋の中を見た。この時間にサラーは、角の周辺で待ち伏せるパ―キスさんと一緒に、シーダー・ロウドゥの粉を塗したベルに、彼女の手を置いているのではないだろうか。仮に僕が時間を巻き戻せたところで、僕はそうしようとしたと思う。僕は、ヘンリを徒歩で側に行かせようとした。ところが僕は、僕に何か出来ることがあるとすれば、とっくの昔に、出来事の道筋の変更をしているのにと疑心暗鬼になるばかりだ。ヘンリと僕は、今や、僕ら流に、連合軍で、無限の潮流に逆らった連合軍だ、僕たちは。

 僕は道路を横切り、露天商を過ぎ、ヴィクトウリア・ガードゥンの中に入った。さほど多くはない人々が、曇った吹きっさらしの中、ベンチに座っていた。僕は、忽(たちま)ちの内に、ヘンリを探し当てたものの、彼と認めるには少々僕には時間がかかった。戸外で、帽子もなく、彼は、匿名の人、放浪者ら、貧しい郊外から上って来た誰も知らない人々―雀に餌をやる老人、Swan & Edger’sと記された茶色い―紙包みを持った婦人と合流したように見えた。

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