https://naritaetuko.jp成田悦子の翻訳テキストとちょっとしたこと

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2011年7月10日日曜日

文学賞受賞は人を下りること

週間新潮七月十四日号で、
KDDIは、なかにし礼の「恥らう携帯」というショート・ショートを使って宣伝している。
KDDIauは、夫の携帯を殺害一ヶ月前購入したことにし、殺害後、夫の古い携帯を処分し、この購入したことにしている住所、履歴の削除に協力している。
夫のカードから引き落とし、更に私に対し携帯三万五千円以上を請求した。
私は二重払いであることを告げたが、auは支払いを命じている。
牛尾治朗を調べれば、KDDIが何をしているか、全て分かる。
この十数年のKDDIの顧客に対する非礼、顧客情報漏洩が、売り上げ激減、顧客激減に繋がっている。

「教える」という相手側の動作を表す動詞に、「お」を付け、「電話番号を、お教えください」と、この混乱した朝鮮半島・中国出身者、創価学会系芸能人・学者・文化人等発日本語混乱の状況下、言わないわけでもないだろうが、「教えてくださいますか?」と言った方が良い。
動詞に尾ひれを付けると、何になるか分かりますか?
貴方が、馬鹿だと思われます。
動作・作用・状態・存在を表す動詞に尾ひれである「お」を付けると、自分や相手の行なうことを茶化したり、曖昧にします。
動詞に「お」を付けると、相手の行動に対する「敬意」ではなく、「軽蔑」の表明になります。

なかにし礼の書いた「恥らう携帯」は、「お」、「ご」の多用が、如何に文章を間の抜けたものに見せるかを証明している。
「ちなみに携帯電話はお持ちですか?」と続く。
「持つ」に「お」はいらない。
「携帯電話を持つ」であり、「携帯電話は持つ」ではない。
・・は・・持つではない。
限定と強調の意味を表す為に「は」を使うことがあるが、この場合は、その例ではない。
「ちなみに携帯電話を持っていますか?」
「ちなみに携帯電話を持っていらっしゃいます?」
で良い。
ちなみに??・・・もいらない。
こういう単語は、相手に横柄な印象を与え、どう受け取られるか分かっていない人間が多過ぎる。

「では、受賞なさった時は店の電話に報告を入れます。・・・・」と続く。
「受賞の連絡がありましたら、お店に電話致します。」で良い。
動詞や名詞に「お」と「ご」を付けずに丁寧に話す訓練をすべきである。
相手に自分の意志と連絡事項を伝え、相手がその言葉を正確に受け止めることが大事である。

しかし、早稲田慶応東大阪大的、国際基督教大学的発想で会話や論議を進めてはならない。
「国際基督教大学の教授と生徒の会話は素晴らしい」、とテレビを見ている人がいると思ったら大間違いである。
「ばかみたい・・」と思って見られていることを、国際基督教大学とテレビ局は忘れているだろうが、忘れてはならない。
私がたまに見るのは、「今日はどんな馬鹿げたことを話合うの?」と いう気持ちからである。

「2000年度前期××賞に・・・・・決まりましたが、お受けになりますか?」
「お受けになる」と言うのは、止めた方が良い。
何賞か知らないが、この賞を授与する出版社のレベルの低さを表している。
「・・決まりました。」であって、「決まりましたが・・」ではない。
理由は、この・・・・という作家が、長い間××文学賞の授与を待っていたからである。
なかにし礼は、テープを起こして書いているわけではないだろう。
先ず、「2000年前期××賞受賞おめでとうございます」である。
次に「是非賞を受けて下さい」と言う。

それにしても可笑しいのは、受賞の確認をしなければならない程、文学賞を受賞したくない人がいるということである。
理由は、分かっている。
文学賞を受け取ることは、人を下りるということであるからである。

字数が決まっている。
編集者側、或いはスポンサーから挿入文字指定がある。
小説にも、エッセイにも、広告にも制約がある。
制約というものは、作家に対する規制ではなく、寧ろ自己の開放と成り得るものである。
如何にその商品を売るか?
売る為にどう書くか?
挿入文字指定を変更させることも、作家の力である。
より多く商品を売る為の言葉を作家自身が提供する、そうした作家がいるとは思えない。
作家は、商品その物の販売、品質向上に影響を及ぼすことが出来る。

ものを書く人間は、世界を変えることが出来ることを、皆忘れている。

12:06 2011/07/10日曜日