Sinnò me moro

Amore, amore, amore, amore mio, In braccio a te, me scordo ogni dolore! Vojo resta co'te, sinnò me moro, Vojo resta co'te, sinnò me moro, Vojo resta co'te, sinnò me moro…  Nun piagne amore

Sinno me moro(Un maledetto imbroglio 刑事)

自己紹介 成田悦子毎日少しずつ主に英文学の過去の小説を紹介しています。私の遣り方は原文をそのまま生かし、イギリス人、イギリスという国そのものの文字を通した姿を過去に遡って見せ、貴方同様私が学ぶ

自分の写真
暑いし, リチウム電池入りロボ県内, Japan
GooNTTレゾナントは私のブログを4つ非表示にし、「詩を全部削除しろ」と詩人である私に言っています。

Gooは猥褻サイトの記事は問題がないと言います。私の住所・氏名・電話番号まで書き込んで「きちがい、前科三犯」と書くサイトの規約違反を指摘しても、「貴方は一体どうしたいのですか?」と言います。削除して欲しいに決まっています。そんなことも分からないのに、「鳥居正宏」という偽名の社民党員の要請で四つのブログを非表示にしています。私は「鳥居正宏」の中傷記事を書いたことは一度も無く、中傷されたコメントを載せたことが一度あっただけです。しかしそのコメントは、社民党と自公政権が不正に侵入して直ぐに削除して非表示の要請があった時にはありませんでした。あれから20数年Gooも消えます。私が消えていないことはいい兆し。正義は私の下にある。当面翻訳中心の生活です。

成田悦子翻訳小説.orgで翻訳中 「Youth 」Joseph Conrad, The Grapes of Wrath Jhon Steinbeck

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ブログ 成田悦子翻訳小説.org Youth Joseph Conrad, The Grapes of Wrath Jhon Steinbeck

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2023年4月30日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 PART TWO

パイルは一杯と称したものに因んで自ら招待していた。しかし僕は、彼は実際飲まないのをよくよく知っていた。何週間もの旅行の後、あのファトゥ・ディエムでの突拍子もない出会いはほとんど信じ難いように思えた:それどころか会話の細部はほとんどはっきりしなかった。それらは古代ロウムの墓石上の欠けた文字、僕の学問の偏見に従った欠落の中の考古学者の詰め物、僕のようだった。彼が僕の足を引っ張って来たという事、また会話は真の目的のために、手のこんだ,おどけた偽装だったという事、その事が僕の頭にありはした、彼は諜報と呼ばれた非常に馬鹿げたそうした軍務の一つに従事していた、その事は既にサイゴンの噂話だったから。ひょっとしたら彼は第三勢力寄りの米軍の手はずを整えていたのではー主教のブラスバンドゥ、その全員が彼の若い脅えた無給の徴募兵に属して残されていた。

110



2023年4月29日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕は上級フランス将校、彼らの妻達や彼らの女達と一緒にメトゥロポウルで飲みたくなかった、そして僕がバーに着いた時、僕はホア・ビンの方に銃の遠いドゥラミングに気付いた。昼間、それらは交通の‐騒音に浸されたが、輪タク運転手が賃貸しに精を出す所、自転車のベルのトゥリングの間以外今は何もかも静まり返っていた。ピエトゥリは彼の何時もの場所に座った。皿の上の西洋梨のように彼の方の上に座る奇妙な長く伸びた頭蓋骨を持っていた、彼は公安将校でパクス・バーを所有する奇麗なトンキン人 と結婚していた。彼は故国に帰りたがる特別な願望を持たない変わった男だった。彼はコーシカン(コルシカ人)だったが、彼はマーセイルズ(マルセイユ)を好み、彼はどんな日もマーセイルズに向かうガムベッタ通りの舗道上の彼の席を好んだ。僕は、彼は既に僕の電報の中身を知っているのかと思った。

 「821?」彼は尋ねた。

 「何故、ない?」

 僕達は投げ始め、僕は、ガムベッタ通りやカティナトゥ通り、ヴァマス・カシスのフラトゥの味わい、ダイスの素朴なカチッという音、それに地平線のの周りのクロク・ハンドゥのように移動している砲火から離れて、また嘗てのように暮らしを始められるという事、それは不可能に思えた。

 僕は言った、「僕は帰るつもりだ。」

 「家へ?」ピエトゥリは尋ねた、4-に-1を投げながら。

 「いや、イングランドゥ。」

109

2023年4月28日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 ダンテは運命付けられた彼の恋人達のためにあのネジ釘の回転を考え出すことはなかった。パオロは浄罰に昇進することななかった。

 僕は、僕のものがない部屋へと二階に向かい、冷水の栓を滴らせながら(ハノイのそこには温水はなかった)蚊帳の束を頭の上の膨れ上がった雲のように持って僕のベドゥの縁に座った。僕は新しい外国の編集者になる予定だった、毎日午後3時半に、リフトでロードゥ・サリスベリの飾り板のあるブラクフライアズ駅近くの気味の悪いヴィクトーリア朝のビルディングに着く事になっていた。彼らはサイゴンからいいニューズを送り続けて来た、するとそれが既にフオンの耳に届いていたのかなと思った。僕はもはやリポータであってはならなかった。僕は意見を持たなければならなかった、パイルとの競争に僕の最後の望みを奪われた虚しい名誉の代わりに。僕は彼の純潔と対等であるために経験して来た、年齢は性的ゲイムで遊ぶには若さ同様切り札になったが、今や僕は提供すべき12の限られた未来さえ持たない、前途はトゥラムプだった。僕は死の機会を運命付けられた最もホウムシクな将校を羨んだ。僕は涙を流したかった、それにしても送水管が温水パイプのように乾いていた。オウ彼らは家を持ったはずだー僕はただ僕のカティナトゥ通りの僕の部屋だけでいい。ハノイの日没後はそりゃ寒くて、明かりはサイゴンのそれらのものより低電圧で、女達のより暗い衣服や戦争という事実にずっと合っていた。僕はガムベッタ通りをパクス・バーへと歩いて上ったー

108

2023年4月27日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

「貴方は言ってもいい、もし人一人がこの闘いで傷を追えば。ひどく傷付ける、まさに傷付けるのではなく、彼は彼がおそらく死人だと自覚している。12時間、2-4時間おそらく担架で傷病兵輸送機、それから傷んだトゥラクへ、故障、ひょっとすると待ち伏せ、壊疽。即座に殺される事、その方がいい。」フランスの通信員らは前に身を乗り出した、共感を示そうとして。「貴方はそれを書く事が出来ます、」彼は言った、彼の肉体美の所為でより毒々しい全員を見ながら。「通訳、」彼は命令し、英語からフランス語への翻訳に精通していない任務、大尉を残して部屋の外に歩いて出た。

 「痛いところで彼を圧倒した、」グランガは満足して言い、彼は彼の電報を書くためにバーの側のコーナに入った。僕のは長くかからなかった。検閲官が通すに決まっているファトゥ・ディエムから。僕が書く事ができたそんな所には何もなかった。喩えストーリが十分立派に見えたとしても、僕はホン・コンへ飛び、それをそこから送る事はできたが、どんなニューズでも排除を賭けてやるに十分だったのか?僕はそれを疑った。排除は全人生の終わりを意味する、それはパイルの勝利を意味し、そしてそこへ、僕が僕のホテルに戻った時、僕の書類棚で待っていたのは、事実、彼の勝利、業務の終わりー昇進の祝電だった。

107

2023年4月26日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  「それにはどんな不都合がありますか?」

  フランスの通信員らは途方に暮れた。彼らは実に少ししか英語を話せなかった。連隊長はルールを破ってしまった。彼らは揃って業を煮やしてぶつぶつ言った。

 「僕は決して裁判官ではありません、」連隊長は言った。

「おそらくアメリカの新聞は言うだろう、『オウ、フランスは何時も文句を言う、何時も物乞いをしている。』そしてフランスではカミュにストゥらが訴えるだろう、『フランスは彼らの血をアメリカのために撒き散らしているのにアメリカは中古のヘリカプタさえ送ろうとしない。』それは良い事なんかしない。その結果我々には未だにヘリカプタ一機もなく、その上敵は未だそこに、ハノイから50マイルにいるだろう。」

 「少なくとも僕は印刷できるでしょ、貴方がたはヘリカプタをやけに必要としているという事を?」

 「貴方は言う事はできます、」連隊長は言った、「その6ヶ月前、我々はヘリカプタ3機を持ち、今我々は一機持っています。一機、」彼は驚く程の恨みのようなものを持って繰り返した。

106

2023年4月25日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 連隊長の若さと美しさは格別グランガを苛々させたと僕は思う。連隊長はー少なくともグランガの通訳によってではなかったー男はうってつけの男だ。彼は言った、「貴方がたは他の多くを落としていない。」

 連隊長は突然上手な英語で話した。彼は言った、「もしアメリカ人によって約束された補給品が着いたら、我々はもっと落とそうと思わなければならない。」彼は実際その上品さにもかかわらず飾り気のない男だった。彼は、新聞通信員はニューズよりもっと彼の国の名誉に関心があると信じていた。グランガは厳しく言った(彼は有能だった、彼は彼の頭に日付を十分に持ち続けた)、「9月の初めのために約束された補給品が全く届かなければという事を貴方は言っているのか?」

 「いいえ。」

 グランガは彼のニューズを手に入れてしまった、彼は書き始めた。

 「僕は済まなく思います、」連隊長は言った、「それは印刷用ではありません、それは背景用です。」

 「しかし連隊長、」グランガが異議を唱えた、「それはニューズだ。我々はそこで貴方がたを救える。」

 「いいえ、それは外交官用の内容です。」 

105

2023年4月24日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

グランガが言った、「今我々は何処かを手に入れつつある、そして白痴めいた勝利感と共に彼の同僚らをじろじろ見回した、表好きのフランス人は彼らの暗澹たる記録を書き留めた。

 「それじゃあカリア語(朝鮮語)で言われてもかまわない以上だ。」僕は意図的な誤解と共に言ったが、僕はグランガに新たな輪郭を与えただけだった。

 「連隊長に聞け、彼は言った、「フランス軍は次に何をするつもりですか?彼はブラク・リヴァを渡って敵は退却中だと言いますが・・・」

 「レドゥ・リヴァ、」通訳者は彼を正した。

 「川の色がどんなものかを僕は気にしない。何を我々が知りたいかは、フランス軍が今何をするつもりかだ。」

 「敵は飛行中です。」

 「彼らが向こうに着いた時、何が起こりますか?貴方ならその時どうしようとしますか?貴方は向こう側の土手に腰を下ろしそれで終わるつもりですか?」フランの将校はグランガの威張り散らしている声に希望のない忍耐と共に耳を傾けた。謙遜でさえ、今日、兵士に求められる。

「貴方は彼らにクリスマス・カードゥを落とすつもりですか?」大尉は用心深く通訳した、フレイズ、クリスマス・カードゥにさえ。連隊長は寒々とした微笑を僕達に贈った。「クリスマス・カードゥではなく、」彼は言った。

104

2023年4月23日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

アメリカの記者らが告白へと連隊長を駆り立てたら、彼らはそれを素早く呑み込む事になるだろうが、彼らは彼らの同国人に餌を仕掛ける事には参加しないだろう。

 「連隊長は、敵の軍事力は行き過ぎになりつつあると言います。射撃歩兵正規軍の後ろで死者を数える事、それは可能です、戦闘がなおも進行中の間、貴方がたは前進するフランス部隊から数字を期待する事はできません。」

 「それは我々が期待する事ではない。」グランガが言った、「それは民間人スタフが何を知り、知らないかだ。あの小隊が、彼らの携帯用無線電話によって生じるのと同様に、彼らの死者数を報告しないという事を我々に貴方は本気で話していますか?」

 連隊長の気分はすり減り始めていた。もし、僕は思った、彼がスタートゥから我々のはったりを呼び覚まし、彼は数字を知ってはいるが言わないんだと我々にしっかり話してさえいたら。結局それは彼らの戦争で我々のではなかった。僕達は神が‐授けた報道に応じる権利を少しも持たなかった。僕達はレドゥとブラク・リヴァの間のホ・チ・ミン軍隊同様パリスの左‐翼代理人らを戦わせようとも思わない。僕達は死に足を掛けたりしない。

 連隊長は突然、フランスの死傷者数は1対3の比率でしたという報告を鋭い口調で言い、それから僕達に彼の背中を向け、ひどく立腹して彼の地図を見つめた。これらの者は死んだ彼の部下だった、サン・シルの同じクラスに属している彼の同僚の将校達ー彼らはグランガのためにあるような数字ではない。

103

2023年4月22日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  通訳が言った、「連隊長は、敵は痛烈な敗北と耐え難い損失をこうむりました。最後の派遣隊は現在即席に作った筏ででレドゥ・リヴァを横断して彼らの引き返す道を作っています。彼らは空軍によってその間中砲撃されている、と話しています。」連隊長は彼の手を上品な黄色い髪に通して走らせ、彼のポインタを振り回しながら飛び跳ねて壁の長い地図を思い通りに下げた。アメリカ人の通信員が尋ねた、「フランスの損失はどんなものですか?」

 連隊長は、質問の意味するところを完全によく知っていたーそれは会見のこのステイジに通例置かれていた。、しかし彼は躊躇った、ポインタは人気のある校長のように優しい微笑と共に持ち上げられた、それが通訳されるまで。それから彼は忍耐強い曖昧な表現で答えた。

 「連隊長は我々の損失は大した事はなかったと言います。正確な数は未だに知られていません。」これが何時もトゥラブルの合図だった。早かれ遅かれ彼の手に負えない部類を扱うために決まり文句を探したのだと、或いは校長は規律を守る事でもっと有能な彼の有能な成員の任命をしたのだろうと僕は思った。

 「連隊長は我々に本気で話していますか?」グランガが言った、「彼には敵の死者を数える暇があり、彼の味方にはない?」

 辛抱強く連隊長は彼の言い逃れ網を張った、彼は完全に十分に分かっていても他の質問で再び壊されるだろう。フランスの通信員らは憂鬱そうに黙って座っていた。

102

2023年4月21日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 再びその穏やかな想定、その「後で」はフオンを失わざるを得ない僕にそれはなる。厚かましさは為替の相場に基づくのか?僕達は英貨の質についてよく話したものだ。僕達は今やドル愛について話し出したのか?ドル愛は、もちろん、結婚と年少者と母の日を含むだろう、喩え後でレノ或いはヴァージン諸島を或いは彼らが今日彼らの離婚のために出かける何処も彼処も含むにしても。ドル愛は都合の良い意図、明瞭な分別、やがて地獄へと誰彼となく道連れに。しかし僕の愛は何のつもりもなかった。それで未来があからさまになった。人にできた事は何でも、厄介ではない未来を作るため、それが訪れた時、徐々に未来を切り開くための試みであり、阿片でさえそこではその価値を持った。しかし僕がフオンに切り開こうとする初めての未来はパイルの死でしかないという事を僕は予感すらしなかった。

 僕は向かったー僕には為すべきより良いことは何もなかったからー記者会見に。グランガが、もちろんそこにいた。若くて美し過ぎるフランス人の連隊長が議長を務めた。彼はフランス語で話し、後輩の将校が通訳した。フランスの通信員らは、ライヴァルのフトゥボール・ティームのように一緒に座った。僕は連隊長が何を語っているかを僕の心に留めるのは、それは困難だと気付いた、その間中、それはフオンへと取り留めもなく思い返したが、一人その思いに至ったーパイルは正しい、やがて僕は彼女を失うと想像するがいい、一人ここから何処へ向かう?

 通訳が言った、連隊長は、「敵は痛烈な敗北と耐え難い損失をこうむりました。

101

2023年4月20日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

何事もそんなに穏やかに受け容れようとした男はそこいらに余りいない。貴方は凄い、そして僕は僕がしたのと同じくらい卑劣だと半分も思わない。今それを僕は貴方に打ち明ける。」(彼にはそれが唯一重要だったのか?僕は憤慨してあれこれ思った、そしてなお僕は彼がそれをそんな風にするつもりはなかったという事を知った。彼にはあらゆる出来事は彼が卑劣だと思わなければ、すぐにより幸せになるのだろうー僕はより幸せになるだろう、フオンはより幸せになるだろう、全世界はより幸せになるだろう、しみったれ大使館員と公司でさえ。春がインド‐チャイナに訪れた、今もはやパイルは卑劣ではなかった。)「僕はここで2-4時間貴方を待った、しかし僕は今日出発しなければ一週間サイゴンに戻らない事になる、そして僕の現実の仕事は南にある。貴方を訪ねるためにトラコウマ・ティームを運営している青年に話したー貴方は彼を好きになるでしょう。彼らは立派な青年で、人間の力量に会った仕事をしています。ともかく僕は貴方に先立ってサイゴンに戻っていますので心配しないで下さい。僕は約束します、貴方が帰るまで僕はフオンに会わないと。僕はどんな点に於いても公正ではなかったと後で思いたくありません。真心を込めて、貴方のアルドゥン。」

100

2023年4月19日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

ある機会に―何れにせよそれは何ヶ月か後だったー僕は自制心を失くし、その中に彼の足を突き刺した、痛みの中にのつもりで僕は言っている、如何に彼が顔を背け、当惑して彼の汚れた靴を見たか、僕は思い出して言った、「僕は僕が公司に会う前にピカピカにしなきゃ。」僕はその時分かった、彼がヨーク・ハーディングから学んだ形式に彼の言葉を、すっかり嵌め込んでいた。それでもなお彼は彼なりに真剣だった。犠牲は他者によって皆支払われたという事、それは一致した、ダコウに向かう橋の下、あの最後の夜までは。

僕はパイルどういうつもりだを学んだ、それは僕がサイゴンに帰った時だけだった、僕が僕のカフィを飲んでいる間に上陸用舟艇に彼を乗せるよう若い海軍将校を説得した、ナム・ディンで定期パトゥロウルの後、こっそりと彼を途中で降ろして。

 運は彼と共にあり、彼は道が公式に寸断されると考えられた2-4時間前に彼のトゥラコウマ・ティームと一緒にハノイに引き返した。僕がハノイに着いた時、彼は彼は南にとっくに去っていた、プレス・カムプのバーマンに一冊のノウトゥを僕に残して。

 「親愛なるタマス、」彼は筆を進めた、「前日の夜、貴方がどれほど胸がいっぱいだったかを僕は貴方に話し始められない。僕は貴方に僕の心は僕の口の中にあったと明かせる、貴方を捜してあの部屋の中をうろうろした時は。」(川を下る長い乗船時、それはどこにあったのか?)

99

2023年4月18日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 5

僕がサイゴンから離れて一週になるだろうと僕は考えていたが、僕が引き返す以前に三週近く時間がかかった。初めての地にあって、それは入るために掛かるよりファトゥ・ディエムから外に出る方がずっと難しいとそれが証明した。道はナム・ディンとハノイの間で寸断され、ともかくそこにいるべきではなかった一人のリポータのために航空輸送機が割(さ)かれるはずがなかった。それから僕がハノイに着いた時、通信員らは最近の勝利のブリーフィングに向けて飛び立っていた、そして彼らを連れ戻す機には僕のために残された席は全くなかった。パイルは彼が着いた朝ファトゥ・ディエムから離れた。彼は彼の使命をーフオンについて僕に話す事を十分に果たし、そこに彼を留め置くものは何一つなかった。臼砲火が5時30分に止むと、僕はぐっすり眠る彼をほったらかして、会議室で一杯のカフィとビスキトゥ数枚から僕が帰った時には彼はそこにいなかった。彼は散歩に行ったと憶測したーナム・ディンから川を下ってその道すがら平底小舟を漕いだのでは、数人の狙撃兵は彼を気にもしなかったのだろう。彼が他者に齎す可能性のある痛みを想像出来なかったと同様、彼は彼自身に向かう痛み、或いは危険を想像出来なかった。

98

2023年4月17日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「そこに準備すべき何か多くの事があると君は確信しているの?」僕はパイルに尋ねた「オウ神の目的のために、フイスキを飲もう。これじゃあ論じるにしてもやかまし過ぎる。」

 「時間が少し早い、」パイルが言った。

 「時間はひどく遅い。」

 僕は二つのグラスに注ぎ出し、パイルは彼のを持ち上げて蝋燭の光にフイスキを透かしてじっと見ていた。彼の手は砲弾が爆発する度に震えた。が、それにしても彼はナム・ディンから無分別な旅をして来た。

 パイルは言った、「僕達のどちらも『幸運を』と言い出せないのは、そりゃあ不思議な事だ。」そうして僕達は何も言わずに飲んだ。

97

2023年4月16日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

彼は実に真面目に言った。彼が引き起こしたトゥラブル全ての動機となった方がいい男を僕は今まで知らなかった。彼は付け加えた、「僕は貴方は実にフオンを理解していると思わない。」

 そして数か月後その朝僕の側のフオンと一緒に目覚めながら僕は思った、「とはいえそれで君は彼女を理解したのか?君はこの事態を予期し得たのか?フオンは大層幸せそうに僕の側でぐっすり眠り、おまけに君は死んだ?」時はその遺恨を飼い慣らすが、遺恨は実にしょっちゅう饐えた匂いがする。妻は夫を、愛人は夫人を、親は子を、どちらも、どんな人間でも嘗て他者を理解しようとする者はいなかったというその事実を容認しつつ、僕達は皆理解しようとしない方が無難ではないだろうか?おそらくそれは何故男達が神を創り出したかにあるー受容能力がある者を。おそらく僕が理解されたくても或いは理解したくても、僕は僕自身を騙して確信させようとするだろう、何れにせよ僕はリポータだ。神はひたすら主要記事執筆者のために存在する。

96

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

彼は真面目に言った。彼が引き起こしたトゥラブル全ての動機となった方がいい男を僕は今まで知らなかった。彼は付け加えた、「僕は貴方は実にフオンを理解していると思わない。」

 そして数か月後その朝僕の側のフオンと一緒に目覚めながら僕は思った、「とはいえそれで君は彼女を理解したのか?君はこの事態を予期し得たのか?フオンは大層幸せそうに僕の側でぐっすり眠り、おまけに君は死んだ?」時はその遺恨を飼い慣らすが、遺恨は実にしょっちゅう饐えた匂いがする。妻は夫を、愛人は夫人を、親は子を、どちらも、どんな人間でも嘗て他者を理解しようとする者はいなかったというその事実を容認しつつ、僕達は皆理解しようとしない方が無難ではないだろうか?おそらくそれは何故男達が神を創り出したかにあるー受容能力がある者を。おそらく僕が理解されたくても或いは理解したくても、僕は僕自身を騙して確信させようとするだろう、何れにせよ僕はリポータだ。神はひたすら主要記事執筆者のために存在する。

96

2023年4月15日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  「君は本当にあのセンスの全くない彼女の姉妹を信じているの・・・?」

 「姉妹は時により多くを知っています・・・」

 「彼女はただ君に見解を売り込もうとしているだけだ、パイル、だから彼女は君がもっとお金を持っていると思っている。それに、僕の神様、彼女はそれを間違いなく売り込んだ。」

 「ぼくは僕のサラリだけ貰っています。」

 「ところで、君はどんな方法にせよ、両替の有利な相場を受取って来た。」

 「心を痛めないで、タマス。こうした事は起こる。貴方以外の誰か他にそれが起こっていたらと僕は思う。」

 「そうだ、『僕達の』臼砲。君は彼女が僕を残していなくなっているかのように話す。、パイル。」

 「もちろん、」彼は確信もなく言った「彼女が貴方と留まる事を選べばいい。」

 「それから君は何をするの?」

 「僕は転居を求めようとします。」

 「何故君は何とか去ろうとしないの、パイル、トゥラブルを起こさないで。」

 「それじゃあ彼女に対して公平にはならない、タマス、」

95

2023年4月14日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  彼は言った、「オウ、」弱々しい声で、暗闇で。

 僕は続けた、「君が気にする、それはただ彼女の関心だけだとすれば、神のためにフオンを一人きりにして諦めてくれ。誰か他の女のように彼女には良いところがあるもの・・・」

 臼砲の轟はアングロウ‐サクスンの言葉からボストンの耳を救った。しかしそこにはパイルの容赦のなさという性質があった。彼は、僕が都合よく振舞っていたか、また僕が都合よく振舞わなければならないかを決定した。彼は言った、「貴方が何を苦しんでいるのか僕は分かります、タマス。」

 「僕は苦しんではいない。」

 「オウそうです、貴方に限って。もし僕がフオンを諦めるしかないとすると、僕は何が辛いか僕にはよく分かります。」

 「しかし僕は彼女を諦めてはいない。」

 「僕は身体的にもまた身綺麗だタマス、しかしもし僕がフオンが幸せなのを見られるなら僕はその全ての希望を諦めよう。」

 「彼女は幸せだ。」

 「彼女はそうであるはずがないー彼女の立場では、ない。彼女には子供達が必要だ。」

94

2023年4月13日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 早川書店、読売新聞社は、私が毎日書き写している翻訳ノートとボールペンを盗みました。


 「睡眠なし。」

 「タマス、貴方がこの全てを受け入れた分けを僕がどう思うか僕は貴方に知って欲しいー僕は貴方は凄い、凄いと思います。そこにそのための他のどんな言葉もない。」

 「ありがとう。」

 「貴方は僕が経験するより世界の事をずっと多く見て来た。ご存知の通り、様々な理由でボストンはちょっとー痙攣を起こしている。喩え貴方がロウエルかカボトゥでなくても。僕は貴方が忠告して下さったらと思います、タマス。」

 「何の事を?」

 「フオン。」

 「もし僕が君だったら僕は僕の戒めを信じようとはしない。僕は台なしにする。僕は彼女を自分のものにして置きたい。」

 「オウ、しかし貴方は率直だ、全く率直だ、僕は分かっています、そして僕達は揃って彼女に関心を持っている。」

 突然、僕は彼の少年らしさにもう耐えられなくなった。僕は言った、「僕は彼女の関心のために、それを惹こうとは思わない。君は彼女の関心を得られる。僕は彼女の体が欲しい。僕は僕と一緒のベドゥの中で彼女を求める。僕は寧ろ彼女を消滅させ、それに彼女と一緒に眠りたい・・・彼女の破滅的関心を求めるより、より・・・」

93

2023年4月12日水曜日

The Quiet American Graham Greene 成田悦子訳

 彼は脱ぎ始め、僕は思った、「彼にもまた若さがある。」パイルを羨むのは、それは何て悲しいんだ。

 僕は言った、「僕は彼女と結婚できない。僕は故国に妻がいる。彼女は先ず僕と離婚する気はない。彼女は高潔なクライストゥ教徒だーそれがどういう事か君が知っていれば。」

 「僕はすまなく思います、タマス。ところで、僕の名前はアルドゥン、もし貴方に関心があれば・・・」

 「僕はかなりパイルに立往生してしまう、」僕は言った。「僕はパイル同様、君の事を思う。」

 彼は彼の寝袋の中に入り、蝋燭の方へ彼の手を伸ばした。「ヒュウ、」彼は言った、「それが終わって僕はほっとしている、タマス。僕はその事を恐ろしく不品行だと思って来た。」彼はもうしないと言ったところで、それはただ余りにも明らかだった。

 蝋燭を外に出した時、外で火炎の光を背にした彼のクルー・カトゥの輪郭が僕には見えた。「いい夜を、タマス。ぐっすり眠って下さい、」するとたちまち、性質(たち)の悪いカマディ(コメディ)のようなそれらの言葉に臼砲は砲撃を開始した、旋回しながら、甲高い音を出しながら、爆発しながら。

 「立派な神様、」パイルが言った、「それは攻撃ですか?」

 「彼らは攻撃を止めようとしている。」

 「まあ、僕が思うに、僕たちのための眠りなど全くそこいらにあるもんか?」

92

2023年4月11日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「君は奇麗に見える、確かに君は間に入る事が出来る、」僕は言った。初め彼は僕をいらいらさせた。

 「ファウラ、」彼は言った、「僕は貴方のクリスチャン・ネイムを知りません・・・?」

 「タマス。どうして?」

 「僕は貴方をトムと呼んでもいいでしょ?これは僕を一緒に連れて行く気だなと僕は思う。同じ女を愛する事を、僕は言おうとしている。」

 「君の次の行動は何?」

 彼は荷造り用の箱に凭れて気もそぞろに座り直した。「何もかも貴方が知っている事は今は難しく見えます、」彼は言った。「僕は彼女に僕と結婚するよう頼みます、トム。」

 「僕は寧ろ君には僕をタマスと呼んで欲しい。」

 「彼女はまさに僕達の間で選択するしかない、タマス。それは十分に公平です。」しかしそれは公平だったか?僕は寂しさの前兆のうすら寒さを初めて感じた。それは全く根拠がなく、それにしても・・。彼は哀れな恋人かも知れないが僕は哀れな男だった。彼は彼の手の中に対面という無限の財産を持っている。

91

2023年4月10日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は笑った。僕はそうせざるを得なかった。彼は随分唐突で真面目だった。僕は言った、「君達は僕が帰るまで待てなかったの?僕は来週サイゴンに入るぞ。」

 「貴方は殺されていたかも知れない、」彼は言った。「それじゃあ自慢にもならなかった。それで僕がその時までずっとフオンと遠ざかっていられるかどうか僕には分からない。」

 「貴方が言うのは、貴方がたは離れていた事がある?」

 「もちろん。君は僕が彼女に話すとは思っていない、君抜きで知っている事を?」

90

 「世間ではやる。」彼は言った。「何時そうなったの?」

 「それは彼女と踊ったシャレでのあの夜だったと思います。」

 「僕はそもそも君達が今まで親密になっているなんて思いもしなかった。」

 彼は悩ましげな様子で僕を見た。もし彼の行いが僕には正気の沙汰ではないように思えても、僕のものは彼にとって明らかに説明しがたかった。彼は言った、「貴方は御存知だ、それはあの館のああした女達全員を見る事だったと思います。彼女達は随分奇麗でした。何故、彼女は彼女達の内の一人だったのかも知れません。僕は彼女を守りたかった。

 「彼女には保護の必要性があると僕は思わない。ミス・ヘイは君を外に招待したの?」

 「はい、しかし僕は行かなかった。僕は距離を保ったままです。」彼はもどかし気に言った、「そりゃあ怖かった。僕はとてもろくでなしと思っていますが、貴方は僕を信じてくれるでしょ、貴方が結婚していたらという事ー何故、僕はこれまで男と彼の妻の間に分け入ったことはありません。」

90

2023年4月9日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「そうだね?」

 「僕はそれをちょっとは見て置くべきだと考えました。貴方に本音を言えば、僕はグランガに少し恥じ入りました。」

 「僕には分かるよ。その全てと同様簡単。」

 「そうですねえ、そこにはどんな現実的困難もないですものね?」彼は彼の靴紐で遊び始め、そこで長い沈黙があった。「僕は馬鹿正直であろうとはしない、」彼は最後に言った。

 「いや?」

 「僕は実のところ貴方を見に来ました。」

 「君は僕を見にここに来たの?」

 「そうです。」

 「どうして?」

 彼は当惑しきって彼の靴紐から見上げた。「僕は貴方に話さなければなりません―僕はフオンと恋に落ちました。」

89

2023年4月8日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「オウ、幾分平底小舟に似たようなものー僕はそれ用の名前を知らない。実は僕はそれを買おうとした。それはそんなにかからなかった。」

 「それで君は一人で川に下りたの?」

 「それは実のところ難しくなかった、貴方も御存知だ、流れは僕に味方した。」

 「君は正気ではない。」

 「オウいや。唯一の真の危険は座礁する事です。」

 「或いは海軍のパトゥロウルかフランスの飛行機によって乱射される事。或いはヴィエトゥミンによって君の喉を切って頂く事。」

 彼ははにかんで笑った。「まあ、僕はとにかくここにいます。」彼は言った。

 「何故?」

 「オウ、そこには二つの理由があります。しかし僕は貴方を目覚めさせたままにして置けません。」

 「僕は眠くない。ガンは直ぐに始動するようにしてある。」

 「僕が蝋燭を動かせば気にしますか?それじゃここでは少し明る過ぎます。」彼は神経質らしかった。

 「一番の理由は何?」

 「そうですね、先日、貴方はこの場所はかなり興味深いと僕に思わせました。僕達がグランガ・・・それにフオンと一緒だった時を貴方は覚えていますね。」

88

2023年4月7日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「君は非常に上手く身支度しているね。」僕は言った、何故僕達のどちらもここにいるのか思い出そうとしながら。

 「これは普通の旅行用具一式です、彼は言った、「僕達の医療援助ティームの。彼らがハノイで僕に物を貸してくれました。」彼は魔法瓶や小さいアルコホル・ストウヴ、ヘア‐ブラシュ、シェイヴィング‐セトゥや配給のブリキを取り出した。

僕は僕の時計を見た。時間は朝の3時近くだった。

 Ⅱ

パイルは荷を解き続けた。彼は小さいケイスの棚を作った、その上に彼は彼のシェイヴィング‐ミラや道具を置いた。僕は言った、「君は水を少しだって手に入れられるかどうか、僕は分からないと思うよ。」

 「オウ、」彼は言った、「僕は朝の内は魔法瓶で十分持つ。彼は彼の寝袋の下に座って彼のブーツを引っ張って脱ぎ始めた。

 「一体君はどうしてここに行き着いたの?」僕は尋ねた。

 「彼らは我々のトラコウマ・ティームを見る名目で、ナム・ディンまで通らせてくれた。それから僕はボウトゥを賃借りした。」

 「ボウトゥ?」

87

2023年4月6日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 今夜、肉体の所有は実に小さい事に思えたー多分その日、僕は余りにも多くの誰にも彼ら自身にさえ属さない死体を見てしまった。僕達はすっかり消費された。僕は寝込んだ時、僕はパイルの夢を見た。彼はステイジで全く一人きりで、堅苦しく、見えないパートゥナに彼の腕を差し出して踊っていた。そして僕は腰掛け、万一の場合に備えて僕の手にガンを持って譜面台のような座席から彼を見つめた。誰一人彼のダンスを妨げる者はいない。プロゥグラムはステイジ脇に置いてあった、英国のミュージク‐ホールの出し物のように、読むと、The Sance of Love”A”証明書。誰かが劇場の後ろで動き、僕は僕のガンを更にしっかり握り締めた。その時僕は目覚めた。

 僕の手は彼らが僕に貸してくれたガンの上にあった、そして彼の手に蝋燭を持って出入り口の中に一人の男が立っていた。かれの目を覆う影を投げかけるスティール・ヘルミトゥを着けていた、彼がパイルだと僕に分かったのは、それは彼が話す時だけだった。彼ははにかんで言った、「貴方を起こして恐縮致しました。彼らは僕がここで眠ってもいいと僕に告げました。」

 「オウ、誰かが僕にそれを貸してくれました。」彼は漠然と言った。彼は軍用装備一式を彼の後に引き摺り込み、羊毛で裏打ちされた寝袋を引っ張り出し始めた。

86

2023年4月5日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 風が再び吹き出した、入口に向かってうろついている。帆布のカートゥンがたわみ(僕はパロニアスがアラス織りの壁掛けの後ろで刺したのを思い出させられた)蝋燭が揺れた。その影が芝居じみていた。僕達は度役者の一座かも知れなかった。

 「君の地位は持ち堪えたの?」

 「僕達が知る限り。」彼はひどい疲労の感を伴って言った、これは何でもない、君は理解している、重要性のない出来事は100キロミタ離れたホア・ビンで何が起こっているかと同等に置く。それが戦闘だ。」

 「もう一杯、連隊長?」

 「ありがとう、いや。それはいいね、君のイングリシュ・フイスキ、しかしそれは必要になる夜のために少し残して置いた方がいい。僕は思うよ、もし君が僕を許してくれるのなら、僕は少し眠って置こうと思う。臼砲が始まった後では誰も眠れない。ソレル大尉、君はファウレアさんが彼が必要とする全て、蝋燭、マチ、リヴァルヴァ(回転式連発拳銃)を持つよう見てあげてくれ。」彼は彼の部屋に入った。

 それは僕達全員に対する合図だった。彼らは狭い貯蔵庫に僕のために床の上にマトゥリスを敷き、僕は木箱に囲まれた。僕はほんの短い時間目覚めていたー床の固さは宿泊所に似ていた。それにしても不思議な事に嫉妬もなく、フオンがフラトゥにいるかしらと思った。

85

2023年4月4日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 闇は僕が将校の兵舎に着いた頃までに落ちた、そこで僕は夜を過ごしていた。気温はゼロの上のたった一度、そして靴底ウォームスは紛れもない市場のどこにでもあった。バズーカによって壊された一つの壁と一緒にドアがたわみ、帆布のカートゥンでは隙間風を遮る事はできなかった。電気発動機が動いていなくて僕達は蝋燭が燃え続けるように箱や本のバリケイドゥを作る事にした。僕はカミュニストゥ貨幣目当てにソレル大尉と421をした。僕はどさくさのゲストゥだったから飲み物代を払うのはそれは可能ではなかった。運は疲れて戻ったり遠のいたりした。僕は少し僕達を暖めようとして僕のフイスキのボトゥルを開け、他の者達も周りに集まった。連隊長は言った。「これは僕がパリを後にしてから僕が飲む一杯目のフイスキだ。」

 中尉が歩哨達の輪から入って来た。「多分僕達は静かな夜を持つだろう。」

 「彼らは4時前に攻撃しない、」連隊長は言った。「君はガンを持っているか?」彼が僕に尋ねた。

 「いいえ。」

 「僕が君に一つ見付けてやろう。君の枕の上にそれを置いとくといい。」彼は丁寧に付け加えた、「僕は君のマトゥリスがかなり固いと気付くだろうと心配している。そして3時30分に臼-砲火が始まるだろう。僕達はどんな集結でも粉々にしてみせる。」

 「これはどのくらい続くと思いますか?」

 「誰が知る?僕達はナム・ディンから更なる連隊を注ぎ込むことℍできない。これはほんの気晴らしだ。もし僕達が2日前にやっつけた以上に助けもなく持ち堪えられれば、それは、誰も口にしていい、勝利だ。」

84

2023年4月3日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 中尉は言った、「君は十分見た?」無作法にもの言いをして、ほとんど僕がこれらの死に責任があったかのように。多分兵士には一般市民は殺すために彼を雇うのに、給料袋に殺人の罪を同封して責任を逃れるのに持って来いの人だ。僕達は歩いて農場に引き返し、麦わらの上に無言で再び腰を下ろした、風が止み、動物のようにそれは闇が近付いているのを知っているようだった。いたずら書きをしていた男は彼自身を楽にし、彼自身を楽にした男はいたずら書きをしていた。僕は、静寂のそれらの時に、見張りが配置された後、いかに彼らは水路から移動する事、それが安全だと信じるしかなかったかを考えた。僕は彼らがそこに長く位置したかどうかしらと訝しく思ったーパンはひどく乾燥していた。この農場はおそらく彼らの家だった。

 無線が再び作動していた。中尉は疲れて言った、「彼らは村を爆破しようとしている。パトゥロウルが夜間召集される。」僕達は立ち上がり、僕達の道程を遡り始めた、死体の群れの周りを再び棒で突きながら、教会を過ぎて列を作って行進しながら。僕達はそんなに遠くに行っていなかった、単なる成果としてそれらの二つの殺害に伴って辿った事、それは長いだけの事はある道程のように思えた。爆弾投下が始まった時、飛行機が現れ、僕達の背後に去った。

83

2023年4月2日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  二発の弾丸が僕達の戦線に発射され、僕は思った、「これがそれだ。やっとそれが来る。」それは僕が望んだ警告の全てだった。僕は待ち受けていた、快活の自覚と共に、永久的事柄を。

 しかし何も起こらなかった。もう一度僕は「その出来事を越えて覚悟した。」長い数分の後、歩哨の一人が加わり、中尉に何かを報告した。僕はそのフレイズ「二人の民間人。」が引っ掛かった。

 中尉は僕に言った、「僕達は行ってみるつもりだ、」そうして歩哨に従いながら僕達は二つの田んぼの間の泥濘が広がり過ぎた小道に沿って僕達の行く手を精選した。農場ビルディングを越えて20ヤードゥ、狭い用水路の中に、僕達は、僕達が捜していたもの、女の人と小さい男の子に出会った。彼らは非常に清らかに死んでいた、女の人の額に血の小さなきちんとした固まり、そして子供は眠っていたのかも知れなかった。彼は6歳くらいで、彼はやつれ切った彼の小さな骨ばった膝を抱える子宮の中の胎芽のように横たわっていた。「運が悪い、」中尉が言った。彼は下に向けひっくり返した。彼は彼の首の周りに神聖なメドゥルを着けていた、そして僕は僕自身に言った、「魔除けが効かない。」彼の死体の下にパンの齧りかけがそこにあった。僕は思った、「僕は戦争を憎む。」

82

2023年4月1日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕は僕の真後ろの誰かが大真面目で「ありがたい。」と言うのを聞いた。中尉を除くと彼らはその大多数がドイツ人だった。向こうに農場‐ビルディングの一群があった、中尉は真っ先に入った壁に沿って進みながら、そして僕達は一つの縦列、6フィートゥの間隔で従った。それから男達は再び指示なしに農場の至る所に散らばった。命はそれを見捨ててしまっていたー一羽のめんどりさえ後に残されていなかった、何が居間であったにしても、壁に掛かっているのは、神聖ハートゥと母と子の二つのぞっとする油絵風版画だった、それはビルディング群に全ての今にも崩れそうなイウアラプの雰囲気を与えた。誰もがこれらの人々は、喩え誰が彼の信仰を分かち合わなくても、彼らは人間で、ただの灰色の水を抜き取られた死体ではない事を知っていた。

 おおよそ戦争は周りを囲んで居座り、何をするでもなく、誰か他の者を待っている。貴方が残した時間の意義に何の保証もなく、貴方には思考の列車さえ発車する価値、それがあるようには思えない。前に随分頻繁に彼らがした事をしながら、歩哨らは出動した。僕達の前方で動き出した何かは敵だった。中尉は彼の地図に印を付け、僕達の位置を無線(レイディオウ)で報告した。正午の静けさが垂れ下がった、臼砲まで治まり、空に飛行機もなかった。一人の男が農場の泥の中で小枝を持っていたずら書きをした。暫く、それは戦争によって忘れられていたかのようだった。僕はフオンが僕のスーツを洗濯屋に送ってくれていたらと願った。冷たい風が囲い地の麦わらを波立たせ、一人の男が彼自身を楽にさせるために納屋の後ろに控えめに向かった。僕はハノイの英国領事に彼が僕にくれたフイスキのボトゥル代金を払って置いたかどうか思い出そうとした。

81

2023年3月31日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕は分からなかった、或いはどのようにして、些細な事でも周囲をちょっと見る事によって以外、僕はそのままにして置こうとするだろう。

 中尉は携帯用無線電話持った男の側に座ると、彼の足の間の地面を見つめた。計器が指示をパチパチ鳴らし始め、溜息をついて彼は眠りから起こされたかのように彼は立ち上がった。そこには移動に関する奇妙な同志の交わりがあった、彼らは任務に一様に従事したかのように、彼らは意に沿わなくても機会を揃ってものにして来た。誰一人何をすべきかを語られるのを待つ者はいなかった。二人の男が厚板を整備し、それを渡ろうとしたが、彼らは彼らの兵器の重さによってバランスが崩れ、またがって座り、一時に数インチずつ向こう側に彼らの道をじわじわ進まなければならなかった。他の男は水路に下りるひどい薮に隠された平底小舟を見付け、彼は中尉が立つ所へとそれを動かした。僕達の内6名が乗り込み、彼は別の土手に向かって棒を使い始めたが、僕達は死体の群れの上を走り、突き刺した。彼は彼の棒で押しのけた、それをこの人間粘土の中に沈めながら、すると一つの死体が、日に晒されて横たわりながら入浴する人のようにボウトゥの傍らでその全長を解放され浮き上がった、それから再び僕達は自由になって、一度もう一方の側の上を僕達はごちゃ混ぜにした、後方を見る事もなく。砲弾は全く放射されなかった、僕達は生きていた、死はおそらく次の水路と同じくらい遠くまで撤退してしまった。

80

2023年3月30日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

中尉は配置に就くよう僕達に身振りで合図し、30フィートゥ離れた、厚板を越えた所、僕達は前方未確認の領域に直面してしゃがみ込んだ、男達は水面を見た、するとその時、指揮の一言によって、皆一斉に、彼らはそっぽを向いた。一瞬、僕は彼らが何を見たのか分からなかったが、僕が見た時、僕の心は後戻りした、僕は何故か分からない、シャレや女性の声色遣いや口笛を吹いている若い兵士やパイルが言う、「これはちょっとふさわしくないへと。

 水路は死体で溢れていた、僕は余りにもたくさんの肉を詰め込んでいるアイアリシュ・スチュウを直ぐに思い出させられる。死体は一部重なり合っている、一つの頭部、アザラシの‐灰色をした、それに剃られた頭皮を持った囚人のように匿名の、がブーイのように水面から突き出ていた。そこに血はなかった、それは随分前に流れ去ってしまったと僕は想像した。僕にはそこにどのくらいあったのか思いも寄らない、彼らは十字砲火に襲われたに違いなかった、引き返そうとして、土手沿いの僕達全員が考えていたと僕は思う、「二人はそのゲイムで遊べる。」僕もまた僕の目を反らした、僕達は、僕がどんなに小さく、如何に性急に、単純に見積もったかを思い出させられたくなかった、そうして名も明かさず死は訪れた。僕は行為のヴァージンのように恐れた。しかるべき警告と共に来るまで死を好んだだろう、僕が僕自身を覚悟させられるように。「何のために?」

79

2023年3月29日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「いいえ、イギリス人。」

 彼は言った、「それは非常に簡単な事です、しかしもし貴方が我々と一緒に来るつもりなら・・・」彼は彼の鋼鉄製ヘルミトゥを脱ぎ始めた。「いや、いや、」僕は言った、「それは戦闘員用です。」

 「貴方の好きなように。」

 「僕達は単一の伍をなして教会の後ろに出て行った、中尉が先導して、両側面上に見回りと接触するため携帯用無線電話を持った兵士のために水路の‐土手の上で少しの間、行軍を止めた。臼砲弾が僕達の上で炸裂し、視界の外で爆発した。僕達は教会の裏で更に多くの人々を拾い、今やおよそ30人強になった。中尉は低い声で僕に説明した、彼の地図に指を刺しながら、「300人がこの村の中で、今、報告されたところだ。多分、今夜中に集結する。我々は知らない。誰もまだ彼らを見付けていない。」

 「どのくらいの距離?」

 「300ヤーズ。」

 指示が無線で届き、僕達は無言で進んだ、右の方向に真っ直ぐな水路、左に低い茂みと田園また茂みを繰り返して。「全て通過、」

中尉は、僕達が出発した時、元気付けようとする高まりを持って耳打ちをした。40ヤーズ進み続け、別の水路、端の左側にある何かを持った、レイルのない一本の厚板が、僕達の前方を横切って走っていた。

78

2023年3月28日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕はそれぞれの道をほぼ1マイルの4分の3に亘って見渡せた、するとそこには僕を除いてその範囲に二つだけ生きている存在があったー通りの端をゆっくりと土手へと離れて行く偽装ヘルメトゥの準備完了状態のステン・ガンを持った兵士二人。僕はその生存者に言う、何故なら道路にその頭がある一つの死体が入り口に横たわっていたから。そこに集(たか)っている蝿の唸り声とどんどん微かになる兵士のブーツのぴちゃぴちゃという音が唯一の物音だった。僕は僕の頭を背けながら死体を過ぎると足早になった。数分後、僕が振り返ると僕の影を連れて僕は全く一人きりだった、そしてそこには僕が作り出す音以外何の物音もしなかった。僕は発砲している射撃上の標的であるかのように僕は感じた。もし何かがこの通りで起こったら、僕が拾われる前に、集ろうとする蝿のための猶予、それには随分間があるかも知れないという事、それがの僕の脳裏に浮かんだ。

 僕は二つの水路を渡り切った時、僕は教会に導かれるように方向転換した。1ダズンの男達はパラシュウト部隊の偽装をして地面に座っていた、二人の将校が地図を調べている間に。僕が彼らに加わった時、誰も何の注意も僕に払わなかった。一人の男、彼は携帯用無線電話の長いアンテナを身に着けていた、が言った「僕達はもう移動できる、」そして皆立ち上がった。

 僕は、僕が彼らに同行できるかどうか、僕なりの下手なフランス語で彼らに尋ねた。この戦争の強みは、イウアラプ人の顔は戦場でそれ自体パスポートゥに代わって証明したという事だった。イウアラプ人は敵の代理人に嫌疑を掛けられるはずがなかった。「貴方は誰?」中尉が尋ねた。

 「僕は戦争の事を書いています。」僕は言った。

 「アメリカ人?」

77

2023年3月27日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「オウ、」彼は快活に言った、「貴方はいい人だと私は思います。貴方はこれまでに後悔する事が随分あったんだと私は想像しません。」

 僕は教会に沿って見た、それらは海の方向へと水路の間にむらなく並んで駆け下りていた。二番目のタウアから明かりがパッと点いた。僕は言った、「貴方は貴方がたの全ての教会の公平無私を保たなかった。」

 「それは可能ではありません、」彼は言った。「フランスは単独大聖堂の構内から立ち退く事に同意しました。我々はこれ以上宛てにできない。貴方が見ているそれは外人部隊です。」

 「僕は行ってみます。グドゥ‐バイ、牧師。」

 「グドゥ‐バイそして幸運を。狙撃手に気を付けて。」

 僕は外に出るために群衆を搔き分けて我が道を押し進んだ、湖や長い通りの中にその砂糖のような広げた腕を持つ白い像を過ぎて。

76

2023年3月26日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「それで貴方がたの外科医は?」

 「私に何かできれば私がします。」僕は彼のスーターンが血で汚れているのをその時見た。

 彼は言った、「貴方は私を捜すためにここに上ったんですか?」

 「いえ、僕は僕の進路を把握したかったんです。」

 「私が貴方に尋ねたのは僕は昨夜ここに男が上がるがままにしました。彼は懺悔に行こうとしました。彼は幾分脅えていました、貴方はご存知でしょうが、彼は水路沿いに見てしまったもので。誰も彼を咎められなかった。」

 「それはそこに沿ってひどいんですか?」

 「落下傘部隊が十字砲火で彼らを捕まえました。哀れな魂。多分貴方は同じことを感じていたと私は思いました。

 「僕はロウマン・カサリクではありません。僕は、貴方は僕をクリスチャンとさえ呼べないと思います。」

 「人に対してどんな恐怖を及ぼすにしても、それはおかしい。」

 「それは僕に対してそんな事をしない。喩え僕が全面的にどんな神でも信じるにしても、僕は懺悔という考えを、それでもなお疎んじてしまいます。貴方がたの箱の一つに膝まづく事を。他の人に僕自身を晒す事を。「貴方は僕を許すしかない、神父、しかし僕にはそれは不健全に思えますー男らしくないとさえ。」

75

2023年3月25日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕の側で神父が説き明かすように言った、「私共はここでは公平無私です。これは神の領域です。」僕は考えた「それは聞いた事もない貧弱な住民数です、神は彼の王国の中で寒さ、飢餓に脅えた」ー『私はどのように私達がこれらの人々を養っていけばよいのか分からない、』牧師は僕に打ち明けたー「偉大な王ならそれよりずっと良くなるだろうと貴方はどうしても考える。」しかしその時僕は思った、「喩え人が何処へ行こうとそれは何時も同じだー最も幸福な集団を持つ者、それが最も力強い支配者というわけではない。」

 下では小さな店が既に準備されていた。僕は言った、「それは巨大な慈善市のようだね、それにしても一つの笑顔もない。」

 牧師が言った、「彼らは昨夜恐ろしく冷えた。私共は修道院の門を閉めて置くしかない、そうしなければ彼らが私の所に押し寄せます。」

 「貴方がたはここの中を全て暖かくしているんですか?」僕は尋ねた。

 「さほど暖かくはありませんが。それに私共は彼らの10分の1のために部屋を持つことがありません。」彼は続けた、「私は貴方が何を考えているのか分かります。しかし良くして置く事、それは僕達の何人かにとって不可欠です。私共はファトゥ・ディエムで唯一の病院を持ち、我々の看護婦に限りこれらの修道女です。

74

2023年3月24日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 牧師は彼の祈祷書を閉じて言った、「さあ、あれは終えられる。」彼はイウアラプ人だったがフランス人ではなかった、主教は彼の教区でフランス人牧師を大目に見て来たから。彼は弁明して言った、「私はここに上がって来なければならない、貴方は分かって下さる、それらの貧しい人々全てから、わずかな静寂をと。」臼砲の音は次第に短くなるように思えた、或いは多分それはついに応酬している敵だったか。不慣れな困難は彼らを捜す事だった、そこには1ダズンの狭い最前線があり、水路の間に、農場のビルディングと稲田の間に無数の待ち伏せの機会があった。

 直ぐ近く、僕達の下、立ち、座り、横になったファトゥ・ディエムの全人口。カサリク、ブディストゥ異教徒達、彼らは彼らの最も価値のある財産全てを荷造りしたー料理用ストウヴ、ラムプ、鏡、洋服ダンス、数枚の敷物、神聖な絵ーそして大聖堂の構内へと移動させた。北のここに闇が訪れた時、季節はひどく身を切るように寒いだろう、そして既に大聖堂は溢れていた、そこはもはや隠れ場ではない、ベル・タウアへの階段の上でさえどのステプも占領し、何時も大勢の人々が門を抜けると押し合いへし合いしていた、彼らの赤ちゃんや家族の物を運ぼうとして。彼らは信じた、彼らの宗教が何であろうと、ここでは彼らは安全だろうという事を。僕達が見守っている間、ヴィエトゥナムの軍服姿のライフルを持った若者が、彼の行く手を突っ切った。彼は牧師に止められ、その人は彼から彼のライフルを奪った。

73

2023年3月23日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

それが主教の軍隊の残された全てだったー彼のブラス・バンドゥー、が行進を率いた、それに連隊長の命令によって敬虔なフランス人将校らが、大聖堂の構内へと入口を通って、大聖堂の前の小さな湖の島に立つ神聖・ハートゥの白い像を過ぎ、ベル・タウアの下で東洋風の翼を広げる事と共に、たった一本の木から形作られたその巨大な支柱と祭壇の緋色の漆細工を持ち、クリスチャンより多いブディストゥらが、彫刻された木造の大聖堂の中へと少年聖歌隊員のように従った。水路の間の全ての村から、あの低地の国から、若い緑色の米の‐発芽と金色の収穫が、チューリプや風車の教会に取って代わる風景、人々が押し寄せた。

 誰も行列に加わっていたヴィエトゥナムの代理人に気付かなかった、そしてあの夜、主(おも)だったカミュニストゥ大隊が石灰岩の山道を通って、トンキン平野へと移動した時、山中の頭上のフランス前哨部隊によってどうしようもなく見守るだけだった、進軍代理人はファトゥ・ディエムで一撃を食らわした。

 4日後の今、パラシュートゥで運ぶ人々の援護で、敵は街周辺半マイル後方に押された。これは負けだった、どんなジャーナリストゥも許されず、どんな電報も送られるはずもなく、新聞は勝利だけを運ばなければならない。当局はもし彼らが僕の目的を知ったらハノイに僕を足止めしただろうが、お前が司令部から更にそれ以上手に入れれば入れるほどカントゥロウルがずさんになり、お前が敵の射撃の範囲内に入る時、お前は歓迎される客だーハノイのエタトゥ少佐にとって何が脅威だったか、ナム・ディンの全連隊長への心配、戦場の中尉に対する悪ふざけ、気晴らし、外界からの関心の的だ、それで祝福された数時間、彼は彼自身を少し脚色可能で、間違った英雄的脚光の中で彼自らでさえ負傷し死んでいるかのように思う。

72

2023年3月22日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 将校の家の正面の壁が吹き飛ばされ、通りの向こう側の家々は廃墟になっていた。ナム・ディンから川を下りながら、何があったかペラウドゥ中尉から僕は教えて貰った事がある。彼は真面目な若者、フリーメイスン、そして彼にとってそれは彼の会員達の盲信への審判に似ていた。ファトゥ・ディエムの主教は嘗てイウアラプを訪れ、そこでファティマの聖母マリアに対する信仰を得たー姿を見せた聖母マリアの有様、だからロウマン・カサリクは信じる、ポーツグルで子供達の前に。彼は家に帰った時、彼は彼女の名誉を讃えて大聖堂の構内に洞穴を作り、彼は彼女の祝祭日を行列で毎年祝った。フランスとヴィエトゥナム軍の負担に連隊長との関係は当局が主教の私的軍隊を解隊した日から何時も緊張を強いられた、今年連隊長はー彼は主教に幾らか同情した、彼らのどちらにしても彼の国はカサリシズムよりもっと重要だったからー友好の素振りを見せ、行進の前列で彼の上級将校と一緒に歩いた。聖母マリアの名誉を讃えるためにファトゥ・ディエムにはより大きくなった群衆が集まる事はもう今はなかった。仏教徒の多くでさえー彼らは人々の約半分を構成したー楽しみを失う事に耐えられなかった、それに神にも仏にもどちらにも信仰心を抱かなかったそれらのものは何故かこれらの旗全てや香の‐火口や黄金の聖体顕示台がそれらの発祥地から戦争を維持しようとするだろうという事を信じた。

71

2023年3月21日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は夜明け前にナム・ディンから上陸用舟艇で入った。僕達が海軍基地上陸できなかったのはそこは60ヤーズの範囲を完全に包囲した敵によって切り離されていたから、そこでボウトゥを上げて燃え上っている市場の側に駆け込んだ。僕達は炎の明かりの中で容易な的だったがある理由のために誰一人燃えなかった。全ての物が燃えている露店のドスンと倒れる音とパチパチという音を除いて。川の辺でセニガールの歩哨が彼の構えを変えるのが僕には聞こえた。

 僕は攻撃以前の時代のファトゥ・ディエムをよく知っていたー木製露店の一本の長く狭い通りは、水路、教会と橋によって100ヤーズ毎に細かく区切ってあった。夜にはそこは蝋燭や小さいオイル・ラムプによってのみ灯りが点された(フランスの将校の宿舎の中以外ファトゥ・ディエムのそこに電気はなかった。)、昼も夜も通りには人が押し寄せ、騒々しかった。その不思議な中世の遣り方で、君主主教の幻や保護の下、それは国中で最も生き生きとした街だったが、今僕は上陸し、将校の宿舎に向かって歩いて行くと、そこは殆ど廃墟だった。瓦礫と割れたグラスと燃えた塗料と壁土の匂い、長い通りには目が届く限り人気がなかった、それは空襲警報解除の合図後の早朝のランドンの往来を僕に思い出させた。誰もがプラカードゥ「破裂しなかった爆弾」を見ようとした。

70

2023年3月20日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

4

大聖堂のベル・タウアから戦闘は単なる絵のような美しさで古い挿絵付きランドン・ニューズの中のボウア戦争の全景に似た配置だった。飛行機は石灰岩の中で孤立した部隊への補給品をパラシュートゥで降下させていた、アンナム国境線上のそれらの奇妙な、風雨で浸食された山脈、それは軽石の堆積のように見える、というのはそれは常にその滑走のために同じ所に戻って来たから、それはこれまで移動した可能性はなく、パラシュートゥは接地半ばで何時も同じ地点のそこにあった。平野から臼砲( 迫撃砲)が変わる事なく上がった、石と同じような切れ目のない煙、そして市場では日光の中で炎が青白く燃えていた。パラシュートゥで降下する人々の小さい人影が水路に沿って一列縦隊で移動したが、この高度では彼らは静止しているように見えた。塔の隅に座った牧師でさえ、彼が彼の祈祷書の下で音読するように、彼の位置を変えなかった。戦争はその距離では非常に整然としてクリーンだった。

69

2023年3月19日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

その夕べの最初のカバレイが始まった、歌手、手品師、カミーディアンー彼は非常に猥褻だった、しかし僕がパイルを見た時、彼は明らかに隠語について行けなかった。彼は、フオンが笑った時に笑い、僕が笑う時にはぎこちなく笑った。「グランガは今何処にいるんだろう、」僕は言った、するとパイルが咎めるように僕を見た。

 その時夕べの出し物の番が来た、女の役者一座。ヒプを揺らしながら、時代を遡ったスラクスとスエタで、下顎がちょっと猥褻な、一日の内にカティナトゥの街中を徒歩で行き来する大勢の彼女らを僕は見た事があった。今や低俗なー裁断のイヴニング・ドゥレスを着て、偽物の宝石類、偽物の乳房やしゃがれた声を伴って、少なくとも彼らはサイゴンの大半のイウアラプ女性と同じように望ましく見えた。若い空軍将校のグループは彼女らに口笛を吹き、彼女達は魅惑的笑みを返した。僕は突然のパイルの抗議の激しさに驚かされた。「ファウラ、」彼は言った、「行きましょう。僕達は十分楽しんだでしょ?これはちょっと彼女に相応しくない。」

68

2023年3月18日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

何時も僕は幸せが遠のく事を恐れた。今月、来年、フオンは僕を残して去ってしまうだろう。来年でなければ三年以内に。死には僕の世界で唯一の決定的な値打ちがあった。命を失えば、人は永遠に二度と失うものは無くなる。神を信じられるそれらのものを僕は妬み、僕はそれらを妨げる。彼らは彼らの勇気を不変と永続の神話で維持していると僕は感じた。死は神よりずっとずっと確かで、死を道連れに、そこでは愛の日常的可能性はもはや廃れる事はないだろう。退屈と無関心という未来の悪夢は引き上げるだろう。僕は平和論主義者にはなれず仕舞いだ。人を殺す事は計り知れない利益を確実に彼に与える事だった。オウそうだ、人々は何時も、何処でも、その敵を愛した。それは彼らが痛みと空虚を失わずにいる彼らの友だった。

 「貴方からミス・フオンを借りた事をお許し下さい。」パイルの声が語った。

 「オウ、僕はダンサじゃない、だけど彼女のダンスを見ているのは好きなんだ。」人は何時もまるで彼女がそこにいないかのように第三の人物に彼女の事をそれらしく話す。時々彼女は、平和に似て見えないと思ってしまう。

 その夕べの最初のカバレイが始まった、歌手、手品師、カミーディアンー彼は非常に猥褻だった、しかし僕がパイルを見た時、彼は明らかに隠語について行けなかった。彼は、フオンが笑った時に笑い、僕が笑う時にはぎこちなく笑った。「グランガは今何処にいるんだろう、」僕は言った、するとパイルが咎めるように僕を見た。

67

2023年3月17日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕もまた下手なダンサで僕はパイルほど自意識過剰ではなかったー或いは僕がそれを所有して来たのか、僕はあやふやだった。、第一その頃、何時僕はフォンと恋仲になったのか?彼女に話し掛ける好機を運良く得て僕がフォンと踊った時、ミス・ヘイの病気という記念すべき夜以前、グランドゥ・モンドゥで何度も機会はあったはずだ。パイルはフローを一周するようなそんな機会を二度と得る事はなかった、彼は少しリラクスしていた、それが全てだった、そして彼女を腕の長さより短めに掴んでいたが彼らは二人共黙っていた。突然彼女の足を見ながら、実に軽やかで精密で彼のすり足の足遣いの教師、僕は再び恋しくなった。1時間、2時間以内に、彼女が共有の囲いと踊り場でしゃがんでいる老婦人達のいるあの薄汚い部屋に、僕の所に戻って来る事になろうなんてほとんど僕は信じられなかった。

 僕は嘗てファトゥ・ディエムに関する噂を聞いた事もなかったのならなあ、或いは噂がフランス海軍将校と僕の友情は無検閲、無規制を差しはさむ事を許そうとする北の或る場所より何処か他の町と関係があったというのならなあと思った。「新聞の特ダネ?」あの頃世界が読みたがった全てはカリアだった。死のチャンス?フォンが毎晩僕の側で眠る時、何故僕は死にたがってしまうのか?しかし僕はその疑問に対する答えを知っていた。子供の頃から僕は永久不変を信じた事がなかった、それでもなお僕はそれに恋い焦れた。

66

2023年3月16日木曜日

The Quiet American/GrahamGreene 成田悦子訳

 「北へ行くつもりですか?」

 「僕が戦争を一見するに、そりゃあ適している時だものと僕は思う。」

 「しかし記者はすっかり引き上げています、」パイルが言った。

 「それが僕にとって最高の機会だ。僕はブランガに会いたくはない。」

 「その時貴方は私と私の姉妹と一緒に来てディナを食べるしかないわよ、ファウレアさんが行ってしまわれる時。」彼女は気難しい礼儀正しさで付け加えた、「彼女を元気付けるために。」

 彼女が去った後、パイルが言った、「何て実に素敵な洗練された女性なんだ。それに彼女はとても上手に英語を話す。」

 「私の姉妹は嘗てシンガポーに仕事で居たと彼に話して、」フオンは誇らしげに言った。

 「本当に?どんな種類の仕事?」

 僕は彼女のために訳した。「輸出入。彼女は速記が出来ます。」

 「僕達は経済使節団に彼女のような方がもっといたらと僕は願っています。」

 「私が彼女に話します、」フオンが言った。彼女はアメリカの方達のために働きたがります。」

 ディナの後、彼らは又踊った。

65

2023年3月15日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

「僕はたくさんの子供が欲しいと何時も思ったものです、」彼が言った。「大家族には不思議なほど関心があります。それは結婚の安定性に寄与します。それに子供にとってもいい。僕は一人っ子だった。一人っ子である事、それは大いなる不利益です。」僕は前に彼がこれほど多く話すのを聞いた事がない。

 「貴女のお父様は何歳ですか?」ミス・ヘイが貪欲に尋ねた。

 「6‐9。」

 「年を取った方々は孫を愛します。私の姉妹が彼女の子供に恵まれても両親がいないという事で、それはとても悲しい。何時かその日はやって来ます、」彼女は僕への悪意の一瞥と共に付け加えた。

 「貴女方どちらにもない、」パイルが言った、寧ろ不必要と僕は思った。

 「私達の父親は非常に立派な家系の出でした。彼はフエの官吏でした。」

 僕は言った、「僕が貴方がた全員のディナを注文しました。」

 「私はいいのに、」ミス・ヘイが言った。「私は私の友達の所に行かなければならない。私はパイルさんにまた是非会いたいわ。多分貴方ならそれを何とかして下さるわね。」

 「僕が北から帰ってなら、」僕は言った。

64

2023年3月14日火曜日

The Quiet American/GrahamGreene 成田悦子訳

ミス・ヘイは言い、彼女は彼女の手をフォンの膝の上で重そうに下に抑えつけた。

 「彼女はサイゴンで最も美しい女です、」ミス・ヘイは言った、彼女は彼を叱っているかのように。

 「僕はそれを信じられます。」

 僕は言った、「僕達がディナを注文する番です。サイゴンで最も美しい女だって食べなければなりません。」

 「私はお腹が空いていないわ、」フォンが言った。

 「彼女は繊細です、」ミス・ヘイは断固として続けた。彼女の声の威嚇的調子がそこにあった。「彼女には世話が要ります。彼女は世話をするだけの値打ちがあります。彼女はとてもとても忠誠です。」

 「僕の友人は幸運な男です、」彼は重々しく言った。

 「彼女は子供達を愛します、」ミス・ヘイが言った。

 僕は笑い、その時パイルの目を捕えた、彼はショクを受けた驚きで僕を見ていた、すると突然、ミス・ヘイが何を言おうとしたかに彼は心から関心を寄せているという事、それが僕の頭に浮かんだ。僕がディナを注文している間に(フォンは僕に空腹ではないと僕に話したが、僕は知っていた、彼女は2個の生卵付き上等のステイク・タータとその他の物を平らげる事ができた)、僕は子供達についての疑問を真面目に討論している彼に耳を傾けた。

63

2023年3月13日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「先生?」彼女は多少落胆した様子で尋ねた。

 「そうです、彼は或る種の権威です、貴女は御存知です。人々は彼に意見を求めます。」

 「健康について?彼は医師ですか?」

 「医者というそんなもんではありません。彼は工学博士です、しかし。彼は水面下の浸食全般に詳しい。それはどういう事か貴女は知っていますか?」

 「いいえ。」

 パイルはヒューマで曖昧な狙いを持って言った、「さて僕がそれについて話す、それをお父さんに任せよう。」

 「彼はここにいるの?」

 「オウ、いや。」

 「だけど来ようとしてる?」

 「いいえ。それは只の冗談でした。」パイルは申し訳なさそうに言った。

 「貴女は他にも終いを授かりましたか?」僕はミス・ヘイに尋ねた。

 「いいえ、どうして?」

 「それじゃあ貴女はパイルの結婚の能力を調査しているかのように響く。」

 「私にはたった一人妹がいるだけです、」

62

2023年3月12日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

「それは、彼が今までこのくらいは婦人に近付いた事があるという事だと僕は言うべきだろう。」

 「彼は随分下手に踊るのね。」彼女が言った。

 「そうだね。」

 「私、少しの間貴方と座っていていい?私の友達はとても退屈なの。」

 音楽が止まり、パイルはフォンにかたぐるしそうにお辞儀をした、それから彼女を後ろに導き、彼女の椅子を引き出した。彼の形式ばった行為は彼女を喜ばせたと僕は話して置こう。僕に対して彼女が話している事の中に、彼女がどれほど淋しい思いをしたかと僕は考えた。

 「これはフォンの姉妹、」僕はパイルに言った。「ヘイさん。」

 「僕は貴方に会えてとても嬉しい、」彼は言い、顔を赤らめた。

 「貴方はニューヨークからいらっしゃったの?」彼女が尋ねた。

 「いいえ。ボストンから。」

 「それも合衆国の中にありますか?」

 「オウ、そう、そう。」

 「貴方のお父様はビジネスマンですか?」

 「いいえ、実のところ。彼は教授です。」

61

2023年3月11日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「ファウレアさん、」僕は踊る彼らを見ていて、他のテイブルから僕に合図する彼女の姉妹を見なかった。そこで彼女はやって来て僕はしぶしぶ座るように彼女にお願いした。僕達は彼女がグランドゥ・モンドゥで病気に見舞われ、僕がフォンを家に送った夜以来、親しくしていなかった。

 「私は丸一年貴女を見なかったわ。」彼女が言った。

 「僕は随分頻繁にハノイで留守だった。」

 「貴方の友達はどなた?」彼女が尋ねた。

 「あいつはパイルという名だ。」

 「彼は何をしているの?」

 「彼は米国経済使節団に所属している。君はその種の事情を知っているー飢えている針子のために電動縫製機を。」

 「そこにいくらかあるの?」

 「僕は知らない。」

 「しかし彼らは縫製機を使わない。彼らが住んでいる所にはどんな電気製品もないだろう。」

 「彼女は実に文字通りの女性だった。」

 「君はパイルに聞いた方がいい、」僕は言った。

 「彼は既婚者?」

 僕はダンス・フローを見た。

60

2023年3月10日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

「名誉を得ることが出来ますか?」パイルはひどいアクセントゥで言っていた、そして少し後、部屋の他の端で黙って踊っている彼らを僕は見た、パイルは彼から随分離して彼女を掴んでいるので、貴女は、今にも接触を断つのではと彼に期待した。彼はかなり下手なダンサで、彼女はグランドゥ・モンドゥでの彼女の日々に僕が今までに知った最高のダンサだった。

 それは長い失望させるばかりの求愛だった。僕が結婚や一つの決着を提供してもよかったら、何もかも簡単だっただろう、そうして姉は静かに如才なく離れた所へ逃れようとした、僕達が一緒に居た頃は何時も。しかし僕が暫く一人なのか、頻繁に彼女を見かける以前に3ヶ月が過ぎた。マジェスティクのバルカニで、隣の部屋の彼女の姉妹は僕達が何時入るつもりか尋ね続けた。フランスからの貨物船は火炎信号の明かりによってサイゴン川に荷を降ろされ、輪タクのベルが電話のようになった鳴った、僕は若い未経験の馬鹿だったかも知れない、僕は言うべきを見付けたのに。僕はカティナトゥ通りの僕のベドゥに望みを失くして帰り、4か月後、彼女が僕の側で横になり、息の合間に少し驚いたかのように笑った、彼女が期待する事は全くなかったから。

59

2023年3月9日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方は何処にいたの?」彼女が尋ねた。

 彼は言った、「僕はグランガを家に見送っていた。」

 「家に?」僕は言いながら可笑しくなった、するとパイルは僕が別人のグランガでもあるかのように僕を見た。突然僕は彼が僕を見るに連れ、僕は僕自身を振り返った、中年の男、愛する事に於いて気品を欠いた、グランガほど騒々しくはない多分、が、ずっと皮肉屋で純真さから遠く、そして僕は一瞬フォンを見た、僕が彼女を最初に見た時のように、グランドゥ・モンドゥで僕のテイブルをダンスをしながら通り過ぎた白い舞踏会ドゥレスに包まれ、18歳、申し分のない全欧的結婚を決定付けられて来た姉によって見守られていた。アメリカ人はティキトゥを買え、彼女にダンスを申し込めた、彼は少し酔っていたー有害ではなく、そして僕は想像するのだが、彼は国に不慣れで、グランドゥ・モンドゥのホステス達は売春婦だと考えた。彼らが初めてフローを周った時。彼はあまりにもぴったりと彼女を抱き寄せていた、するとその時突然そこに彼女が現れ、彼女の妹を引き連れ、座るために引き返そうとしていた、そして彼は取り残され、ダンサ達の間で立往生し呆然とした、何があったのか、何故なのか気付く事もなく。僕が知らなかった名を持つ女の子は静かにそこに座った、時折りオリンジ・ジュースを啜りながら、彼女自身を完全に保ちながら。

58

2023年3月8日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅱ

フォンはダンスホールの縁のテイブルを僕達に取って置き、オーキストラが5年前にパリスで流行っていたある曲を演奏していた。二組のヴィェトゥナム人のカプルが踊っていた、小さい、きちんとした、よそよそしい、僕達と調和出来なかった文化雰囲気で。(僕は一人に覚えがある、インド‐チャイナ銀行出身の会計士と彼の妻。)彼らはこれまで、誰もが思った、無頓着に装い、悪い言葉を遣い、だらしない情熱の食い物にされた事はなかったと。もし戦争が中世風に見えたら、彼らはこれから18世紀のようだった。彼の暇な時オーガスタンを書く事をファム‐ヴァン‐トゥに誰もが期待したが、僕は彼がワーズワースの生徒で自然の詩を書くとたまたま知った。彼がダラトゥで過ごした彼の休日、彼はイギリスの湖の雰囲気になれる最もそれらしい所。彼は一回りして来た時、少しだけ頭を下げた。どのようにグランガが50ヤーズの道を上手くやって来たのか僕は不思議だった。

 パイルは下手なフランス語で彼女を待たせた事を詫びていた。「これは失礼しました、」彼は言った。

 「貴方は何処にいたの?」彼女が尋ねた。

57

2023年3月7日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼は彼が欲しかったものを手に入れたー尻尾をちょっと。」

 戸外の夜は目的を持った人々のように走り過ぎる装甲車の中隊だけで 実に静かに思われた。彼は言った、「ありゃあ酷だ。僕は決して信じない・・・」彼は悲しい畏敬の念と共に言った、「彼女達は可愛かった。」彼はグランガを妬んでいなかった、彼は何か良いものーや奇麗さや優美さは、確かに良い状態を形成するがー損われるか或いは冷遇されてしまう。パイルは彼の目の前にそれがある時、痛みを感じ取ってしまう。(僕はそれを冷笑として書いてはいない、結局そうならない僕達の多くがそこにいる。)

 僕は言った「シャレに戻ろう。フォンが待っている。」

 「僕は気の毒だ、」彼は言った。「僕はすっかり忘れていました。貴方は彼女を残して置いてはいけない。」

 「彼女は危険な目に遭わなかった。」

 「僕はただ思いました、グランガは安全に見えてしまうと・・・」彼はまた彼の物思いに耽けたが僕達がシャレに入った時、曖昧な嘆きと共に言った、「あそこに何人の男達がいるのか僕は忘れていた。」

56

2023年3月6日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  彼は彼女達の頭の上から僕を見て言った、「そりゃあ酷だ、酷だ。」それはラムプの灯りの悪戯だったかも知れないが、彼の顔がひどくやつれて見えた。彼は実際ひょっとしたら童貞だぞという事それが僕の脳裏を掠(かす)めた。

 「ついて来て、パイル、」僕は言った「グランガに彼女達を残して行こう。」僕は彼の手が彼の尻のパキトゥの方へ動くのを僕は見た。彼はピアスタとドル紙幣の彼のパキトゥを空にするつもりだ、と僕は心底思う。「馬鹿になるな、パイル、」僕は厳しく呼びかけた。「君は彼女達と取っ組み合いをしたいんだね。」僕の女が僕の方を振り返ると僕はもう一度彼女をグランガを取り囲む内側の輪の中に押した。「だめ、だめ、」僕は言った、「僕は貧しい、とても貧しいイギリス人だ。」その時僕はパイルの袖を掴み、彼を引きずり出した、釣られた魚のように彼のもう一方の腕の上にぶら下がっている女と一緒に。2、3人の女達は、伍長が見張りに立つ入口に着く前に僕達を阻止しようとしたが、彼女達は本気ではなかった。

 「僕はこの人と何をするんだろう?」パイルは言った。

 「彼女は少しでも面倒に関わりたくない、」するとその瞬間彼女は彼の腕を解いてグランガの周りの小競り合いの中に戻って飛び込んだ。

 「彼は心配はいらないでしょうか?」パイルは不安そうに尋ねた。

55

2023年3月5日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

四角い広場の周囲の小寝室にはカートゥンが引かれていなかったー一人の疲れた女の子が彼女の足首を交差したままただベドゥに横たわっていた。そこにショロンの苦悩があり、軍隊は兵舎内に閉じ込められ、そこに遂行されるべき任務などまるでなかった、肉体の日曜日。単なる戦闘、撹拌の節目、叫んでいる女達は風習が未だ生きている所を僕に見せた。僕は警察署の安全回復と格闘しながら彼のズボンを失くしてしまった特色のある訪問者のサイゴンの昔話を思い出した。一般市民のための援護はここには何一つないとそこにあった。もし彼が軍の領域を侵害する事を選択したら彼は彼自身の面倒を見、彼自らの道を外に探さなければならない。僕はテクニークを学んで来たー分割と統一を成すために。僕は僕の周りに集まった多勢の中の一人を選び、パイルとグランガが奮闘する所に向かって彼女をゆっくりと近付けた。

 「僕は年を取ってる、」僕は言った。「とても疲れた。」彼女はくすくす笑い押し進んだ。「僕の友達。」僕は言った、「彼はとても裕福で逞しい。」

 「貴方はずるい、」彼女は言った。

 僕はブランガが紅潮し意気揚々とした光景を目撃した、それは彼が彼の成人男子である事への感謝としてこの示威運動を必要としているかのようだった。一人の女の子が彼女の腕をパイルのに通し、場外へと徐々に彼を引っ張り出そうとしていた。僕は彼らの間に僕の女の子を押し入れ、彼に声を掛けた、「パイル、ここを出よう。」

54

2023年3月4日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼は冷静よ、」彼女は言った、そしてその形容詞、彼女が鼻っから使おうとするそれは、パイルの死について僕に話しながら、彼の緑色の目を曇らせてそこに座り、僕がヴィゴでさえそれを遣うのを聞くまで、男子生徒の名前のように突き刺さった。

 僕は僕達の輪タクをシャレの外に停め、フォンに言った、「中に入ってテイブルを探して。僕はパイルの後を追って注意を払ってやった方がいい。」それは僕の最初の直感だったー彼を守ろうとする。そこでは自分自身を守る必要性がより大きくなる、そんな事は僕の身に今まで振り掛かった事はない。

 天真爛漫は何時も無言で保護を呼びかける、僕達はそれに対して僕達自身を守るためにもっともっと賢明であろうとする時、天真爛漫は彼のベルを失くしてしまって、世界をさ迷い、何の害も意味しない口の利けないらい病患者のようだ。

 僕が500人の女達の館に着いた時、パイルとグランガは中に入った。僕は出入り口に入って直ぐの憲兵隊の部署で尋ねた、アメリカ人二人は?」

 彼は若い外人部隊の伍長だった。彼は彼の回転式連発拳銃を手入れするのを止め、出入口の向こうに向かって彼の親指を突き出した、ドイツ人に冗談を言いながら。僕はそれを理解できなかった。それは空に向かって開かれた巨大な中庭での休憩時間だった。何百人もの女の子達は、草の上に横たわったり、正座をして彼女達の仲間に話し掛けていた。

53

2023年3月3日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 しみったれ大使館員は騒々しい共有しているような笑い方をした。彼はTV上の顔のように見えた。彼は言った、「君ら若い人達は何を望むせよすればいい、しかし僕はゲイムに相対するには年を取り過ぎる。僕は彼を僕と一緒に家に連れて帰る。彼はフランス人だと君は言った?」

 「彼はフランス語を話すよ。」

 「もし君が彼を僕の車の中に入れられれば・・・」

 彼が運転して去って行った後、パイルはグランガと一緒に輪タクを拾い、フォンと僕はショロンへと道なりに追った。グランガはフォンと一緒に輪タクに乗り込もうと企んだが、パイルが彼の気を反らした。彼らが中国人街への長い郊外の道を下って僕達にペダルを踏むに連れ、フランス装甲車の列が横を通り過ぎた、星と黒く、滑らかな、窪んだ空の下、その突き出ている銃や船首像のように静止した、黙り込んだ将校―おそらくグランドゥ・モンデとショロンの賭博場を自由に動き回る私設軍隊、ビン・エクシュイエンとまた揉め事。これは反乱王の地。それは中世のイウアラプに似ていた。それにしてもここでアメリカの人達は何をしでかそうとしたのか?カラムバスは未だに彼らの国を発見していなかった。僕はフォンに言った、「僕はあの男パイルを気に入ってる。」

52

2023年3月2日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  「それはもう終わり、」ブランガが叫んでいた。「ここでは夜中(じゅう)無駄に出来ないぞ。僕は500人の女の館から遠ざかっている。」

 「もし貴方とフォンさんが僕と夕食を共にして下されば・・・」パイルが言った。

 「あんた方はシャレで食べるといい、」グランガは彼に割って入った、「僕が隣の女達を口説いている間に。いい加減にしろ、ジョウ、ともかくあんたらは男だ。」

 それはその時だったと僕は思う、男が何だと訝しく思い、僕は僕のパイルに対する初めての好意に触れた。彼はグランガから少しあちらを向いて座り直した、彼のビアマグを捩じりながら、決定的疎通の表情と共に。彼はフォンに言った、「貴女はこの商売の全てにうんざりしたと思うー貴女の国の事を言っているつもりなんだが?」

 「コメントゥを?」

 「君はミクと一緒でどうしようって言うの?」しみったれ大使館員は尋ねた。

 「ここに彼を残そう、」グランガが言った。

 「君はそんな事をしてはいけない。君は彼の名前すら知らない。」

 「僕達は彼をずっと連れて行けばいい。そして女達に彼を世話させよう。」

51

2023年3月1日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕が実際彼らの臭いのするハイウェイに近付こうとするとあんたは思うの?」ステファン・クレインはそれを見もせずに戦争を描写できた。何故僕はしてはいけない?それはともかく単に地獄に落ちた植民地戦争に過ぎないからだ。もう一杯僕に飲み物をくれ。そしてそれから行って女の子を見付けよう。あんたは一着の長い裾を手に入れた。僕も一着の長い裾が欲しい。」

 僕はパイルに言った、「ファト・ディエムに関する噂にはそこに何かあるぞ、と君は思わないの?」

 「僕は知らない。それは重要ですか?僕は行ってちょっと見たい、」彼は言った、「もしそれが重要なら。

 「経済使節団に重要な?」

 「オウ、十分、」彼は言った、「貴方はしっかりした輪郭を描く事はできない。これらのカサリク教徒、彼らは共産主義者に対してかなり強気であろうとするのではありませんか?」

「彼らは共産主義者と取引きする。主教は彼の牛や竹を共産主義者から彼の建造物のために手に入れる。彼らは正確にはヨーク・ハーディングの第三勢力だ、と僕は敢えて言わない、」僕は彼を苛めた。

50

2023年2月28日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「ハノイの北-西大勝利、フランス人は、彼らが失ったと我々に話していなかった二つの谷を取り戻した。絶体絶命のヴィエトゥミン死傷者数。未だに彼ら自身数えられもしないが、1、2週間以内に我々に知らせるだろう。」

 しみったれ大使館員が言った、「ヴィエトゥミンはファトゥ・ディエムに侵入し、大聖堂を焼き、主教を追い出したという噂がそこにある。」

 「彼らはハノイのその事を我々に話そうとしない。それは勝利ではない。」

 「我々の医療ティームの一つはナム・ディンの向こうへ到達できなかった、」パイルが言った。

 「君達はそれと同じ距離ほども下らなかった、ビル?」しみったれ大使館員は尋ねた。

 「あんたは僕が誰だと思うのか?僕は、喩え僕が限界を超えようと、表に出る発行部数を維持する通信員だ。僕はハノイ飛行場へ飛ぶ。彼らはプレス・カムプへ向かう車を我々に与える。彼らは、彼らが奪還したての二つの街の上を飛行して通過し、我々に三色旗が飛ぶのを見せる。そりゃあその高度では何か繕われた旗かも知れない。それから我々は記者会議を開催し、連隊長が我々が何を見て来たか、我々に説明する。それから我々は検閲官付きで我々の電報を申し込む。それから我々は飲むんだ。インド‐チャイナで最高のバーマン。その後我々は飛行機を捕まえて引き返す。」

 パイルは彼のビアに顔をしかめた。

 「君は君自身を過小評価する、ビル、」しみったれ大使館員が言った。

「何故って、ロウドゥ66のあの話ーそれを君は何と名付けた?地獄行きハイウエイーあれは典型的なプリトゥサだった。僕が意味するところを君は知ってるー排水溝に膝まづきながら、吹き飛ばされた彼の頭の付いた男や夢心地でほっついている君が見たその他・・・」

49

2023年2月27日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 しかし彼は知らなかった。彼はラヴァタリから陰気に戻って来た。「その女性は誰?」彼はむっつりして彼に尋ねた。

 「フォンさんはファウラの友人です、」パイルは堅苦しく言った。「我々は誰かを知りたい・・・」

 「彼は何処で彼女を見付けたの?貴方がたはこの町では気を付けるようになった。」彼は陰気に付け加えた、「神にペニシリンを感謝します。」

 「ビル、」しみったれ大使館員は言った「我々はミクが何者か知りたい。」

 「僕を探って。」

 「しかし君は彼をここに連れて来た。」

 「フランス人はスカトゥランドゥ人を連れて行けない。彼は意識を失った。」

 「彼はフランス人?僕は、貴方は彼をミクと呼んだと思った。」

 「彼を何がしかで呼ばなくちゃ。」グランガ言った。彼はフォンにすっかり寄りかかって言った、「ねえ、あんた。オリンジをもう一杯飲んだら?今夜デイトゥをそて貰える?」

 僕は言った、「彼女は毎晩デイトゥの約束がある。」

 しみったれ大使館員は早口で言った、「戦争はどう、ビル?」

48


2023年2月26日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 パイルは真剣に言った、また顔を赤くして、もし僕が思い付いても二度と貴方がたを招待しません・・・」

 白髪交じりの塊は椅子の中で動き出し、それが付いてないかのように頭がテイブルの上に落ちた。それは溜息を吐いた、無限の退屈という長い口笛を吹きながらの溜息、そしてじっとした。

 「君は彼を知ってるの?」僕はパイルに尋ねた。

 「いえ。彼は記者の誰かではないんですか?」

 「僕はビルが彼をミクと呼ぶのを耳にした、」しみったれ大使館員が言った。

 「あそこには新しい合同通信社の通信員はいませんか?」

 「それは彼じゃない。僕は彼を知ってる。貴方がたの経済使節はどうです?貴方は全ての貴方の所の人々を知る事はできないーあそこにはその内の百人がいる。」

 「僕は彼が属しているとは思わない、」しみったれ大使館員が言った。「僕は彼を思い出せない。」

 「我々は彼の身分証明書を捜せばいい、」パイルが仄めかした。

 「神のためにも彼を起こすな。酔っ払いは一人で十分。いずれにせよグランガが知ってるさ。」

47

2023年2月25日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「ビル・グランガー貴方は屑の外に彼を維持できない。」

 「貴方は正しいと僕は思います。僕は、いつか別の夕方に、賭博バーで彼を見かけました。」

 「君は、僕がそんなつもりじゃないとよく分かってる。」

 二台の輪タク運転手がカティナトゥ通りに猛烈な勢いでペダルをこいでやって来て大接戦の内にコンチネンタルの外で止まった。一番に入ったのはグランガだった。他はグランガが今や歩道に引きずり出し始めた小さい、白髪交じりの無言の塊と言っていい。「オウ、さあ来い、ミク、」彼が言った、「来いよ。」それから彼は彼の運転手と運賃について口喧嘩をし始めた。「さあ。」彼は言った、「それを持って行くのか、それを残して行くか、」そして卑しめるために男に向かって5回適当な総額を通りの中に、投げ付けた。

 しみったれ大使館員はいらいらして言った、「僕はこの男達は少しは気晴らしをする権利があると思う。」

 グランガは椅子の上に彼の荷物を放り出した。その時彼はフォンに気付いた。「どうしたの、」彼が言った、「お前は分別のある誰かさん、ジョウ。お前は何処で彼女を見付けたの?お前はお前の中にフウイスルがあるのを知らなかったのか。気の毒に、尻を捜しにかかっていたんだ。ミク面倒見てやれよ。」

 「がさつな軍人らしい作法の数々、」僕は言った。

46

2023年2月24日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 それがしみったれ大使館員だった。彼は頭上のテラスから僕達の下の方に微笑みかけた、非常に暖かみのある歓待の笑顔、自信に満ち、彼は好ましい脱臭剤を使って彼の友人達を維持する男のように。僕は、何度も彼がジョウと呼ばれるのを耳にしたが、僕は彼の苗字を習得せず仕舞いだった。彼は椅子を引っ張り出し、またウエイタを呼び寄せての騒々しい芝居をした、その活躍全てはかろうじてコンチネンタルにおける演出を可能にはしたが、ビア、ブランディ‐アンドゥ‐ソウダかヴァマス・カシスかという選択に行き着くのだった。「ここで君に会うなんて思いもしなかった、ファウラ、」彼は言った。「我々はハノイから戻る男達を待っている。あそこは今まさに戦闘の最中らしい。君は彼らと一緒じゃなかったの?」

 「僕は記者会見のために4時間飛ぶなんて嫌気が差します、」僕は言った。

 彼は反感を持って僕を見た。彼は言った、「こいつらは実に熱心だ。何故か、僕は、彼らは業務で、或いは何のリスクもないレイディオウで二度稼げるだろうにと思う。」

 「彼らは仕事にありつけさえすればいいんです、」僕は言った。 「彼らは軍馬のように戦闘を嗅ぎつけるらしい、」彼が好まない言葉には少しも気にする事なく勢い込んで続けた。

45

2023年2月23日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 3

パイルがフォンに会った初めての機会は、またもやコンチネンタルにてで、多分彼の着任後2ヶ月。それは日暮れに近く、束の間の涼感が日が沈んだばかりの時に訪れ、蝋燭が露店に灯された。さいころが、フランス人が421をしていたテイブルでガラガラ音を立て、白いシルクのズボンを履いた女達はカチナトゥ通りを家へと自転車に乗って去った。フォンはオリンジ・ジュースのグラスを傾け、僕はビアを飲んでいた、そうして僕達は黙って一緒にいる事に満足して座っていた。その時パイルが躊躇いがちに横断して現れ、僕は彼らを紹介した。彼はまるで以前に人に会った事がなかったかのように一人の女を熱心に見つめ、それから顔を赤らめるふうだった。「僕は貴方と貴方の女性が、」パイルは言った、「向こう側に歩を進め、僕のテイブルに合流して下さるかどうかと思いまして。僕達の大使館員の一人が・・・」

44

2023年2月22日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 彼は当惑して咳払いをした、「勿論、」彼は言った、「僕は不運な商売をを忘れてた。僕は全く君の側にいた、ファウラ。彼は下手に動いた。僕は女の事で彼と長話をしたと君に打ち開けても構わない。君も知るように、僕は教授とパイル婦人を知っていると言う強みを持っていた。」

 僕は言った、「ヴィゴが待っている、」するとあちらの方へ歩いて行った。初めて彼はフォンを見付け、僕が彼を振り返ると彼は痛みに途惑って僕をじっと見ていた。分からず家の兄弟。

43

2023年2月21日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 突然僕は腹が立った。彼らのコウカ‐コウラの私営店や彼らの移動病院や彼らの広過ぎる車や彼らの全く最新的ではない銃と一緒の彼らの全パックに嫌気が差した。僕は言った、「そうだね。彼は生き抜くには何かをひどく欠いていたから彼らは殺した。彼は若かったし怠慢で浅はかで彼は当然のように巻き込まれた。彼は事件の全容の何たるかを貴方ほども気付いていないのに、貴方は金と極東に関するヨーク・ハーディングの書物を与え、言う『前進せよ。民主主義のために極東を勝ち取れ。』彼が講堂で聞かなかった何事にも彼は目もくれなかった、それに彼の著作権も講演者も彼を愚か者にした。彼が死体を見た時、彼は傷を見る事もできなかった。赤い脅威、民主主義の戦士。」

 「僕は、君は彼の友人だと思っていた、」彼は非難がましく言った。

 「僕は彼の友人だった。僕は、家で日曜版を読み、野球を目で追う彼を見たかった。僕は、読書クラブに記名する標準的なアメリカ女性と一緒の、間違いのない彼を見たかった。」

42


2023年2月20日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「オウ、僕は覚えていると僕は思う。背景の崩れ落ちそうな崖と前景の金色に縁取られた眼鏡。」

 「それが彼だ。僕は故国に電報を打とうとした。そりゃあ怖かった。僕は、彼は我が息子だというほどあの青年を愛した。」

 「それが貴方を彼の父親と親密に関わらせる。」

 彼は彼の濡れた茶色の目を僕に向けた。彼は言った、「君は何を手に入れようとしているの?それは立派な若い仲間が・・・時の話し方ではない。」

 「僕が悪かった、」僕は言った。「死は様々な様々な方法で人をがんじがらめにする。」おそらく彼は本当に彼を愛して来た。「貴方は貴方の電報でどんなことを言ったの?」僕は尋ねた。

 彼は真面目に、額面通りに返事をした、「『貴方のご子息が民主主義という根拠の下で軍人の最期を全うされた事を報告するのは悲しみに耐えません。』公司はそれにサインした。」

 「軍人の死、」僕は言った。「それは少し混乱している事を証明する可能性はないの?つまり故国の国民に対して。経済援助使節団が軍隊のように響く。貴方はパープル・ハーツ章を手に入れるの?」

 彼は低い声で、あいまいさを伴いながら緊張して言った、「彼は特殊任務を抱えていた。」

 「オウそう、僕たちは皆そう推測していた。」

 「彼は話さなかったんだね?」

 「オウいや、」僕は言った、そしてヴィゴの言葉が僕に甦った。「彼は実に静かなアメリカ人だった。」

 「君は少し勘が働いたの、」彼は尋ねた、「どうして彼らは彼を殺した?そして誰が?」

41

2023年2月19日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「君はあそこで何を手に入れた?」彼は言った。

 「白い絹のズボン二揃い、二枚の絹のロウブ、何枚かの女の下着ー三枚、僕は思う。全て国産。アメリカの救援無し。」

 「あそこに上がらなかったのか?」彼は尋ねた。

 「そう。」

 「君はニューズを聞いた?」

 「はい。」

 「そりゃあ酷い話だ。」彼は言った、「酷い。」

 「公司は大変心配していると僕は想う。」

 「僕は言うべきだ。彼は、現在、高等弁務官と一緒にいる、そして彼は大統領とのインタヴュウを求められている。」彼は僕の腕に彼の手を置き、車から僕を歩いて遠ざけた。「君は青年パイルをよく知っているんじゃないか?僕は彼にあった事、あんな事を見過ごせない。僕は彼の父親を知っている。ハロルド・C・パイル教授ー君は彼について聞いた事があるだろうか?」

 「いや。」

 「彼は水中の浸食に関する世界的な権威だ。君は何ヶ月か前のタイムのカヴァの彼の写真を見なかった?」

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2023年2月18日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕は離れた方がいい。彼も僕を封印したがる。」

 ヴィゴはうんざりして言った、「僕は貴方がついて来るといいと思うのだが。彼は僕に言うべき酷な代物を随分抱えている。」

 しみったれ大使館員は僕が外に出ると彼のパカードゥの側に立っていた、彼の運転手に何か説明しようとして。彼は恰幅のいい中年の男だった、際立った尻とまるでそれが剃刀を必要とした事がなかったかのように見える顔を持った。彼は叫んだ、「ファウラ。この罰当たりの運転手に説明できる・・・?」

 僕は説明した。

 彼は言った、「それにしてもそれは僕が彼に話した事と一致しているのにね、それでも彼は何時もフランス語を理解できない風を装うんだもの。」

 「それはアクセントゥの問題かも知れない。」

 「僕はパリスに三年いた。僕のアクセントゥはこの罰当たりのヴィェトゥナム人には上等だよ。」

 「民主主義の表明だよ、」僕は言った。

 「それはどういう事?」

 「僕は、それがヨーク・ハーディングよる一編だと思う。」

 「僕には君が分からない。」彼は僕が持ち運ぶ箱を怪しげに見た。

39

2023年2月17日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「ちょっと早い。」

 「彼が貴方を見た最後の時、彼は貴方に何か打ち明けなかった?」

 「いいえ。」

 「それは何時でした?」

 「昨日の朝。大きな炸裂音の後。」

 彼は僕の返事を理解させようとして小休止したー僕の心に、彼のにではなく。彼は公正に尋問した。「貴方は、昨夜彼が貴方を尋ねた時、出ていましたね?」

 「昨夜?僕はいたはずです。僕は思いもよらなかった・・・」

 「貴方は出国ヴィーザを欲しがっているかも知れない。私共はそれを無期限に延ばせもすると貴方は知っている。」

 「貴方は実際信じますか、」僕は言った、「僕が故国に帰りたがっていると?」

 ヴィゴは明るく雲一つない昼間、窓の向こうに目をやった。彼は悲しげに言った、「大半の人々はそうです。」

 「僕はここが好きです。故国ではそこにありますー難題の山が。」

 「糞、」ヴィゴが言った、「ここにはアメリカのしみったれ大使館員ががいます。」彼は皮肉を込めて繰り返した、

 「しみったれ大使館員。」

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2023年2月16日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  彼の机は全く物がなかった。「貴方がすっかり持って行かせたんだね、」僕は言った。

 「オウ、」ビゴが言った、私は米国大使館代理としてこれらの管理をしなければならなかった。貴方はご存知だ、いかに速く噂が広がるか。そこは荒されたのかも知れない。私は文書の全てを封印しました。」彼はそれをニコリともせずに真面目に言った。

 「何か損害を被っている物でも?」

 「我々は同盟国に逆らって物を捜す余裕などあるはずがない。ヴィゴは言った。

 「僕がこれらの本の一冊を頂くと貴方は気に病みますかー形見として?」

 「私はあっちの方を見ていましょう。」

 ぼくはヨーク・ハーディングのThe Role of the Westを選び、フォンの衣服と一緒に箱の中にそれを詰め込んだ。

 「友人として、」ヴィゴは言った、「貴方が僕に内緒で話せる事はそこいらにありませんか?僕のリポートゥはすっかり決着しました。彼は共産党員によって殺害されました。おそらくアメリカの支援に対する組織的活動の始まり。しかし貴方と私の間ではー聞いて下さい、それじゃあ暖かみのないお話になります、角を曲がってヷマス・カシスでもいかが?」

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2023年2月15日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「そいつはここにいない。彼は彼と一緒にそいつを連れて言ったのかも知れない。」

 「おそらくそいつは戻って来るだろうし、そいつの足の土を貴方は分析できる。」

 「僕はルコクではなく、またメグレでもない。それどころかそこには戦争が続いてる。」

 僕は書棚の方へ斜めに向かい、本の二列を調べたーパイルの蔵書The Advance of Red China,The Challenge to Democracy,The Role of the Westー以上は、僕は思う、ヨーク・ハーディングの全作品だった。そこには多くの議会リポートゥ、ヴィエトゥナムと名打った本、フィリピンの戦争の歴史、現代版シェイクスピアがあった。どんなもので彼はリラクスしたのか?僕は他の棚に彼の軽い読み物を見付けた。携帯用のトウマス・ウォルフェやThe Triumph of Lifeという名の謎の小品集、アメリカの詩人の選集。そこにもまたチェス問題の本があった。それは働いている日の終わりのためとは殆ど思えなかった、が、結局、彼はフォンを所有した。作品集の背後に追い遣られてそこにはThe Physiology of Marriageと名付けられた紙表紙本があった。おそらく彼はセクスを勉強していた、彼が極東を勉強したように、紙の上で。そしてそのキーワードゥは結婚だった。パイルは巻き込まれている事を良しとした。

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2023年2月14日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方はここで何をしているんですか?」

 「僕はフォンのものを取りに来たところです。貴方の警官が彼女を通そうとしないんです。」

 「じゃあ僕達が行ってそれを探しましょう。」

 「それは貴方ありがたい、ヴィゴ、」 

 パイルは二部屋、キチンとバスルームを持っていた。僕達はベドゥルームへ向かった。僕はフォンが彼女の箱を何処に置いているか知っていたーベドゥの下に。僕達はそれを一緒に引き出した。それは彼女の本を含んだ。僕は彼女の数着の着替えをワードゥロウブから取り出した、彼女の二着の上等のロウブと彼女の着替えのズボン。それらはそこに数時間だけ吊るしてあり、そこのものではないという感じを誰でも持ってしまう。それらは部屋の蝶のように廊下にあった。引き出しの中で僕は彼女の小さい三角のキュロトゥと彼女のスカーフのコレクションを見付けた。そこは箱に入れるにしても実のところ狭過ぎた。我が家の週末の訪問者用のものよりずっと。

 居間のそこには彼女自身とパイルの一枚の写真があった。彼らは大きな石のドゥラゴンの側の植物園で写真を撮って貰っていた。彼女は革紐にパイルの犬を繋いでいたー黒い舌を持つチャウチャウ。あまりにも真っ黒な犬。僕は彼女の写真を箱の中に入れた。「犬に何があったんだ?」僕は言った。

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2023年2月13日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

  「彼らはそう言います。彼は軍司令官に殺された、彼はカオダイストゥを知ったから。おそらく彼は軍司令官の内妻に通行許可証を作ろうとしてホア‐ハオに殺された。おそらく彼のお金を欲しがる誰かにまさに殺された。」

 「それとも嫉妬という単純なケイス。」ヴィゴが言った。

 「或いはフランス公安によって、」僕は続けた、「何故なら彼らは彼の接触を好まなかった。貴方がたは彼を殺した人々を真剣に捜そうとしていますか?」

 「いいえ、」ヴィゴが言った。「僕はちょうどリポートゥを作っているところです、それが全てです。それが戦時行為である限りーまあ、毎年殺された千体があります。」

 「貴方は僕を除外してもいい、」僕は言った。「僕は関わっていない。関わってはいなかった、」僕は繰り返した。それは僕の信条の規定だった。人間らしくある事、それはどんなものだったか、彼らを戦わせ、彼らを愛させ、彼らを殺させ、僕は関係する気がない。僕の同僚のジャーナリストゥは自らを通信員と呼んだ、僕はリポータという称号が好みだった。僕が何を見たかを書いた。僕はどんな行為にも従わなかったー見解でさえ或る種の行為である。

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2023年2月12日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「我々はガリジで彼の車を見付けました。それはペトゥルル(ガソリン)が空でした。彼は昨夜輪タクの中から消えたに違いないー或いは誰か他の人の車の中。おそらくペトゥルルは抜き取られた。」

 「彼は歩いても良かったのでは、」僕は言った。「貴女はアメリカ人が何かを御存知です。」

 「貴方の車は燃やされたんでしょ?」彼は思慮深く続けた。「貴方はまだ新しいのを持っていないんですか?」

 「いいえ。」

 「それが要点ではありません。」

 「いいえ。」

 「貴方はどんな見解を持っています?」彼は尋ねた。

 「多過ぎて、」僕は言った。

 「私に話して下さい。」

 「まあ、彼はヴィエトゥナム人に殺されたのかも知れません。彼らは」サイゴンで多くの人々を殺しました。彼の死体はダカウに向かう橋の側の川の中で発見されましたー貴方がたの警官隊が夜撤退すると、ヴィエトゥナムの領土。或いは彼はヴィエトゥナム公安によって殺されたのかも知れませんーそれは知られている。おそらく彼らは彼の友人達を好ましく思わなかった。おそらく彼はテ軍司令官を知っていたからカオダイストゥに殺された。」

 「彼がですか?」

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2023年2月11日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「私は私の箱を取って来ようと思うの。」

 「警官があそこにはいるかも知れないよ。」「僕が貴方と一緒に出掛けた方がいいね。」それが、僕達がパイルの事に最も触れそうになった当日だった。

 パイルはデュラントン通りに近い新しい郊外住宅にフラトゥを持ち、フランス人が延々と彼らの軍司令官に敬意を表して細分して来たそれらのメイン・ストゥリートゥの一つの外れーそれでドゥ・ゴール通りが三番目の交差点ルクレール通りの後になった、そしてそれは再び早かれ遅かれおそらくドゥ・ラトゥル通りへと突然変わるだろう。有力な誰かが航空便でイウアラプから到着する事になっていたに違いない、高等弁務官の邸宅までの道沿いに20ヤードゥおきに歩道を向いている警官がそこにいた。砂利道をパイルのアパートゥマントゥまで運転中、何台かの単車やらヴィエトゥナム人の警官が僕のプレス‐カードゥを検査した。彼は家の中にフォンを入れようとしなかった、そこで僕はフランスの役人を探しに行った。パイルの風呂場でヴィゴは彼の手をパイルの石鹸で洗い、パイルのタウエルでそれを乾かしていた。彼の熱帯地方スートゥには袖にオイルの染みが付いていたーパイルのオイル、と僕は思った。

 「何かニューズは?」僕は尋ねた。

32

2023年2月10日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

新しい下劣な雑誌が波止場近くの屋台店に出ていたータブーとイリュージャン、船員達は歩道でビアを飲んでいた、自家製爆弾のカモ。僕はフォンの事を考えた、ミルク・バーまで彼女のおやつのために行く前に左を下って三番通りで魚の値段を値切っているだろう、(僕はあの頃彼女が何処にいるか何時も知っていた)、そしてパイルは容易く駆けつけ、自然に僕の心は届かなくなった。僕はフォンに対して彼に言及さえしなかった、僕達はカティナトゥ街の上の僕達の部屋で一緒にランチをとるために座り、彼女は彼女の一番いい花柄のシルク・ロウブを着た

、何故ならその日は、僕達がショロンのグランドゥ・モンデで出会ってからきっかり2年だったから。



僕達のどちらも彼に言及しなかった。僕達は彼の死の後、朝、目を覚ました。フォンは僕が適当に目覚める前に起きて、僕達の紅茶を用意した。誰も死者を妬まない、僕達の元の暮らしを一緒に再び始める事、それは僕には簡単に思えた。

 「貴女は今晩泊まる?」僕は出来るだけ何気なくクロワサンを食べながらフォンに尋ねた。

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2023年2月9日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

年老いた大修道院長の教壇の上の紅茶のカプ、彼のべドゥと彼の営業用のカリンダ、彼のバキトゥ、壊れたカプと一生涯のがらくたと一緒に、彼の椅子をひと回りして汚れを落とした。地雷が爆発した道路を修理している女達のマラスク・ハトゥ、金色や若草色や色鮮やかな南のドゥレス、そして北では、深い茶や黒い衣服や敵の山々の環(わ)や飛行機のブーンという低い音。僕が初めに来た時、僕は僕の割り当てられた仕事の日数を数えた、学期の日数を線で消してゆく学生のように。僕は置き去りにしたブルームスベリ広場やイウストンの柱廊付玄関を通る73番バスやトリントン・プレイスの地元の春の何かに縛り付けられているのかと思った。今頃は四角い庭に球根が芽を出そうとしているだろうが、僕は少しも気にならなかった。僕はそれらの速いリポートゥによって句読点を打ったひと月を求め、それは排気ガスであってもよく、また手りゅう弾であってもよく、僕は湿気の多い正午を通して優美に動く絹のズボンを目に留めて置きたかった、僕はフォンを求め、そうして僕の家はそのグラウンドゥ4千マイルに変わった。

 僕は高級弁務官の家で曲がった、そこでは外人部隊が彼らの白いケピと彼らの緋色の肩章を着けて見張りに立ち、大聖堂の側を通り抜け、尿と不法な臭いがするように感じるヴィエトゥナムの公安の暗い壁の側で引き返した。それもまた家の一部で、子供の頃には誰もが避ける上階の暗い廊下に似ていた。

30

2023年2月8日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕は何時も新顔の利益のために回転するレコードゥだったー国会の視察議員団、新英国公使。時々僕は夜に喋りながら起きようとする、カオダイストゥ

らの事例を引用するといい。」或いはホアハオ、或いはビン・エクシュイエン、お金か復讐のために彼らのサーヴィスを売る民間軍。

 よそから来た者達は彼らをまことしやかに見る、しかし裏切りや不信のそこにまことしやかなものは何一つない。

 「そして今や、」僕は言った、「そこにチェ軍司令官がいる。」彼はカオダイストゥ隊員の長だったが、彼はフランス人、共産党員、両サイドゥを得るために戦おうとして丘に没頭した・・・。」

 「ヨークは、」パイルが言った、「東側が必要とした何かは第三勢力だという事を書きました。」おそらく僕はその狂信的閃き、言葉に対する素早い反応、数字への魔法のような響きを見るべきだった、五番目のコラム、三番目の勢力、七番目の日を。僕は僕達の全てを数多くの困難を、パイルでさえ救えたかも知れない、もし僕が疲れを知らない若い頭脳の傾向を理解してしまえば。ところが僕は背景の乾いた骨と一緒に彼を放置し、カティナトゥ街を上ったり下ったり僕の日課の散歩をしていた。彼は臭いがするに連れ君を拘束する現実の背景を、彼自身のために学ばずにはいられなかった。平たい晩方の陽の下の稲田の金色、蚊のように田の上をうろつく漁師弱った鶴。

29

2023年2月7日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

それは新聞記者達の中傷と彼らの未熟な冷笑からの転換だった。僕は言った、「もう一瓶ビアを飲もう、君に物の考え方を教えよう。」

 僕は始めた、受賞した生徒のように熱心に僕をじっと見つめる間、あの頃のフランス人はレドゥ・リヴァのデルタへと向かって何処にしがみ続けていたか、ハノイや北の港、ハイフォンを含んだのはどちらか、北の、トンキンの情勢を説明する事によって。ここでほとんどの穀物が育てられ、収穫が準備されると米目的の年一回の戦争が必ず始まった。

 「それが北だ、」僕は言った。「フランス人は、もし中国人がヴィエトゥミンを助けに来なければ制す、哀れな極悪人め。ジャングルや山や湿地、稲田、そこを君は背の高さまである所を苦労して歩き、敵は簡単に姿を消し、彼らの武器を埋め、百姓の衣装を身に着ける。何れにせよ君達はハノイの湿気の中で楽々腐ることが出来る。彼らはそこに爆弾を投げない。神は何故かを知る。君達はそれを通常の戦いと言ってのける。」

 「そしてここ南に於いては?」

「フランス人は主要道路を夕方の7時迄統制する。その後見張り塔を彼らは統制するーそれらの断片を。それは君達が安全であるという事を意味せず、又そこにレスタラントゥの前の鉄の格子があろうはずがない。」

 僕は前にどれ程度々この全てを説明した事か。

28

2023年2月6日月曜日

The Quiet American/ Graham Greene 成田悦子訳

しかし彼は直ぐ後で彼が与えた印象を修正するために再びそれを打ち砕いた。「僕は彼をよくは知りません、」彼は言った。「彼に2度だけ会ったはずです。」僕はそれで彼に好意を持ったー彼の名は何だった?ーヨーク・ハーディングーと知り合いだという事、それは自慢しているのだと見做すべき。彼が真面目な作家呼んで何故法外な敬意を表すのか、僕は後で学ぶ事になった。その言葉は小説家、詩人や劇作家を除外した。彼が現代の主題と称する何かを彼らは持っていた。そこでその時でさえ、君がヨークからそれを得たように率直な素質に目を通す事その方がいい。

 僕は言った、「もし君が長い間一ケ所に住めば、君はそこに関して読むのを止める。」

 「勿論僕は何時も現場で男が何を言わなければならないのかを知りたいのです、」彼は用心深く返事をした。

 「それで、その後ヨークと一緒にそれを照合するの?」

 「はい。」多分彼は皮肉に気付いた、というのも彼は彼の持ち前の丁重さで付け足したから、「僕に要点を教える時間を、もし貴方が見付けて下さったら、僕は非常に素晴らしい恩恵とそれを受取ります。貴方は御存知です、ヨークは2年よりもっと前にここにいました。」

 僕はハーディングに対する彼の忠誠を好んだー喩え彼が何者であろうと。

27

2023年2月5日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 パイルは静かだった、時には僕は彼が何を言っているのか把握しようと前のめりになる程だったあの初めての日、彼は控えめに思えた。それに彼は極々真面目だった。何度も、彼は頭上のテラスでのアメリカ人の記者の大騒ぎに、内心身の縮む思いがしたー手りゅう弾からより安全だと広く信じられているテラス。ところが彼は誰も非難しなかった。

 「貴方はヨーク・ハーディングを読んだ事があります?」彼が尋ねた。

 「いや。いや、そう考えもしない。彼は何を書いたの?」

 彼は通りの向こう側のミルク・バーを凝視し、夢見心地で言った、「あれはソウダ水売店のように見えます。」

僕はあんな馴染みの薄い光景に観察してしまう何かの彼の異常な選択の背後に、どんなホウムシクの深みが横たわっているのか、僕は奇妙に思った。しかし僕のカティナトゥ街への最初の散歩で僕はゲハナン香水のある店に先ず気付き、結局、イウアラプは3時間足らずの距離にある、そう思う事で僕自身を慰めたのではなかったか?彼はミルク・バーから渋々目を外して言った、「ヨークはThe Advance of Red Chinaと名付けられた本を書きました。それは非常に意味深い本です。」

 「僕はそれを読んではいない。君は彼を知っているの?」

 彼は真面目に頷き、黙り込んだ。

26


2023年2月4日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 2

カンティネンタルの側の四角い広場にパイルが姿を現したその朝、僕はうんざりする程の僕のアメリカ人の記者仲間に会っていた、尊大で、騒々しい、少年のようで中年の、フランス人に対する饐(す)えた臭いのする機知に富む冗談の真っ盛り、この戦争を戦っているのは、誰か、何時全てが語られるのかと。周期的に交戦が整然と終えられ、死傷者がその現場から取り除かれた後、彼らはハノイに招集される、離れた所へほぼ4時間の飛行、最高指揮官によって声を掛けられ、バーテンダがインドウ―チャイナで最も上手いと彼らが自慢するプレス・カムプに一晩泊められ、3000フィートゥ(重機関銃の射程距離の限界)の高度で最近の戦地の上を飛ばされ、それから無事に騒々しく送り返される、学校の催しのように、サイゴンのカンチネンタルホテルまで。

25

2023年2月3日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

がそれでも僕は突然怒りと共に思った、ヴィゴと警察署での彼の目の翳りと誰も伴わない公使館の静かな廊下、そして僕の手の下の柔らかい毛のない皮膚、「僕はパイルをまともに心配した唯一の人物なのか?」

24

2023年2月2日木曜日

The Quiet American/Graham Greene  成田悦子訳

僕は僕のタイと僕の靴を脱いだ。幕間劇は終わった。夜はそれがあった時とほぼ同じになった。フォンはベドゥの端にしゃがみ、ラムプを点けた。我が子よ、我が女兄弟よー琥珀の色を剥げよ。その穏やかな故郷の半島。

 「フォン、」僕は言った。彼女は彼女の手に針を持ち、集中しようとしながら、眉を寄せながら子供のように僕を見上げた。「貴方が言った?」

 「パイルは死んだ。暗殺。」

 彼女は針を下に置き、僕を見ながら彼女の踵(かかと)の上に後退(ずさ)りして座った。そこにはどんな場面もなく、涙もなく、唯一思いだけがあったー人生の全方向転換を迫られる誰かの延々と続く一人だけの思いが。

 「貴女は今夜ここにいた方がいい、」僕は言った。

 彼女は頷き、針を持ち上げ、また阿片を熱し始めた。その夜、僕はそうした阿片の短く深い眠りの一つ、10分程の、から目覚めた、それは一晩の休息のように思えたが、僕の手を、それが何時も夜あった、彼女の脚の間に、見付けた。彼女は眠ってはいたが、僕には彼女の息がほとんど聞こえなかった。何ヶ月も後に今一度僕は一人きりではなかった。

23

2023年2月1日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

そうでなくてもパイルは非常に重要だった。彼の本当の職業の詳細を打電する事、それはしないで置いた。彼が死ぬ前、少なくとも50の死亡に責任があるという事、それは英国と米国間の関係を損ねかねず、公司は転覆されただろうから。公司はパイルに測り知れない敬意を持ちーパイルは相応しい学位を受け入れて来たーまあそれらの対象の一つ、アメリカ人達は学位を取られる。おそらく広報活動か芝居じみた手仕事で、おそらく極東でさえ研究する(彼は多くの本を読んで来た)。

 「パイルは何処なの?」フォンが尋ねた。「彼らは何を欲しがったの?」

 「家に帰ろう、」僕は言った。

 「パイルは来るかしら?」

 「彼は他の何処かと同じようにそこに現れそうだ。」

 老婦人がなおも踊り場で噂話をしていた、比較的冷ややかに。僕が僕のドアを開けた時、僕の部屋が調べられてしまったと打ち明けよう。あらゆる物が、僕が今までそれを放置しておいた以上に整然としていた。

 「一服いかがですか?」

 「うん。」

22

2023年1月31日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方がたは速く仕事をする。」

 「誰でもこの気候ではするしかありません。」

 彼らはトゥレイを奥へ押し、ドアを閉めた。ゴムが覆い被(かぶ)さった。

 「貴方は我々を全く助けられない?」ヴィゴが尋ねた。

 「全く役に立てません。」

 僕は僕のフラトゥへフォンと一緒に歩いて戻った。僕はもう僕の

品位の上にいなかった。死は虚飾を連れ去るー彼の痛みを見せてはいけない不貞な妻を持つ夫の虚栄心でさえ。彼女はまだそれが身辺に起こった事だと気付かず、僕は彼女にゆっくり話そうにも、まるで為す術を持ち合わせなかった。僕は通信員だった。僕は見出しに思いを馳せた。「サイゴンで忙殺された米国職員。」新聞紙上で働いていると、人は悪いニューズを駄目にする方法を学ばず、今でさえ僕は僕の新聞について考え、彼女に頼まずにはいられなかった、「海外電報局に立ち寄っても貴女はかまわない?」僕は通りに彼女を残して僕の電報を送り、彼女の所に戻った。それは単なる真似事に過ぎなかった。僕は、フランスの通信員は既に情報提供されているだろうという事を、十分過ぎる程知っていた。或いはもしヴィゴが公正に振舞っていたら(何れも可能だった)、その時検閲官達は僕の電報を、フランス人が彼らのものを受取るまで掴んで置くだろう。僕の新聞はパリス日付記入線の下に、先ずそのニューズを持って行くだろう。

21

2023年1月30日月曜日

The Quiet American/graham greene 成田悦子訳

 彼らは角氷のトゥレイのように彼を引っ張り出し、僕は彼を見た。外傷は途方もなく凍っていた。僕は言った、「貴方がたは知っている、それらは僕の面前で再び開く事はない。」

 「批評?」

 「それは対象の一つではないのですか?何か、或いは別の事による苦しい体験の?しかし貴方がたは彼をひどく凍らせてしまった。そういうものは中世には深く凍らせなかった。」

 「貴方は彼に見覚えがありますかますか?」

 「オウはい。」

 彼はこれまで以上に場違いに見えた。彼は故国に留まるべきだった。僕は家族のスナプショトゥ・アルバムで彼を見た、観光用牧場での乗馬、ロング・アイランドゥでの水泳、23階の或るアパートゥマントゥで彼の仲間達と撮ってあった。彼はあの摩天楼や高速エリヴェイタ、アイスクリームやドゥライ・マーティーニ、昼食のミルク、そして特急商船上のチキン・サンドゥウィチに属していた。

 「彼はこれで死んだのではありません、」ヴィゴは言った、胸の傷を指しながら。「彼は沼で溺死しました。私達は彼の肺の中に泥を見付けました。」

20

2023年1月29日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「もめ事があった、」僕は言った、「彼は巻き込まれた。」

 「分かり易く話すように、」ヴィゴは言った、「私は全く気の毒には思いません。彼はたくさんの危険を冒していました。」

 「神は常に我々を救います、」僕は言った、「潔白や美徳から。」

 「美徳?」

 「そう、美徳。彼の流儀で。貴方はロウマン:カサリクです。貴方は彼の流儀を認めようとしない。それにともかく、ひどいイアンキ(米国人)でした。」

 「彼を確認する事を貴方は気になさいますか?私はすまなく思います。それが所定の手順で、非常に素晴らしい手順ではなく。」

 何故彼が米国公使館からの誰かを待たないのか、僕は彼に尋ねる気はなかった、僕はその理由を知っていたから。フランス方式は、我々の冷めた規範によると幾分時代遅れである。彼らは良心、罪の意識を信じ、彼は行き詰まり自らに背きもするから、罪人は罪と向かい合うべきである。僕は今一度自らに言い聞かせた、僕は潔白だと。彼がそこに向かって石段を下りる間中、冷凍装置が地下室で呻っていた。

19

2023年1月28日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「何故貴方は彼を待っていたのですか?」

 「彼が僕に電話を掛けて来ました。彼は何か大切な物を僕に確認しなければと言いました。」

 「貴方は何か少しでも思い当たる事がありますか?」

 「いいえ。何事もパイルには重要でした。」

 「では彼のこの女の人は?ー貴方は何処に彼女がいたか知っていますか?」

 「彼女は、真夜中、外で彼を待っていました。彼女は心配していました。彼女は何も知りません。何故、貴方はまだ彼女が彼を待っていると見て分からないんですか?」

 「そうですね。」彼は言った。

 「それに僕が嫉妬のために彼を殺したと実際貴方は信じられないーならば彼女は何のために?彼は彼女と結婚するつもりでした。」

 「はい。」

 「貴方がたは彼を何処で見付けました?」

 「彼はダカウに向かう橋の下の水中にいました。」

 ヴュー・ムーランは端の傍らに位置していた。そこには橋の上に武装した警官がいて、レスタラントゥには手りゅう弾を締め出すために鉄格子があった。それで、夜、橋を渡っても安全だった、川の向こう側全てが暗くなってからは、ヴィエトウミンの手の内にあったから。僕は彼の死体の50ヤードゥ以内で食事をしてしまった。

19

2023年1月27日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 彼女は彼女の遣り方で彼を愛するしかなかったし、彼女は僕に好感を持っていたのではなかったのか、そして彼女はパイルのために僕を去ったのではなかったのか?彼女は若さや希望や真面目さに彼女自身愛着を持ち、今、それらは年齢や絶望よりもっと役に立たなくなってしまった。彼女はそこで僕達二人を見ながら座っていた、そこで彼女はまだ理解していないのだ、と、僕は思った。事実が自宅に着く前に、僕が彼女を連れ去る事が出来たらそのほうがいい事ではある。もし僕が急いで、どっちつかずに終わりに持って行けるのなら、どんな質問にも答える用意があり、だからそんな事は僕が彼女に後から話せばいい、そっと警官の目や堅い事務椅子や蛾が旋回する裸電球から離れて。

 僕はヴィゴに言った、「貴方は何時に興味があるんですか?」

 「6時と10時の間に」

 「僕は6時にカンティネンタルで飲みました。ウエイタ達が覚えているでしょう。6時45分に僕はアメリカの飛行機が荷降ろしされるのを見るために波止場に歩いて下りました。僕はAP通信社のウィルキンスをマジェスティクのドアの側で見ました。それから僕は隣のドアを映画館の中に入りました。彼らはおそらく覚えているでしょうー彼らは釣銭を渡そうとしました。そこから僕はヴュー・ムーランまで輪タクに乗りましたー僕はおよそ8時30分に着いたと僕は思いますーそして一人でディナをとりました。農民共済組合員がそこにいましたー貴方は彼に聞くことが出来ます。それから僕はおよそ10時まで15分前に輪タクに乗って引き返しました。貴方はその運転手をおそらく探せます。僕は10時にパイルを待っていましたが、彼は姿を見せなかった。」

18

2023年1月26日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

おそらくほんの10日前、彼はボストンの下院を渡り歩いて戻って来た、彼の腕は本でいっぱいで、彼は極東と中国の問題に関して予め目を通して置いた。彼は僕が何を言っても耳を貸す事さえなく、彼は既に民主主義のディレマと西洋の責務に没頭していた、彼は決然としていたー僕は極めて早くそれを知ったー善を為す事、単なる個人にではなく、寧ろ国家、大陸、世界に対して。まあ彼は、今、改善すべき全宇宙を抱え込んで彼のいるべき所にいた。

 「彼は遺体安置室の中ですか?僕はヴィゴに尋ねた。

 「彼が死んだとどうして貴方は知りました?」

それは間抜けな警官の質問、パスカルを読むに値しない男、彼の妻をあそこまで妙に愛するにしても又値しない男だった。貴方は直感なしでは愛せない。

 「罪もないのに、」僕は言った。僕はそれは事実だと僕自身に言い聞かせた。パイルは何時も彼自身の筋を通したのではなかったのか?僕は自らの中の何らかの感情を探った、警官の疑いから来る憤りまで。しかし僕は何一つ見い出せなかった。何者でもなく寧ろパイルが責任を負った。僕達は皆、死ぬ方がましではないのか?阿片が僕の内側で説得した。しかし僕は注意深くフォンを見た、それは彼女には耐え難かったから。

17

2023年1月25日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「あれは手りゅう弾?」彼は動揺と願望から尋ねた。

 「最もありそうなのは車の排気ガス、」僕は言った、すると突然彼の落胆が気の毒になった。人はその人自身の未熟さをひどく性急に忘れる、嘗て僕は、彼らがニュースと呼ぶにより相応しい期間の何らかの不満のために、僕は僕自身に興味を持った。それにしても手りゅう弾は僕に放尿した、それらは何か地方紙の後方の頁に一覧表にされていたーサイゴンで昨夜夥しい数の、ショロンで夥しい数の、それらがイウアラプの新聞を構成する事はなかった。通りに可愛らしい平たい人影が現れたー白い絹のズボン、ピンクの長いぴったり合った上着、そして藤色の模様が腿で裂けていた。僕は、郷愁と共に彼女達を観察した、僕がいずれこれらの地域を離れる時、感じるに決まっていると僕には分かっている。「彼女達は可愛いでしょ?」僕は僕のビアを飲みながら言った、するとパイルは、彼女達がカティナ街の方へ向かう時、彼女達に視線をちらっと投げ掛けた。

 「オウ、確かに、」彼は無関心気に言った、彼は真面目なタイプだった。「公司は、これらの手りゅう弾に非常に関心を寄せています。そりゃあ極めて厄介です、彼が言うには、例えばそこで事件があればー僕たちの一人を巻き込む、と僕は言っているのですが。」

 「僕たちの一人を巻き込む?そう、僕はそうなると深刻だと思っています。国会はそれを良しとはしないでしょう。」何故人は無邪気な子供をからかいたがるのか?

16

2023年1月24日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

阿片は機転の利く貴方を作るーおそらく単にそれが神経を和らげ感情を沈めるだけだから。何一つ、死さえさほど重要に思えない。フォンは、僕は思った、彼の語調を掴んでいなかった、鬱々として終わった事のような、それに彼女の英語は酷く下手だった。彼女が事務椅子のそこに座っている間、彼女は根気よくパイルをじっと待っていた。僕は、その瞬間、待つのを止めてしまった。そして僕は、ヴィゴがそれら二つの事実を受け入れつつあるのが自ずと分かって来た。

 「初め、どんな風に彼と出会ったのですか?」ヴィゴは僕に尋ねた。

 何故僕に会ったその人物がパイルだった、と僕は彼に説明すべきなのか?僕は去年の9月、カンティネンタルのバーへと四角い広場を横切って近付く彼を見掛けた、間違えようもなく若い、ダートゥのように僕に投げ付ける人慣れしない顔。彼のガング風の脚と彼のクルー・カトゥと彼の広いカムパス的凝視を持ち、彼は害悪を欠いているように見えた。路上のテイブルは、その殆どが満席だった。「ご迷惑でしょうか?」彼は正真正銘の礼儀正しさで尋ねて来た。「僕の名はパイルです。僕はここでは新米です、」そして彼は椅子を一周りして彼自身を折り畳み、ビアを注文した。その時、彼は強い正午の閃光を浴び、素早く上空を見た。

15

2023年1月23日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方は彼の友人のようだ。」ヴィゴは言った、僕を通り過ぎてフォンを見ながら。現地の警官が3カプのブラックカフィを持って入って来た。

 「それともお茶の方がよかったでしょうか?」ヴィゴは尋ねた。

 「爆はただの友人です、」僕は言った。「どうして、いけませんか?僕は一日家に帰ろうとしてはいけませんか?僕は彼女を僕と一緒に連れて行く事は出来ません。彼女は、彼と一緒だと申し分ないのですが。それが道理をわきまえた解決です。それに彼は彼女と結婚するつもりだ、と彼は言います。彼はそうしても構わない、貴方も御存知だ。彼は彼なりにいいやつです。真面目で。あの騒々しいカンティネンタルの無礼なやつらの一人ではない。静かなアメリカ人、」僕は彼を正確に要約した、僕は「青い蜥蜴(とかげ)」、「「白い像」と言ってもよかったが。

 ヴィゴは言った、「はい。」彼は僕が言ったのと同じくらい正確に彼の真意を伝えようとして、彼の机の上の言葉を探しているように見えた。彼は、僕たちの一人が話すのを待ちながら熱い事務所のそこに座っていた。一匹の蚊が攻撃するためにブンブン呻り、僕はフォンを見つめた。

14

2023年1月22日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

「私は貴方がたに2、3質問したいのですーパイルについて。」

 「貴方はその質問は彼にした方がよい。」

 彼はフォンの方を向き、フランス語で彼に鋭く尋問した。

「パイルさんとどのくらい暮らしました?」

 「ひと月ー私は分かりません、」彼女は言った。

 「彼は貴女に幾ら払っています?」

 「貴方には彼女にそれを聞く権利は全くない。」僕は言った。「彼女は売り物ではない。」

 「彼女は貴方と暮らした事もあったんじゃありませんか?」彼はぶっきらぼうに尋ねた。「2年間。」

 「僕は貴方がたの戦争を取材する事になっている記者ですー貴方が彼を許す限り。おまけに貴方のスカンダル・シートゥに寄稿するよう僕に頼まないで下さい。」

 「貴方はパイルについてどんな事を知っていますか?どうか質問に答えて下さい、ファウラさん。私はそれを尋ねたくありません。しかしこれは重大です。どうかそれが非常に重大だと僕を信じて下さい。」

 「僕は情報井提供者ではありません。パイルについて僕が貴女に話せる事なら何でも、貴方は御存知です。年齢32、経済援助私設団員、国籍アメリカ人。」

13

2023年1月21日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 それが、何故僕が公安でフランスの警官から煙草を拒んだかだった。三服目の後、僕は僕の気持ちが明瞭で敏感になったと思った。それで、主要な尋問を見落とす事もなく、簡単にこんな決定を下す

事が出来たー彼らは僕から何を欲しがるのか?僕はヴィーゴに何度か前にパーティで会ったー彼は、不釣り合いにも彼の妻と相思相愛の仲に見えたから、僕は彼に気付いた、彼を無視した、けばけばしく、上辺だけの金髪の女。今、時間は朝の2時で、緑色のサンバイダを着け、煙草の煙と酷い暑さの中に、疲れ、意気消沈して座り、彼は、暇潰しに彼の机の上にPascal一巻を開きっ放しにしておいた。僕抜きでフォンに尋問する事を、彼に許すのを僕が拒んだ時、彼は直ぐに譲歩した、溜息一つ吐いて、それはサイゴンに付きものの、熱さに付きものの、又あらゆる人間の具合に付きものの彼の疲労困憊を表していた。

 彼は英語で言った、僕が貴方に来るようにお願いする事にしました、僕は大変申し訳なく思っております。」

 「僕は懇願されたのではない。僕は命令されました。」

 「オウ、概して原住民の警官ー彼らは理解しない。」

彼の目はLes penséesの1頁上にあり、まるで彼がそうしたうんざりする議論に未だに夢中になるかのように。

12

2023年1月20日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 彼は、それらは彼の指揮権です、とただ繰り返した。

 「朝に僕が出掛けましょう。」

 「le chungについて、」彼は言った、少し、手際のいい、頑固な姿勢。そこに議論の余地はなく、だから僕は起きて、僕のタイと靴を身に着けた。ここで警官は最後の指示をした、彼は僕の通達の命令を取り消せた、彼らは記者会見から僕を締め出せた、彼らは、例えば彼らが選択すれば、僕に出国許可を拒めさえした、これらは開かれた合法の秩序だったが、法律遵守は戦時の国家において不可欠ではなかった。僕は、突然、訳も分からず、彼の料理人を失ってしまった一人の男を知っていたー彼は、ヴィェトゥナムの公安に彼を追ったが、そこの警官達は尋問後釈放したという事を彼に保証した。彼の家族は、再び彼を見る事はなかった。おそらく彼はカミュにストゥに加わったか、おそらく彼はサイゴン周辺で活躍する非公式の軍隊の一つに入隊したのだーホアハオとかカオダイストゥとかチェ軍司令官とか。おそらく彼はフランス刑務所にいた。おそらく彼は幸運にも中国郊外クーロンの少女達からお金を稼いでいた。おそらく彼らが尋問した時、彼の心が屈してしまった。僕は言った、「僕は歩く気はないよ。貴方がたは輪タクにお金を払う覚悟でしょ。」何者かは何者かの尊厳を保とうと覚悟した。

11

2023年1月19日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕がパイルだったらなあ。」僕は声に出して言った、それでも苦痛は限られていて、我慢出来たー阿片はそのために経験した。誰かがドアを叩いた。

 「パイル、」彼女は言った。

 「いや、それはの彼のノックじゃない。」

 誰かが又情け容赦なくノックした。黄色い木を、再びその花びらを僕のタイプライタの上にそれが浴びせるように揺さぶりながら、彼女は素早く起き上がった。ドアが開いた。「ファウレアさん、」声が指揮権を帯びていた。

 「僕がファウラです、」僕は言った、僕は警官のために起きようとはしなかったー僕の頭を持ち上げなくても、僕には彼のカキ色のショーツが見えた。

 彼はほとんど理解出来ないヴィェトゥナム訛りのフランス語で、僕が直ぐに必要とされている、と説明したー直ぐにー大急ぎでー公安に。

 「フランスの公安にそれともヴィェトナムの公安に?」

 「フランスの。」彼の口の中でその言葉は「フランクン。」のように響いた。

 「どんな事で?」

 彼には分からなかった。僕を連行する事、それが彼の指揮権だった。

 「あんたも、」彼はフォンに言った。

 「貴方が夫人に話す時は、貴女と言ってくれ、」僕は彼に話した。「彼女がここにいるとどうして貴方がたは知ったのですか?」

10

2023年1月18日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕は知りようがない。」

 「もし彼がお前と一緒に夕食を食べられなかったら、彼はここには来ないだろう、と彼は私に話したの。」

 「心配しないで。彼は来るよ。僕にもう一服パイプを作ってくれる?」彼女が炎の上に折れ曲がった時、ボドゥレイアの書いた詩が僕に浮かんだ。

 心ゆくまで愛そう

 愛しやがて死ぬ

 国はお前に似つかわしい

河岸に出て船に泊まった、「その気分は東方を流離う」もし僕が彼女の肌を嗅げば、それは阿片の気の遠くなりそうな香りがするだろうと僕は思い、彼女の色は小さな炎の色それだった。僕は北の運河の側の彼女のドゥレスの花を見た。彼女は草のように土着だった、そして僕は二度と故国に帰りたくなかった。

9

2023年1月17日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

オルメイ街のそこには一軒いい家があるんだ。僕達イウアラプ人は何でもない事に騒ぎ立てる。貴女は喫わない男と暮らすべきではない、フォン。」

 「でも彼は私と結婚しようとしようとしているの。」彼女は言った。

 「今直ぐにでも。」

 「当然だ、それは別の問題だ。」

 「私、もう一度貴方のパイプを作りましょうか?」

 「うん。」

 もしパイルが来なければ、その夜、彼女は僕と一緒に眠る眠る事を承諾するだろうか、僕は思い巡らした。しかし4服目を喫ってしまった時、僕はもう彼女を欲しがらないという事は、僕が知っていた。勿論ベドゥの中で僕の傍らの彼女の腿を感じる事は乗り気ではあったー彼女は何時も仰向けに寝た、そして僕が朝起きた時、僕は一服と共にその日をスタートゥ出来た、僕自身の仲間と一緒ではなく。「パイルは今はもう帰らないよ。」僕は言った。「ここに居なさい、フォン。」彼女は僕にパイプを差し出し、彼女の頭を振った。その時までに、僕は阿片を喫い込んでしまっていた、彼女の存在、或いは不在など殆ど問題外だった。

 「何故パイルはここにいないの?」

 「どうして僕に分かる?」

 「彼はチェ軍司令官に会いに行きましたか?」

8



2023年1月16日月曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕は僕のパイプが好きだった。真っ直ぐな竹2フィートゥ以上、どちらの端も象牙。丈の三分の二下は鉢で、昼顔のように逆向きになっていて、凸面の縁は阿片の常習的な練りによる光沢があリ、黒みがかっていた。今、手首の一振りと共に彼女は小さな空洞の中に針を突っ込み、阿片を放ち、炎の上に裏返した。僕に向けてしっかりとパイプを握りながら。僕が喫い込むと、阿片の数珠が静かに滑らかに泡立った。

 熟達した吸飲者は、一息でパイプ全体を引き下ろせる、しかし僕は何時も5、6服で喫う事にしていた。それから仰向けになった、皮の枕の上の僕の首と共に。その間に、彼女は2服目のパイプを用意した。

 僕は言った、「貴女は分かってる、実際、それで昼間と同じくらいすっきりする。パイルは僕がベドゥの前に2、3服喫うのを知っているが、彼は僕の邪魔をしたがらない。」

 「彼は朝には周囲にいるよ。」

 針を処分して、僕は2服目を喫った。僕がそれを下に置いた時、僕は言った、「何も心配する事はない、何も心配する事はない、全く。」僕はお茶を一口飲んで、僕の手を彼女の腕の窪みの中で保った。「貴女が僕を残して去った時、」僕は言った、「仰向けに倒れるために、僕にはこれがあった、それは幸運だった。

7

2023年1月15日日曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼はそのまま、フォン?」

 彼女は笑った、それから僕は彼女がマチを擦るのを聞いた。「恋愛中?」ーおそらくそれは彼女が理解しなかったフレイズの一つだった。

 「貴方のパイプを作りましょうか?」彼女は尋ねた。

 僕が僕の目を開けた時、彼女はラムプに火を点け、トゥレイが既に用意されていた。ラムプの灯かりは、僅かな阿片のペイストゥを熱しながら、彼女の針をくるくる回しながら、彼女が集中して眉を寄せるに伴い、炎の上に折れ曲がると、彼女の肌を暗い琥珀の色に変えた。

 「パイルは未だ喫わないの?」僕は彼女に尋ねた。

 「いえ。」

 「貴女は彼に作らなくちゃ、それとも彼は戻って来る気がないの?」喫った愛人は、フランスからでさえ、必ず戻って来るに決まっているというそれは、彼女達の盲信だった。男の性的能力は、喫う事によって傷付けられるかも知れない、それにしても彼女達は何時も性的能力のある愛人に対する忠誠を好む。今、彼女は鉢の中高の縁の上に熱いペイストゥの小さな玉を練っていた、そして僕はその阿片を嗅ぐことが出来た。そこら辺にそれに似た匂いは全くなかった。ベドゥの側の僕の目覚まし‐時計が12時-20分を知らせたが、既に僕の緊張は切れていた。パイルは落としてしまった。ラムプは、彼女が長いパイプを手入れすると彼女の顔を照らし、彼女は子供に向けたかも知れない真剣な注意を払って、その上に折れ曲がった。

6

2023年1月14日土曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼は長くはかからないでしょう、」彼女は、彼の不在に僕が慰めを必要とするかのように言った。

 彼女達は一緒にどんな話をするのか、と僕は不思議だった。パイルはとても真面目だったし、僕は極東に関する彼の講義を受けて来た、僕が数年抱え込んだのと同じ事を、何か月かの間に、彼は知ってしまった。民主主義は彼の別の主題だったー彼は断言し、アメリカ合衆国が世界のために何をしているかに関する、更に険悪化させる見解を持っていた。もう一方のフォンは、驚くほど無知で、 もしヒトゥラが会話の中に登場したら、彼女は彼が誰かを尋ねるために話の腰を折っただろう。彼女はドイツ人にもポウランドゥ人にも一度も会った事がなかったから、その説明は益々難しくなるだろうし、イウアラプの地理の非常に曖昧な知識だけは持っていた、しかしプリンセス・マーガレトゥについては確かに僕よりずっと彼女は知っていた。僕は、彼女がベドゥの端にトゥレイを置くのを耳にした。

 「彼は貴女にまだ夢中か、フォン?」

 貴方と一緒にベドゥへ安南人を誘う事は、小鳥を捕まえる事に似ている。彼女達は貴方の枕の上で震え歌う。そこには、僕がフォンのように歌う声をした者は彼女達の中に一人もいない、と思ったひと時があった。僕は僕の手を差し伸べて、彼女の腕に触れたーその骨もまた、鳥のもののように脆かった。

5

2023年1月13日金曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼女達は何について話しているの?」

 「私が家に帰ったと彼女達は思っているの。」

 僕の部屋の中の僕が中国の新年のために何週間も前に準備した木は、その黄色い花の大半を落としてしまった。それは僕のタイプライタのキーの間に落ちていた。僕はそれをすっかり拾った。「貴方は動揺してるのね、」フォンが言った。

 「そりゃあ、彼に似つかわしくないもの。彼は時間を守る人だ。」

 僕は僕のタイと僕の靴を脱ぎ、ベドゥで横になった。フォンはガスストウヴに火を点け、お茶の水を沸かし始めた。それが六か月前だったらなあ。「貴方はもうすぐ遠くへ行こうとしている、と彼が言うの。」彼女は言った。

 「おそらく。」

 「彼は貴方がとても好きよ。」

 「何一つなくても彼に感謝する。」

 僕は彼女が彼女の髪を違う風にしていたのを見た、それが彼女の肩の上に、黒く真っ直ぐに落ちるにまかせて。僕はパイルが一度役人の娘になったかと思った手の込んだ整髪を非難したことがあったのを思い出した。僕がその目を閉じる、すると彼女は、彼女が居るのが当然だった頃と再び同じだった。彼女は湯気のシューっという音、茶碗のチリンと鳴る音だった。彼女は確かな夜という時間、休息という契りだった。

4

2023年1月12日木曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

僕が隣の戸口で待つ女を見た時、僕は室内に入ろうとして向きを変えた。僕には彼女の顔は見えなかった、ただ、白い絹のズボンと長い花柄のロウブだけとはいえ、その全てで僕は彼女に気付いた。彼女はあんなにも度々、丁度この場所と時間に帰宅する僕を待っていたのだ。

 「フォン、」僕は言ったーそれはフィーニクスを意味するが、今日では伝説上のものと程遠く、その灰から甦るものは何一つない。彼女は、パイルも同じように待っています、と彼女が僕に打ち明ける機会を作る前に、僕は知っていた。「彼はここにはいない。」

 「私は知っています。窓際に貴方一人が見えました。」

 「貴女は良ければ二階で待つといい。」僕は言った。「彼は直ぐにやって来るよ。」

 「私はここで待つ方がいい。」

 「良くない。警官は貴女を捕まえるかも知れない。」

 彼女は二階へと僕に従った。僕は僕が作ってもかまわない幾つもの皮肉で不愉快な冗談を思い付いた。彼女の英語も彼女の仏語もどちらも、その皮肉を彼女なりに理解するには十分巧みとは言い難かった、それに、不思議な事に、僕には彼女を傷付けるどころか、僕自身を傷付ける事さえ全く眼中になかった。僕達が踊り場に着いた時、老婦人は皆、彼女達の頭の向きを変え、僕達が通り過ぎるとすぐに彼女たちの声は甦り、まるで彼女達が一斉に歌い出したかのようになった。

3

2023年1月11日水曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

 PART ONE


1


夕食の後、僕は、カティナトゥ街を見渡す僕の部屋で、パイルを座って待っていた。彼は言った、「僕は、遅くても10時までには貴方と合流するつもりです、」そして真夜中が打った時、僕はそれ以上じっとしていられなくて、通りに下りた。黒いズボンの大勢の老婦人が、踊り場にしゃがんでいた。時は二月、ベドゥの中では彼女達にしても暑過ぎるよなあ。一人の輪タク運転手が、河畔の方へゆっくりとペダルを踏んで行き過ぎ、彼らが新しい米機を陸揚げした所で、ラムプが燃えているのが僕には見えた。長い通りの何処にも、そこら辺にパイルの痕跡は、まるでなかった。

 成り行きからすると、僕は自らに話し掛けた、彼は何か訳があって、米公使館で手間取っているのかも知れない、それにしても確かにそういう場合、彼はレスタラントゥに電話を掛けるだろうー彼は、僅かな礼儀正しさでさえ極めて細心の注意を払った。

2

2023年1月10日火曜日

The Quiet American/Graham Greene 成田悦子訳

The Quiet American

Graham Greene

成田悦子訳


僕は感動されるのを好まない、というのは、その根ざすところは興奮であり、及ぶところは実に危うい事態である。僕は何処か作為的である事、或る、心や非論理的過程の背信に身震いし、僕達は僕達の恐るべき義務感を伴ってこうした事態に平伏する。 A.H.Clough


「今日は、身体を葬る事に向かい、魂を救う事に向かう新しい創作の特権的時代であり、挙(こぞ)って最適な意図を以(もっ)て伝えている。」 Byron

1


2022年10月7日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

僕は、ヘンリに呼び掛けた。「僕は、準備が出来たよ。」そして僕たちは、ポンテフラクトゥ・アームズへと公有地を越え、並んで歩いた。灯火が伸び、恋人たちは、道路が交差する所で待ち合わせ、草の生えたもう一方の側には、壊された階段のあるその家があり、彼の人は、この希望のない手足の不自由な暮らしを、僕に返した。

 「僕は、僕たちのこうした夕方の散歩の度に前向きになる、」ヘンリが言った。

 「そうだね。」

 僕は思った、朝の内に僕は、医者に電話を掛けて、宗教的治療が可能かどうかを、彼に尋ねよう。するとそこで僕は思った、ましではないが、誰も知らなければ、誰でも無数の治療を予想出来る・・・僕は、ヘンリの腕に僕の手を乗せ、それをそこにそのままにした。僕は、今こそ僕たち二人の為に、強くなる。彼は、未だ真剣に心配していなかった。

 「それは、必ず僕が前に目を向ける唯一の事だ、」ヘンリが言った。

 僕は、初めに、これは憎悪の記録になると書いた。夕方のグラスのビアの為に、ヘンリの側でそこを歩きながら、僕は、冬の気配を添えるように感じる一つの願い事を思い付いた。オウ神よ、十分にして下さった、十分僕を身包み剝がして頂きました。僕は、愛する事を学ぶには、疲れ果てて、年も取りました、ずうっと、僕を一人で放って置いて下さい。




2022年10月7日金20時27分、

「The End of the Affair」の翻訳が終わりました。

今日で終わりました。

次の翻訳は、2年がかりです。

もう決めました。

何をされても、どうなっても、その小説の翻訳をします。


私は、翻訳というものを変えています。

私が全てを変えようと思っています。


私は、誰より翻訳したものを読み、誰より影響を受けました。

それは、読んだ本の名前や数の事を言っているのではありません。

2022年10月6日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、紙の剥ぎ取り式ノウトゥを見た。それは、頭髪の切れ端以上に人格を持たなかった。貴女は、貴女の唇や指で髪に触れられ、そして僕は、心の死に直面し、参っている。僕は彼女の体を求めて暮らし、僕は彼女の体が欲しかった。それなのに、日記は、僕が持つ全てだった。だから食器戸棚の中に戻して、それを閉じ込めた。彼女が居なくても、それを葬り、もっと完全に僕の手元に残して置く事、それは、彼の人にとって更なる勝利にならなかったのでは?僕は、サラーに言った、これでいい、それで貴女の行く道を手に入れなさい。僕は、貴女が生きていて、彼の人は実在すると信じる。愛へと、この彼の人の憎悪を変えようとする貴女の願い以上に、それは奪ってしまう。彼は僕を身包み剥ぎ取り、あの王のように、僕の中の彼の人が欲しがるものを僕は彼の人を身包み剥がすでしょうと貴女は書いた。憎悪は、僕の脳の中にあり、僕の胃の中、或いは僕の皮膚にもない。それは、発疹や痛みのように除去されようがない。僕は、貴女を愛する程に、貴方を憎んだ?それに、僕は僕自身を憎みはしない?

292

2022年10月5日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は思った、貴女は、そこを間違った、サラー。少なくとも貴女の願いの一つは、叶えられなかった。貴女,貴女以外の者に、僕はどんな安らぎも覚えないし、僅かな愛情も抱かない。僕は彼女に言った、僕は憎しみの内にある男だ。しかし僕は、さほど憎悪の虜になっていないのに、僕は、他の人々をヒスティアリア状態だと言って憚らなかったが、僕の遣う言葉は、過剰だった。僕は、彼等の不誠実を見て取れた。僕が主として感じた何かは、不安より憎しみの方が負けていた。もしこの神が存在するなら、僕は考えた、そしてもし貴女でさえ―貴女の性欲や、貴女の姦通や、貴女が何時も口にする弱気な嘘で、このように変われるのなら、僕たちは、アナタが急いで行くように、急いで行けば、目を閉じれば、一度、皆の代わりに急いで行けば、皆死人になれるだろう。もし貴女が聖人なら、聖人になる事、それはそんなに難しくない。それは、彼が、僕たちの誰かを要求し、急いで行くことが出来る何かだ。しかし僕は急いで行きたくない。僕は、僕のベドゥに座って、神に言った、貴方は、彼女を奪ったが、貴方は、未だ僕を手に入れていない。僕は、貴方の狡猾さを知っている。高みへと僕たちを持ち上げ、僕たちに全世界を提供する、それは、貴方だ。貴方は、僕たちを急いで行くように誘っている悪魔、神だ。何れにせよ僕は、貴方の安らぎが欲しくない、僕は貴方の愛が欲しくない。僕は、何かしら実に単純で、実に安易なものが欲しかった。僕は、生きている限り、サラーが居なくてはならなかったのに、貴方は、彼女を何処かへ連れ去った。貴方の見事な計画で、収穫農機具が、鼠の巣を潰すように、僕たちの幸福を潰す。僕は、貴方を憎む、まるであなたが実在するかのように、僕は貴方を憎む、神よ。

291

2022年10月4日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

僕は、二階の僕の引き出しの中の日記を思い出し、僕は考えた、あれも始末しよう、あれは、彼らのいいように解釈されてしまうから。彼女を救う事、それは、自らの為に僕たちが一つづつ彼女の特徴を壊そうとするかのようだった。彼女の子供の頃の本も、危険だと分かっていた。そこには写真があった―一枚はヘンリが持って行った。報道機関は、それを持っていなければならない。モードゥは信用するに値するか?僕たちは二人は、一緒に暫定的な家を築き上げようとして来たのに、それも中断される事になる。

 「僕たちの酒飲みは、どうする?」ヘンリが言った。

 「僕は、もうちょっとで加わるよ。」

 僕は、僕の部屋に上り、その日記を取り出した。僕は、カヴァを裂いて剥がした。それは、丈夫だった。綿の裏張りは、繊維状になって外れていた。それは、翼を引き裂かれている一羽の鳥のようで、ベドゥの上のそこに、日記が横たわっていた。紙の剥ぎ取り式ノウトゥ、羽のない、傷付いた。最後の頁が上向きになっていたので、僕は、又それを読んだ、「貴方は、そこで消耗するように、私を導いていた、そうして、或る日、私たちは、この貴方の愛以外、何も残っていなくてもよくなってしまった。それにしても貴方は、私には立派過ぎます。辛くて、私が貴方に縋(すが)る時、貴方は、私に安らぎを下さった。それを彼にも授けて下さい。彼にこの安らぎを授けて下さい―彼は、もっとそれを必要としています。」

290

2022年10月3日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼は、何を欲しがったの?」

 「彼の顔が治った、それだけ、僕はその専門家の名前を僕に知らせるように頼んだ。僕には、友達がいて・・・」

 「電気療法?」

 「僕には、確信がない。 は、元はヒステリク状態だと、僕は、どこかで読んだ事がある。精神医学とラディウムの混合。」それは、もっともらしく聞こえた。多分、結局、それが真実だ。他の符合、同じナムバ プレイトゥの二台の車、そして僕は、飽き飽きした感じで思った、どれだけ多くの符合が、そこにあればいいというのか?葬式での彼女の母親、その子供の夢。これが、毎日毎日続くというのか?僕は、彼の強靭さを遥かに‐超えて、潮流が彼自身より優勢だと知っている泳ぎ手のような気がしたが、喩え僕が溺死しても、僕は、最後の瞬間までヘンリを支え続けるつもりだった。喩えこの事が論ぱくされなくても、喩えそれが新聞に載っても、何処でそれが終わるのか誰もそれを語れないのだから、結局、それは、友人の義務ではなかったのか?僕は、マンチェスタのバラを思い出した―あの詐欺は、それはどういう事かを承認されるのに長い時間がかかった。人々は、当時、酷くヒステリク状態だった。そこには、遺品‐漁り、祈りをする人々、行列があるのかも知れなかった。ヘンリが、知られていなくても、醜聞は凄まじい。おまけに、二人の生活の事を質問し、ドーヴィル近くの洗礼の奇妙な物語をほじくり返す新聞雑誌記者連中。宗教的報道機関のその低俗さ。僕には、見出しが想像出来ないし、見出しは更なる「奇跡」を産み出すだろう。僕たちは、しょっぱなに、この事を葬らなければならなかった。 

289

2022年10月2日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「どのようにして?僕は未だ知らない・・・」

 彼は陰謀の恐ろしい雰囲気で言った、「貴方と僕は道理が分かる。その周辺、そこはどうにもなっていません。それは、そこを陰気にしている僕の右ではありません。それは、・・・でした。」しかし、それは、「符合」に向かう二者択一だったというあの馬鹿げた新聞の言葉を使える前に、僕は、受話器を置いた。僕は、彼の握り締めた右手を覚えていたし、僕は、死者がそうして包み込まれ、彼らの衣服のように分けられてもいいのかという僕の怒りを覚えていた。僕は思った、彼は、非常に誇り高く、彼は、何時も或る種の啓示を授からずにはいられない。一、二週間の内に、彼は、それについて共有地で話し、彼の治った顔を見せようとするだろう。それは、新聞に登場するだろう。「合理主義者の演説家、奇跡的治癒によって転向した。」僕は、符合に、ありったけの僕の信条を結集しようとしたが、僕は考えた挙句、妬みを伴うそれは、僕には何の遺品もなかったから、彼女の髪の上に、夜に、横向きになっている潰れた頬だけだった。

 「それは誰なの?」ヘンリが尋ねた。僕は、彼に話すべきかどうか、瞬間、躊躇いはしたが、ふと、僕は思った、だめだ。僕は彼を信用していない。彼とクロムプトン神父は一緒になるだろう。

 「スマイズ、」僕は言った。

 「スマイズ?」

 「サラーがよく訪ねたあいつ。」

288

2022年10月1日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

僕は、彼の肩からふけの数粒を払った。「オウ、大丈夫、ヘンリ・・・」するとその時、僕たちが動こうとする前に、ベルが又鳴り始めた。

 「そんなの放って置こう、」僕は言った。

 「僕は、出た方がいい。貴方には分からない・・・」彼は彼の靴‐紐をぶら下げたまま起き上がり、彼の机の方へ向かった。「今日は、」彼は言った、「マイルズが話しています。」彼は、僕に受話器を渡して安心して言った、「それは貴方へだ。」

 「はい、」僕は言った、「ベンドゥリクスです。」

 「ベンドゥリクスさん、」男の声が言った、「貴方に電話を掛ける事にしようと思いました。僕は、今日の午後、貴方に真実を打ち明けなかった。」

 「貴方はどなた?」

 「スマイズ、」その声が言った。

 「僕は、分からない。」

 「僕は、私設療養所へ行ったと貴方に話しました。そこに僕は行っていません。」

 「実際、それは、僕に関係などある筈がない。」

 彼の声は、電話を通して僕に届いた。「もちろん、それは関係あります。貴方は、僕に耳を傾けようとしない。誰も僕の顔を取り扱っていません。それは。すっかり奇麗になりました、或る夜に、突然。」

287

2022年9月30日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「妙な一致、貴方が言えば何でもそうだ。」

 前に一度、ありったけの強さでヘンリの代役を務めた事があった、僕は、今、彼をへこませるつもりはなかった。「僕は、見知らぬもの同士の一致を知った。」僕は続けた。「去年中、ヘンリ、僕は、実にうんざりさせられる程、僕は車のナムバを集めた。それは、符合について貴方に教え導く。一万もの有り得る番号、そして神は、どれ程多くの組み合わせがあるか知っているのに、未だに僕は、繰り返し、交通障害で並んだ同じ型の二台の車に目が行く。」

 「そうだね。それはそんな風になってしまうものだと僕も思う。」

 「僕は、一致の内に、僕の自信を失くしてしまう事はない、ヘンリ。」

 電話は、二階で微かに鳴っていた。僕たちに今までそれが聞こえなかったのは、 スイチが書斎で消してあったから。

 「オウ大事な人、オウ大事な人、」ヘンリが言った。「もしそれが又、あの人だったら、僕は少しも驚かないのに。」

 「彼女に鳴らさせて置け。」すると僕が話すと同時に、ベルが止まった。「それで僕が卑劣だという事にはならない。」ヘンリが言った。「十年で百パウンドゥ以上、彼女が借りたとは思わない。」

 「外に出て、一杯やろう。」

 「もちろん。オウ、僕は、僕の靴を履いてなかった。」彼がその上に折れ曲がると、彼の頭の王冠に禿げた継ぎ当てが見えた。それは、彼の心配事が尽きなかったかのようだった―僕は、彼の心配事の一つだった。「僕は、貴方がいないと何をしたらいいのか、分からない、ベンドゥリクス。

286

2022年9月29日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「そう。彼女は10パウンドゥ欲しかった―彼女の何時もの作り話、一日街で、買い物をして、走りに走る、銀行は閉まった…ベンドゥリクス、僕は卑しい男ではないが、僕は、彼女が仕出かす遣り方に、随分いらいらさせられる。彼女は、年に二千も彼女のものとして懐に入れた。それは、僕が稼ぐのとほぼ同額だ。」

 「貴方は、それを彼女にあげたの?」

 「オウそう。誰でも決まってそうするが、困った事に、僕は説教をせずにはいられなかった。それが彼女を怒り狂わせた。何度、彼女がそんな事をして、何度、僕に返したか、僕は彼女に話した―それは、最初、簡単だった。彼女は、彼女の小切手綴りを取り出して、彼女は、僕に、そこやその時全部の代償に全部小切手に書くつもりだと言った。彼女は非常に腹を立てたので、僕は彼女はそうするつもりだと確信した。彼女は、彼女の最後の小切手を使ってしまったという事を、本当に忘れていた。彼女は僕に恥をかかせようとしたのに、彼女は、只、自ずと恥をかく事に成功しただけだった、可哀そうな女。当然、それが、事を悪化させた。

 「彼女は、どうしたの?」

 「サラーに相応しい葬式をしてやらなかった事で、彼女は僕を責めた。彼女はおかしな話を僕にした・・・」

 「僕は、それなら知っている。彼女は、二杯のポートゥの後、僕にそれを打ち明けた。」

 「彼女が、嘘を吐いていると貴方は思う?」

 「いや。」

 「それは、有り得ない一致でしょ?二歳で洗礼を施され、そしてあの時、貴方が覚えてもいられない事に、後戻りし始める事・・・それじゃあ、まるで伝染病のようだ。」

285

2022年9月28日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼は彼の街用と彼の田舎用靴を持ち、共有地は、彼の見る限り田舎だった。彼は、彼の紐の上に折れ曲がった。そこには彼が解けない結び目があって―彼は、何をしても彼の指使いが下手だった。彼は、奮闘する事に疲れ果て、靴をもぎ取った。僕はそれをつまみ上げ、彼の為に結び目を解いた。

 「貴方には感謝する、ベンドゥリクス。」おそらくそれ程些細ではあっても、仲間付き合いの一つの振る舞いは、彼に信用を与えた。「あまり嬉しくない事が、今日役所であったんだ。」彼は言った。

 「僕に話すと言い。」

 「バトゥラムさんが、電話をして来た。貴方は、バトゥラムさんを知ってると、僕は思わない。」

 「オウ、そう。僕は、他日、彼女に会った。」妙な言葉―他日、その一日以外、全ての日は、同じだったかのようで。

 「僕たちは、そんなに上手く一緒にやって行った事がない。」

 「そういう風に彼女は言っていた。」

 「サラーは、それを何時も非常にうまくこなした。彼女はあの人を遠ざけていた。」

 「彼女は、お金を借りに来たの?」

284


2022年9月27日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼らは、それによって無条件で、陰謀の外側に留まる。しかし僕たちは、四方を押されてしまう。僕たちは、不在の執拗さを持つ。僕たちは、脱出出来ずに陰謀に縛られ、物憂げに神は僕たちに強いる、こちらでもあちらでも、彼の意図に従って、詩情もなく、自由意志もない人物、彼の重要性だけが、その何処かに、何らかの折にあり、僕たちが、多分彼らの自由意思にとって好機を手にした死者を提供しながら、その中で、生きている人物が動き、話すシーンを入れ込むのに役立つ。

 僕は、ドアが閉まり、ホールの中のヘンリの足音が聞こえた時、嬉しかった。止める事、それが謝罪だった。その人物は、今尚、朝まで無気力のままでもいい。その時は、ついにポンテフラクトゥ・アームズへ向かう時間だった。僕は、彼が上に呼び掛けるのを待った。(既に一か月の内に、何年も一緒に暮らして来た二人の独身者と同じように、僕たちの成り行き任せだった。)しかし彼は声を掛けず、僕は、彼が彼の書斎の中に入るのを耳にした。少しして、僕は、彼の後を

追った。僕は僕の酒を飲み損うところだった。

 僕が、最初、彼と一緒に戻って来た時、僕は、その時の事が思われた。彼は、そこに、緑色の円盤投擲の側に座っていた。

しかし、今、彼を見守りながら、僕は、羨望も喜びもどちらも感じなかった。

 「飲むか、ヘンリ?」

 「そう、そう。もちろん。僕は、只、僕の靴をかえようとしただけだ。」

283

2022年9月26日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「心霊治療?」

 「僕には信仰はありません。僕は、医者に行ったことがありません。」

 「それじゃ何?蕁麻疹?」

 彼は、その話題を終えようとして漠然と言った。「近代的方法。電気。」

 僕は帰宅して、再び、僕は僕の本に身を入れようとした。何時も、僕は書き始めると、そこにしつこく息づかない一つの人物がいるのに気付く。彼に関して心理的誤りは、そこには何もないのに、彼は身動きが取れず、彼は周りに押されてしまう、言葉が彼に向かって探り当てられようとする、僕が勤勉な歳月を通して得た、あらゆる技術的スキルは、彼を僕の読者に息づいて見えるように組み立てる事に使われて欲しい。時に、僕は、物語の中で最も‐引き摺られた人物として彼を批評家が褒めると、僕は腐った満足を得る。喩え彼が引き摺られなかったとしても、彼には確かに引き摺り込まれた。彼は、重く僕の心に横たわる、僕が仕事をし出すと必ず胃の上の殆ど消化されない食事のように、彼が登場するどんなシーンにも、創造の喜びから僕を遠ざけるばかりで。

 彼は、期待されなかった事はせず、彼は僕を驚かせもせず、彼は手数料も取らない。他の人物皆が助ける、彼は只々邪魔をする。

 それでも尚、誰も彼なしで振舞えない。僕は、僕たちの何人かについては、その道筋そのものに神の思いを想像出来る。死者は、人はきっと思う、ある認識の中に自らを創造する。彼らは息を吹き返す。彼らは、驚くほどの演技、或いは言語能力を持つ。

282

2022年9月25日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「それで貴方は家庭‐指導は未だしているんですか?」僕はからかった。

 「いいえ。僕はそれも止めました。」

 「貴方の見解は変わらなかった、と僕は願う?」

 彼は憂鬱そうに言った、「僕は、何を信じていいか分かりません。」

 「何にもない。きっと、それが核心だった。」

 「そうでした。」彼は、群衆の外の方へ少し動き始め、僕は、自ずと彼の悪い方に目が行った。僕は、もう少し彼をからかおうとせずにはいられなかった。「貴方は、歯痛になったの?」僕は尋ねた。

 「いいえ、どうして?」

 「それは、そんな風に見えたから。そのハンカチーフで。」

 彼は答えずに、ハンカチーフを取った。そこには隠す醜さは全くなかった。一つの小さいシミ以外、彼の肌は、実に新鮮で若々しかった。

 「彼は言った、「僕は、僕が知る人に会う時、説明するのに飽きてしまいました。」

 「貴方が、除去法を見付けたの?」

 「はい。僕は何処かにいたと貴方に話しました。」

 「施設療養所へ?」

 「はい。」

 「手術を?」

 「正確ではありません。」彼は嬉しくなさそうに付け加えた、「それは、手を触れて行われました。」

281

2022年9月24日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅷ

僕の本は上手く行っていなかった(書くという行為は、何と時間の浪費に思える事か、しかし他にどう使い果たされよう?)演説者の話を聞く為に共有地を横切って歩いた。そこに僕が覚えている一人の男がいて、彼は戦前の日々、僕を何時も楽しませてくれた。僕は、彼の投球場所に無事戻り、彼を見て嬉しかった。彼は、政治的、宗教的演説者のように、伝えたいメシジをまるで持っていなかった。彼は  で、彼は只物語を伝え、詩の一片を暗唱した。彼は、詩の何かの断片をと頼んで、彼に間違いを指摘する、彼の聴衆に挑もうとした。「The Ancient Mariner」誰かが叫ぶ、と直ぐに、大層な強勢で、彼は僕たちに4行詩を披露するのだ。一人のお調子者が言った、「Shakespear’s Thirty-Second Sonnet」すると彼が無作為に四行を暗唱し、お調子者が異議を唱えると、彼は言った、「貴方は、酷い版を手に入れたんだね」僕は、僕の同僚のリスナをぐるっと確認してから、スマイズを見た。おそらく彼は先に僕を見付けた、というのも、彼は、彼の顔のハンサムな方、サラーがキスをしなかった方を、僕に向けたから、しかし喩えそうでも、彼は僕の目を避けた。

 何故僕は、サラーが知っていた誰彼に、何時も話し掛けたがるのか?僕は、彼の方へと僕の意志を押し通して言った、「こんにちわ、スマイズ。」彼は、彼の顔の醜い方にハンカチーフを乗せたまま、僕の方を向いた。「オウ、ベンドゥリクスさん。」彼は言った。

 「僕は、葬式以来、貴方を見かけませんでした。」

 「僕は、離れていました。」

 「貴方は、もうここで話していないのですか?」

 「いいえ。」彼は躊躇い、嬉しくなさそうに付け足した、「僕は、公開演説を止めました。」

280

2022年9月23日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 その夜、朝の二時にすっかり目が覚めた。僕は食料貯蔵室へ降り、何枚かのビスキトゥと一杯の水を、自分で取って来た。僕は、ヘンリの前で、サラーの事をあんな風に話してしまって申し訳なく思っていた。牧師は、或る死者がしなかったということ、そこには僕たちが出来る事は何もないと言った。それは、殺人や姦通、目を見張る程の罪の真実かも知れないが、一人の死者はずっと妬みと卑劣という有罪のままでいいのか?僕の憎悪は、僕の愛情同様、箸にも棒にもかからなかった。僕は静かにドアを開け、ヘンリを覗き見た。彼は、明かりを点け、彼の目を彼の腕が隠したまま、ぐっすり眠っていた。隠された目と共に、そこには、全身について匿名の、人がいた。彼は男そのものだった―僕たちの内の一人。彼は、男が戦場で出くわす初めての敵の兵士のようで、死んで、見分けがつかない、白でも赤でもなく、しかし彼自身のように人間そのもの。僕は、彼が目が覚めたらと、彼のベドゥの側に2枚のビスキトゥを置き、明かりを消した。

279

2022年9月22日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕の片机の引き出しから、僕は貴女の日記を取りそれをでたらめに捲りながら、去年の一月の日付に沿って僕は読んだ。「オウ神よ、私は貴方を実際嫌える、それにどんな意味があるのか?」そして僕は思った、サラーを憎む事は、ひたすらサラーを愛す事、自らを嫌う事は、ひたすら自らを愛す事^―モーリス・ベンドゥリクス、The Ambitious Host,The Crowned Image,The Grave Water-frontの著者。ベンドゥリクス乱筆家―サラーでなくとも―もし貴方が実在すれば、貴方以外、僕たちの憎悪に価値を見出す事はない。そこで僕は考えた、時に僕はモーリスを憎んだが、喩え僕が彼をも愛さなかったところで、僕は彼を憎むに至るだろうか?オウ神よ、喩え、僕が貴方を、心底憎めたにしても・・・

 どのように彼女は信じなかった神に祈ったか、僕は覚えていた、と今、僕はサラーに話し掛ける、僕は信じなかったのに。僕は言った、生きる事に僕を連れ戻そうとして、一度は僕たち二人揃って、貴方は犠牲にした。貴女なしで、これが、どんな人生足り得るか?神を愛する事、それは貴女にとっては全て実に好都合だ。貴女は、彼を我がものにしている。僕は生きる事に喘いでいる、僕は健全である事に気が塞ぐ。もし僕が神を慈しみ始めると、僕はまさに死ねもしない。僕は、その事で何かをしようとした。僕は僕の手で貴女に触れずにはいられない、僕は僕の舌で貴女を味わわずにいられなかった。誰も愛せないし、何一つ出来ない。夢の中で貴女が一度したように気にしないでと貴女が僕に話し掛ける事、それも何の役にも立たない。もし僕が永遠にそのように愛したら、それで、何もかも終焉に至るだろう。貴女を愛してさえいれば、僕は何も食べなくても良かった、他のどんな女にも萎えてゆく欲望を感じた。ともかく彼を慈しんだところで、そこは遠くて、何事の中にも、まるで彼と共にある事の喜びは見出せない。僕は僕の仕事でさえ捨てたくて、僕はベンドゥリクスである事を止めたい。サラー、僕はどうしようもない。

278

2022年9月21日水曜日

The End of the affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、僕からあの娘を救うように貴女に頼み、貴女は貴女の母親を僕たちの間に押し付けた―或いはそう彼らが言ってもいい。しかし、もし僕が信じ始めれば、その時貴女の神を僕は信じるようとするに決まっている。僕は貴女の神を愛そうとする。僕は、いっそ貴女と寝た男たちを愛す方がましだ。

 僕は理性的になる事にした、僕は二階に行くよう自分に言い聞かせた。サラーは、死んでいないまま、もう長い時が過ぎた。誰も、この激しさで死者を愛し続けない、唯一生者だけは。彼女は生きていない、彼女が生きている筈がない。彼女が生きていると想い込んではいけない。僕は、僕のベドゥに横になり、僕の目を閉じて、僕は理性的になるよう努めた。僕が時になるように、もし僕が彼女を、そんなに身を余す程嫌えば、どうして彼女を愛せる?人は、心底憎み愛せるか?又、僕が心底憎むのは、それは、僕自身だけだ。僕がそれらのありふれた取るに足りぬ技術書いた本に、僕は嫌気がさす。僕の中の職人気質は、原稿の為には随分貪欲で、彼女が僕に与えられる情報が欲しくて、僕が愛さなかった女を引き籠らせようと調整した。心ゆくまで楽しんだところで、それにしても、心が何を思うかを表現するには、不十分であるこの体を、僕は疎んじた。そして僕は、僕の信頼しようとしない心が疎ましい。それは、ドアベルに粉を振ったり、神屑籠を荒らしたり、貴女の秘密を盗んだりしたパ―キスを腕時計にセットした。

277

2022年9月20日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕に貴方を求めよ、神父?神父、僕は無作法でありたいとは思わないが、僕は、サラーがいなくても僕だ,サラーがいなくても。」

 ヘンリは、困り果てて言った、「僕は申し分けなく思います、神父。」

 「貴方がそうである必要はない。どんな時に男が苦痛の中に納まるか私は知っています。」

 僕は、彼の自己満足の堅い皮膚を貫けなかった。僕は、僕の椅子を後ろに押して言った、「貴方は間違っている、神父。これは苦痛のように何か微妙なものではない。僕は、苦痛の中にいるのではない。僕は、憎しみの中にいる。僕はサラーを憎む、彼女は小さいタートゥだったから、僕はヘンリを憎む、彼女は、彼にくっついて離れないから、そして僕は、貴方と貴方の想像上の神を憎む、貴方は、僕たち皆から彼女を何処かへ連れ去ったから。」

 「貴方は、善良な憎みたがり屋です、」クロムプトンが言った。

 涙が、僕の目で行き場を失くした、彼等の何れかを傷付けるにしても、僕は力を頼りにする気はなかったから。「その貴方の饒舌さを持ったまま地獄へ。」僕は言った。

 僕は、ドアを僕の背でバタンと閉め、二人揃って彼らを閉じ込めた。ヘンリへの彼の高徳な博識を、彼に撒き散らせるといい、僕は思った、僕は一人だ。僕は一人になりたい。喩え貴女を僕が自分のものに出来ても、僕はあくまで一人になろうとする。オウ、次の男と同程度の信頼の能力が、僕にはある。僕は、延々と、ひたすら僕の心の眼差しを締め出すしかないのだ、そして僕は、貴女が、夜、安らぎを運ぶ貴方の感触と共に、パ―キスの少年の所へ出かけたという事を僕は信じられるのに。

276

2022年9月19日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼女は、彼女がなかった何かである振りはしなかった。」

 「僕は、彼女の唯一の愛人ではなかった―」

 「彼を一人にさせなさい、」クロムプトン神父は言った。「かわいそうな男に譫言(うわごと)を言わせて置きなさい。」

 「貴方の専門的な哀れみを僕によこすな、神父。それを貴方の罪を悔いている人の為に、取って置きなさい。」

 「貴方は、僕が誰を哀れもうと、僕に押し付ける事は出来ない、ベンドゥリクスさん。」

 「どんな男でも彼女を所有出来た。」僕は、僕が何を言おうと信じようとしたのは、その時、そこに間違えるか後悔する事は何一つないに決まっていた。彼女が何処にいても、僕は、もう彼女に縛られようとは思わなかった。僕は自由になるんだ。

 「そして貴方は、懺悔に関して、何を以てしても私を説き伏せられないベンドゥリクスさん。私は、告白の25年と共にあった。そこには、私たちが、私たちの前でしなかった死者の内の何人かに、私たちが出来る事は何一つありません。」

 「失敗以外、僕は懺悔すべき事に囚われる事はなかった。貴方を待つの人々の処へ戻りなさい、神父、貴方の血みどろの小さな箱と貴方のロザリオに戻りなさい。」

 「貴方が私をと望むなら、如何なる時もそこで、貴方は私に気付くでしょう。」

275

2022年9月18日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「聖オーガスティンは、時は何処から来たかと尋ねました。彼は、それは未だ存在しなかった未来から現れ、全く継続性を持たない現在の中へ、やがて存在を終えた過去の中で消えたと言いました。私たちは、子供より時を多少よく理解出来るという事を、私は知りません。」

 「僕には意味が分からなかった・・・」

 「オウそうですね、」と彼は言い、立ち上がりながら、「貴方は、まともにこの事に囚われてはいけません、マイルズさん。それでは、貴方の奥様がどんなに善良な方だったかを、見せびらかす事にしかなりません。」

 「それは、僕には何の救いにもならないんですね?彼女は、実在する事を終えた過去の一部です。」

 「その手紙を書いた男は、彼の中に多くの意図を持っていました。それらの為にと同じように、死者に祈る事の中に、そこには全く害はありません。」彼は、彼の言葉を繰り返した。「彼女は善良な女性でした。」

 全く突然、僕は僕の自制をなくした。彼の自己満足に主に悩まされた、と僕は信じている。知性などまるでないという感じは、これまで彼を困らせた筈だった。彼は数時間か、数日の間に知ったのは、僕たちが、何年もの間分かっていた誰かの親密な精通の掌握だけだった。僕は言った、彼女には、その種の事は何もなかった。」

 「ベンドゥリクス、」ヘンリは抜け目なく言った。

 「彼女はどんな男にでもまばたきをする人で、」僕は言った、「牧師にでも。彼女は、彼女の夫を騙したように、彼女は貴方を騙しただけです、神父。それに僕を。彼女は類稀な嘘吐きだった。」

274

2022年9月17日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「本、」僕は言った。「貴方がパ―キスにそれを上げる前に、そこにサラーが何を書いたか読んだの?」

 「いや、どうして?」

 「偶然の一致、それが全て。偶像崇拝である事へのクロムプトン神父の説得に加担する、それは貴方には必要ないように思う。」僕は、ヘンリに手紙を与えた。彼はそれを読み、それから、クロムプトン神父にそれを手渡した。

 「私は、それは好きではありません。」とヘンリは言った。「サラーは死にました。僕は、彼女が噂を立てられるのを見聞きするのは嫌です・・・」

 「僕は、貴方が何を言いたいのか分かる。僕もそう思う。」

 「それは、見も知らぬ人々に彼女の事を、あれこれ言われるのを聞いているようだ。」

 「彼らは、彼女の事を何も悪く言おうとしてはいません。」クロムプトン神父が言った。彼は手紙を下に置いた。「もう私は行かなければなりません。」しかし彼は、テイブルの上の手紙を見るばかりで、動こうとしなかった。彼は尋ねた、「それで碑文?」

 僕は、彼の方へ本を横切って押した。「オウ、それは、何年も前に書かれた。彼女は子供皆と同じで、このような事を彼女の本の多くに書きました。」

 「時は、不思議なものです、」クロムプトン神父は言った。

「もちろん、子供というものは、それが過去にすっかり為された事と理解しようもないのです。」

273

2022年9月16日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 今、もし成長した男がそういう事をする事が出来れば、ベンドゥリクスさん、貴方には私の幼気な子供が想像している事が理解出来ます。今朝、私が目覚めますと、彼の体温が99度で、彼は少しの痛みもなく、医者が来ると。そこには残された僅かな虚弱さもなかったものですから、私たちは、暫く待つ方がいいと彼は言いましたが、子供は一日中全く正常でした。只、来て痛みを拭い去ってしまったのは、それは、マイルズ婦人でした―胃の右側を、彼に触れながら、もし貴方が無作法を許して下されば―そして彼女は、彼の為に本に書き込んだ、と医者に打ち明けました。しかし医者は、彼は、この上なく安静を保たれなければいけない、本は彼を興奮させると言いますから、こんな状況の下では、私は家の中に本がない方が寧ろいいのです・・・」

 僕がその手紙を上に向けると、そこに追伸があった。「本の中のあちこちに何か書いてありますが、マイルズ婦人が少女だった頃で、それは何年も前だったという事は、誰でも見ると分かります、只、私はその事を、痛みが戻って来るかも知れないと不安に思うが故に、私の幼気な子供に説明出来ません。敬意を込めて、A.P。」私は見返しの方を向けて、そこに 他の本の中で以前見たのとちょうど同じ消せない鉛筆の形にならなかった走り書きがあり、その中に、子供だったサラー・バトゥラムが、彼女の座右の銘を書いていた。

 「私が病気になった時、私の母は、私にラングによるこの本を私に与え      ました。

 もし誰か丈夫な人がそんなものを盗めば、彼は、凄絶な轟音を喰らうで         しょう。

 けれども、もし貴方が病気で床に伏せているのなら、その代わりに

 貴方は、それを読む為に、手に取ることが出来ます。」

 僕は、食堂の中に僕と一緒にそれを戻した。「それは何だったの?」ヘンリが尋ねた。

272

2022年9月15日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 彼女は、一度、彼に話し掛けただけでしたが、どういう分けか、彼の母親は彼女に似ていたという考えを持ってしまった、と僕は思います。只、彼女も、彼女の途上にあって、十分誠実な婦人ではなかったのに、私は私の人生の日々を見失っています。それで、彼の体温が、彼のような少年にしては高い、103だった時、通りで彼がした、ちょうどその通りに、マイルズ婦人に話し始めましたが、彼の年齢でさえ専門家としてのプライドゥを持ちながら、もちろん彼はしたくないのに、彼女を見張っていた、と彼女に打ち明けました。その内、彼は、彼女が何処かへ行ってしまって泣き出し、それから彼は眠ったにもかかわらず、彼が起きた時には、彼の体温は、まだ102のままでした。彼は、彼女が夢の中で彼に約束したプレズントゥを頼みました。そう、それが、何故私がマイルズ氏を悩ませ、彼を騙したのかであり、幼気な私の子供だけで、そこに専門家としての理由がない事が、私は恥ずかしい。

 私が本を貰って、それを彼に与えると、彼は少し穏やかになりました。しかし、もうこれ以上危険を選ぶ事はなく、彼は、水曜日には病院に行く予定で、もしそこで空いたベドゥがあったら、彼は、その夜、彼を送るつもりだ、と医者が言いましたから、私は心配でした。私の可哀そうな妻と私の幼気な子供だからこそ私は気懸かりで、それにメスが怖くて眠れなかったのは、貴方が見ての通りです。私は、随分一生懸命祈ったと貴方に打ち明けても、気にはなりません、ベンドゥリクスさん。私は神に祈り、もし天国のそこに誰かがいれば、今彼女は天国にいるのだから、彼女が出来る事をして欲しい、と私の妻に祈り、私は、マイルズ婦人に、もし彼女がそこにいたら、彼女も又出来る事なら何でもして欲しい、と頼みました。

271

2022年9月14日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「親愛なるベンドゥリクス氏、私は貴方に書いています、嘆かわしい団体とはいえ、私共の終わり故に貴方の同情を確信しているマイルズ氏ではなく、想像力のある、未知の出来事に慣れた文学の紳士貴方に。貴方は、私の所の若い者が、最近、彼の胃の酷い痛みは悪化する一方で、アイス・クリームの所為ではない事を御存知です。私は、虫垂炎を心配しています。医者は、手術を申し渡し、それには殆ど危険性はあり得ないとはいえ、私の幼気(いたいけ)な子供にメスとは、どれだけ恐ろしい事か、彼の母親は、不注意によりその最中に死んだ事を私は確信しています。この上、もしも同じ事で私の子供を失う嵌(は)めになったら、私はどうすればいいでしょう?私は全く一人になってしまいます。つまらぬ事はひらに許して下さい、ベンドゥリクスさん、しかし私の職業では、私たちは順番に物事を片付けるよう訓練され、重要な事を真っ先に説明します、だから裁判官は、事実を分かり易く提供しなかったと不平を言えない。それで私は、月曜日に医者に言いました、私たちが確信するまで待ちましょうと。只、マイルズ婦人の家の外で、待ちかまえ、見張っていた、そういう事をした、これは風邪だと時々僕は思います、一人放って置かれても致し方ない底なしの寛大さを持つ女性だったと僕が言っても、貴方は私を許すでしょう、貴方は、私の仕事の中身をほじくり返し、選別するけれども、メイドゥン・レインでのあの最初の日から今まで。私が見張っていた、それが、誰か他の女性だったらいいのにと願いました。ともかく、僕の所の若い者は、どんな風にその可哀そうな女の人が死んで行ったのか、彼が聞いた時、恐ろしく取り乱しました。

270

2022年9月13日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「彼が本を返そうとしてるんじゃないかと僕は思う。」

 「こんな時間に?その上、それには僕の宛先が書いてある。」

 「そうだね、それで、それは何なの?」僕は小包を開けたくなかった。僕たちは、僕たち二人共が、忘れようとする痛みを伴った過程の最中(さなか)にあったのではないか?サヴィジ氏の取次店への僕の訪問で、僕は十分罰せられて来たのではないかと僕は思った。僕は、「私は、もう席を外しましょう、マイルズさん。」と言うクロムプトン神父の声を、僕は聞いた。

 「それはまだ早い。」

 僕は思った、僕が部屋の外に留まれば、僕は、ヘンリの客への礼儀に適わなくてもいい、彼はもう間もなく帰るかも知れない。僕は包みを開けた。

 ヘンリが正しかった。それは、アンドゥルー・ラングの童話集の一冊だった。しかし、頁の間に一枚の折り畳んだメモ用紙が突っ込んであった。それは、パ―キスからの手紙だった。

 「親愛なるベンドゥリクス氏、」僕は読んだ、又、それは感謝の主旨だと思いながら、僕の目は、最後の文章に我慢出来ずに引き付けられた。「つまりこの状況の下で、僕は、いっそ家に本がない方がいいし、貴方の立場上、そこには本当に恩知らずはいない、と貴方がマイルズ氏に説明して下さることを望んでいます、アルフレドゥ・パ―キス。」

 僕は、ホールに座り込んだ、僕はヘンリが話すのを聞いた、「僕は、僕の心を閉ざしてしまったと考えないで下さい。クロムプトン神父・・・」そうして僕は、パ―キスの手紙を初めから読むことにした。

269

2022年9月12日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 一瞬、それが僕たちの家政婦だと僕は思った、「 貴方は、ベンドゥリクスさんですか、サー?」と彼女が言うまで。

 「はい。」

 「私は、これを貴方に差し上げなければなりません、」すると彼女は、そこに何か爆発物でも入っているかのように、僕の手に素早く包みを押し込んだ。

 「それは、誰からですか?」

 「パ―キスさん、サー。」

 「僕は、当惑してそれを裏返した。彼が僕に手渡そうとするには、今はもう遅過ぎる何らかの証拠を、誤って取って置いた、そういう事が僕の身にまで振り掛かった。僕は、パ―キスさんを忘れたかった。

 「良ければ受領書を私に戴けますか、サー?私は、包みを貴方自身の手に入れ込まなければなりませんでした。」

 「僕は、鉛筆を持っていない―それに紙も。僕は本当に悩まされる覚えがない。

 「パ―キスさんは、記録をどうしているか、貴方は知ってらっしゃる、サー。私は、私のバグに鉛筆を入れています。」

 使用済みの便箋の背に、僕は、彼女の為に受領書を書いた。彼女は、それを用心してしまい込み、その次に可能な限り遠くへ、彼女に出来る限り速く手に入れたかったかのように入口の方へ慌てて走った。

僕は、僕の手の中の物の重さを測りながらホールに佇んだ。ヘンリが、食堂から僕に呼び掛けた。「それは何、ベンドゥリクス?」

 「パ―キスからの小包、」僕は言った。その文句は、早口言葉のように響いた。

268

2022年9月11日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「どんなものでも、何もないよりはいい。それは、ともかく神の力の承認で、それが賛美というもの、と私は思います。」僕は、夕食が始まってから、余りにも彼の話に耳を傾けていなかった。

 「僕は、考えもしなかった。」僕は言った、「それは、森に触れる事か、舗装道路上の線を避ける事にかなり似ていた。あの年齢では、どっちみち。」

 「オウそうです、」彼は言った、「私はちょっとした偶像崇拝にも逆らいません。それは、この世界が全てではないという考えを、人々に齎します。」彼は、僕に鼻を下げて顔をしかめた。「それは、知恵の始まりに成り得ましょう。」

 「貴方の教会は、確かに大筋から言って偶像崇拝を求めて入ります―聖ヤヌアリウス、血を流す像、処女の理想像―その類の事。」

 「私共は、それらを選り分けて除外しようとしました。何があってもいいと開き直る事、その方がずっと賢明さに欠けるのでは・・・?」

 ベルが鳴った。ヘンリは言った、「僕は、彼女はべドに行っていいよ、とメイドゥに言ってある。」

 「貴方は、僕の退席を許して下さいますか、神父?」

 「僕が行くよ、」僕は言った。僕は、その苛酷な同席から逃げ出す方が嬉しかった。彼は答えにも、励ましがあった。素人には、先ず彼を拒む事を期待出来ず、彼は彼の名に値する技術によって、人に耐え得る手品師のようだった

僕が玄関ドアを開けると、包みを抱えた喪服の頑丈な女が目に飛び込んだ。

267

2022年9月10日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「どんな開けた場所でも、貴方は、それを事件にする。それにどっちみちそりゃあ冬ですもの。」そうして、それはがそれはを締め出した。

 「もう幾つかチーズを、神父?」

 「いえ、貴方に感謝します。」

 「僕は思います、このような地区で、貴方はお金を集める数多(あまた)の苦労を抱えていらっしゃる―慈善の為に、と僕は申しますが?」

 「皆様は、彼らに出来ることなら何でも施して下さる。」

 「貴方のカフィと一緒にブランディは?」

 「いいえ、貴方に感謝します。」

 「貴方は、気にしないで下さい、喩え僕たちが・・・」

 「もちろん僕は気にしません。僕はそれを飲むと眠りに落ちられません、それだけです、それに僕は六時に起きることにしています。」

 「一体何の為に?」

 「祈り。貴方はそうする習慣が身についてますね。」

 「恐縮ですが、僕はたくさんは先ず祈れません。」ヘンリが言った、「僕は少年だった頃から、二軍のXV(ラグビー))に入りたくて何時も祈りました。」

 「それで貴方は入りましたか?」

 「僕は三軍に入りました。僕は不安ですが、祈りというものは、非常に優れている訳ではないんでしょ、神父。」

266

2022年9月9日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方まで、信仰を変えるんじゃないでしょ、ヘンリ?」

 「もちろん変えない。彼らには、僕たちが持つ程度の、彼らの見解に対する真剣さはある。」

 そうこうして彼は夕食に遣って来た。醜い、目の落ちくぼんだ、トルケマダのような鼻の、彼は、僕からサラーを守ったその男だった。一週間で忘れられて当然の、ばかげた誓いに閉じ込め、彼は、彼女を支えて来た。彼女が雨の中歩いて、避難所を探したのも、その代わりに「彼女の死を受け止める事になった」のも、そりゃあ、彼の教会に向かっていたからだ。ありのままの礼儀正しさでさえ示すのは、僕にとってそれは難しく、ヘンリは、夕食の重荷を肩に背負うことにした。神父クロムプトンは、何時もは、外で食事をしなかった。彼の意向を保つ為にそれを懸命に探す事、これは義務だという印象を、人は持った。彼は、非常に限られた些細な話をし、彼の答えは、木のように道を横切って倒れ掛かった。

 「貴方は、ここら辺に多くの貧困者を抱えている、と僕は思いますが?」

ヘンリは言った、かなり疲れて、一面のチーズに。彼は随分いろんな事に挑戦した―本や映画の影響、最近のフランス訪問、第三次戦争の可能性。

 「それは、問題ではありません。」神父クロムプトンは返事をした。

 ヘンリは一生懸命務めた。「不道徳?」彼は、僕たちがこんな言葉では、避けて通れないいささか捨て鉢な調子で尋ねた。

 「それは、嘗て問題であった例がありません。」神父クロムプトンが言った。

 「僕は思いました、多分―共有地―誰でも気付きます、夜・・・」

265

2022年9月8日木曜日

The End of the Affair Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅶ

「貴方は何処にいたの、ヘンリ?」僕は尋ねた。彼は、普段、最初に朝食に着き、時には、僕が下りる前に、彼は家を出たのに、今朝は、彼のお皿が触れられないままで、僕は彼が現れる前に、静かに玄関ドアが閉まるのを耳にした。

 「オウ。ちょうど下りて来たね、」彼はごまかすように言った。

 「一晩中外にいたの?」僕は尋ねた。

 「いや。もちろんいない。」彼が僕に本当の事を言うそんな義務を、彼自身に明瞭にする為に。「神父クロムプトンは、今日、サラーの為のマース(ミサ)を唱えた。」

 「彼は、未だにその事に関わっているの?」

 「ひと月に一度。ちょっと覗く、それが礼儀だろうと僕は思った。」

 「貴方がそこにいても彼が気付く、と僕は思わない。」

 「僕は、後でお礼を言いたくて、彼に面会した。実を言うと、僕は彼を夕食に招待した。」

 「それなら僕は出掛けるよ。」

 「貴方は、そうしないで欲しい、ベンドゥリクス。」

 「とりあえず、彼の身になると、彼は、サラーの友人だった。」 

264    

2022年9月7日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

僕はその紙切れを上に向け、23 7月 1926のプログラムを読んだ。the Water Music of Handelミス・ダンカンによる演奏、R.C.M。「I wanted lonely as a cloud」ベアトリス・コリンズ。チュダ・アイレス男子学生クラブによる。A flat Chopin‘s Waltsメアリ・ピピトゥによる。二十年前の長い夏の午後は、僕へとその影を伸ばし、僕は、そう、悪い方向へ僕たちを変えるこの世を憎んだ。僕は思った、僕の初めての小説を始めた、その時だった。僕は、仕事をしようと腰掛ける時、そこには有り余る程の興奮、野心、希望があった。僕は辛くはなく、僕は幸福だった。僕は読まれなかった本の中に紙切れを戻して置き、GolliwogとBeatrix Pottersの下の食器戸棚の後ろに一冊突っ込んだ。たった十年、僕たちの間の数郡を共にしただけでも、僕たちは二人共幸福だったが、何の明瞭な目的もなく、しかし数え切れない程の傷を互いに与える為に、一緒になるには少し遅かった。僕は、Scott`s last Expeditionを持ち上げた。

 あれは、僕自身の好きな本の一つだった。今デイトゥするなど奇妙に思えた。敵に対する氷だけを持ったこのヘロウイズム、人の所有を超えて、何人の死も巻き込まない自己犠牲、二つの戦争が僕たちと彼らの間に立ち尽くした。僕は、写真を見た。顎髭があり、目をむいている、雪の小さな積み上げたもの、、ユーニアン・ジャック、縞を付けた岩の間の時代‐遅れの調‐髪のような、長いたてがみを持ったポウニ。死でさえ「終止符」であり、「終止符」どころか、頁に線、感嘆符で印を付けた女学生がいて、彼女は、Scott`s last letter homeの余白に小奇麗に書いた。「そうして次はどうなるの?それが神ですか?Robert Browning。」その時でさえ、僕は思った、彼は彼女の心の中に入り込んだ。彼は、愛人同様に秘密で、束の間のムードゥの優勢を選び、彼のありそうにない事と伝説で、僕たちをヒアロウのように誘う。僕は、最後の本を戻し、錠を下ろして鍵を回した。

263

2022年9月6日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼女が、前にフドゥの詩を読んだことがあったかどうか、僕は疑う。本は、校長か有名な訪問者によって彼女に手渡された時と変わらず、どの頁もきれいだった。実際、それを食器戸棚に戻して置こうとした時、一枚のプリントゥが床に落ちた―おそらくその真の賞授与の書類。手書きの内、僕が承認可能だったのは(しかし僕たちの手書きでさえ、始まって日が浅く、時勢の古臭いアラビア模様上を占領している)言い回し「何と戯言を発する」だった。僕は、校長が彼女の席に着き、親たちによって恭しく拍手されている時、サラーはそれを書き下ろし、彼女の隣にそれを見せたのだと想像出来た。僕は、何故、彼女のもう一つの輪郭が、僕の頭の中に入ったのか、何時、その苛立ち、その無理解やその確信全てを持ったその女学生の言い回し「私は詐欺師でペテン師です。」を、僕が見知ったのか分からない。僕の手の下のここは、無知だった。彼女は彼女自身について、そういう事を思う為にだけ、もう一人の二十歳を生きて来たというのでは、余りに哀れなような気がした。詐欺師でペテン師。怒りの一瞬に、僕は彼女を利用した、それは説明になったのか?彼女は何時も、僕の批評を匿(かくま)った。それは雪のように彼女から滑り落ちた一途な賞賛だった。

262 

2022年9月5日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、その後サラーの夢を見て、僕たちは、南側の懐かしい部屋で、又恋人に戻ったが、何も起こる事はなかった。この時だけ、事実そこにどんな悲しみもなかった。僕たちは、幸福だった上に後悔もなく。

 僕の寝室の食器戸棚を引っ張って開け、古い子供たちの本の積み重ねを見付けた、それは、その後二、三日経ってからだった。ヘンリは、この食器戸棚をパ―キスの若い者の為に荒さなければならなかったんだ。それぞれ色の付いたカヴァに包まれたAndrew Langのお伽話、数多いBeatrix Pottersの五、六冊が、そこにはあった。The Children of the New Forest、The Golliwog at the North Pole、そしてまたもっと古い一、二冊。―Captain Scott`s Last ExpeditionやPoem of Thomas Hood、それが台数に於ける熟達の為、サラー・バトゥラムに授与されたというラベルの付いた学校用皮革に閉じられた極め付け。代数!人の何と変わる事よ。

 その夕方、僕は仕事が出来なかった。僕は何冊も本を抱えて床に寝転び、サラーの一生の内、白紙の時間に少なくとも二、三その輪郭を追おうとした。愛する人が、父や兄弟も又、いて欲しいと願った時代が、そこにあった。彼が分かち合えなかった年月を、彼は妬む。The Golliwog at the North Poleは、おそらくサラーの初めての本で、それは、前頁に亘って走り書きされていた、この道、またあの道、無意味に、破壊的に、カラのチョークで。Beatrix Pottersの一つに彼女の名前が、鉛筆で綴られていた。一つの大文字が間違って配列してあり、そうそれは、どう見ても・・・だった。The Children of the New Forestに、彼女は実にきちんと、綿密に、「Sarah Bertram Her Book」記と彼女は語った。借りるにはどうか許しを請うて下さい。そしてもし貴方がそれを盗めば、その時は、貴方の悔恨となるでしょう。それらは、今まで生きた全ての子供の目印だった。人が冬に見る鳥の鉤爪の印同様、特徴のない。僕がその本を閉じた時、直ぐに、それらは時の流れによって覆われた。

261

2022年9月4日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅵ

そうこうして僕は、共有地の北側に転居した。僕は一週間の家賃を無駄にした。ヘンリが直ぐに来て欲しいというものだから。僕は五パウンズ僕の本や衣服を運ぶヴァンの為に支払った。僕は、客間を持ち、ヘンリは、書斎としてがらくた―部屋を片付け、階上には、床の上、そこにバスがある。ヘンリは、彼の衣裳‐部屋に移り、彼らが冷たいトゥイン・ベドゥを共有した部屋は、訪れない客の為に残された。二、三日後、ヘンリは空っぽになる事のない家によって、何をどうするつもりなのか、僕は見ることにした。僕は、大英博物館でそれが閉まるまで仕事をし、その後、僕は戻って、ヘンリを待ち、普段は出掛けて、ポンテフラクトゥ・アームズで少し飲んだ。一度、ヘンリがボーンマウスの会議で、数日間不在だった時、僕は女の子を拾い、彼女を連れ帰った。それは、微塵もいい事はなかった。僕は、直ぐにそういう気がした、僕は、性的不能者で、彼女の気持ちを救う為に、他の誰かとこういう事をしない、と僕は、僕が愛した或る女に誓ったんだ、と彼女に打ち明けた。彼女は、非常に気持ちよく、それを理解した。売春婦は、感傷への大いなる畏敬の念を抱く。僕の心の中、そこにどんな復讐心もなかったこの時、僕があんなにも繰り返し楽しんだ何かを諦める事への悲しみを、僕は感じただけだった。

260 

2022年9月3日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方を味方につけて、地上の何を彼は欲しがったのか?」

 「彼のところの少年に彼女は親切だった、と彼は言った―神は、その時を御存知だ。その若者は病気だ。形見に彼女の物を欲しいように思えた。彼女の昔の子供達の本の一、二冊を彼にあげた。彼女の部屋、そこにはたくさんそういうものがあり、どれにも鉛筆で、一面、走り書きがあった。それは、そういうものを片付けるのに良い方法だった。誰もフォイルズにそういうものをまさか送られない、誰か出来る?僕はその中にどんな害も見えない、貴方はどう?」

 「いや。それは、サヴィジの探偵取次事務所から、彼女を見張る為に置いた男だった。」 

 「善良な神、もし僕が知っていたら…しかし彼は、実際、彼女を好きな感じではあった。」

 「パ―キスは人間だ。」僕は言った。「彼は、簡単に触った。」僕は、僕の部屋を見回した―どこからヘンリが来ても、サラーのものは、もうそれ以上そこにないように。多分どころではなく、彼女は、そこで薄められるだろうから。

 「僕は、来て貴方と一緒にいよう、ヘンリ、だが貴方は、僕に幾らか家賃を払わせなきゃいけないよ、ヘンリ。」

 「僕はとても嬉しい、ベンドゥリクス。それで、家屋は、自由保有不動産だ。貴方は、料金の内、貴方分を払えばいい。」

 「又結婚して、新しい当てこすりを探す方がいいと貴方が気付く『三ヶ月』。」

 彼は僕の言う事を、実に真面目に受け取った。「僕は、そんな事をもうする気はない。僕は、結婚する類じゃあない。僕が彼女と結婚したばっかりに、サラーに負わせたのは、そりゃあ大きな傷だった。僕は、今ようやくそれが分かった。」

259

2022年9月2日金曜日

The End of the Affair/ Graham Greene 成田悦子訳

彼女がそこにいなかった時は何時も、あの最期の月、僕が帰宅した時、手紙が僕を待っているのを見るのを惧れた。『親愛なるヘンリ』・・・彼らが小説の中で書くような事だと貴方は知っている。」

 「そう。」

 「しかし今は、あんな風に家が空虚には思えない。僕は、それをどう表現すべきか、分からない。彼女は何時も何処かにいる。彼女はこれまで何処にもいない。貴方は、彼女が他の何処にも、これまでいた例(ためし)がないのを見ている。彼女は、誰かと昼食を摂っていない、彼女は、貴方と映画館にいない。そんな場所は、彼女のいるべき場所ではなく、それにしても家だって。」

 「じゃあ、何処に彼女の家庭はあるの?」僕は言った。

 「オウ、貴方は僕を許そうとした、ベンドゥリクス。僕は神経が細く、疲れている―僕は十分寝ていない。彼女に話し掛けるのに次の最高の手法は、彼女について語る事だし、そこには貴方だけがいる、と貴方は分かっている。

 「彼女は、多くの友人を持っている。サー・ウイリアム・マロック、ダンスタン・・・」」

 「僕は、彼らに彼女の事を語れない。あの男、パ―キス以上に。」

 「パ―キス。」僕は叫んだ。彼は僕たちの暮らしの中に、永遠に、彼自身を滞めてしまったのか?

 「僕たちが催したカクテイル・パーティに彼はいた、と彼は僕に話した。」

 「見知らぬ人々を、サラーは選んだ。彼は、貴方も彼を知っていると言った。」

258

2022年9月1日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 ヘンリは言った、「そこには残った悪い‐感情は全くない。そこにあるの、ベンドゥリクス?僕は、貴方のクラブで貴方に怒られた―あの男の事で。しかし、今、それはどうでもいいじゃないか?」

 「僕が悪かった。彼は、単なる幾分狂気じみた桶をどんどん打つ、彼の論理を以(もっ)て彼女に興味を抱いた合理主義者だった。そんなことは忘れた方がいい、ヘンリ。」

 「彼女は善良だった、ベンドゥリクス。人々は噂するが、彼女は善良だった。まあ、僕が彼女を適切に愛せなかった、それは、彼女の落ち度ではない。貴方も知ってる、僕は恐ろしく分別があり,慎重だ。僕は愛人を作るタイプではない。彼女は、貴方のような誰かを求めた。」

 「彼女は僕の許を去った。彼女はその気にさせ続けた、ヘンリ。」

 「僕は、一度、貴方の著作の一つを呼んだのを知ってる?―サラーが僕に見繕った。貴方は、その中で女が死んだ後の家を描写した。」

 「The Ambitious Host。」

 「それがその題名だった。その時には、それで全くいいように思った。僕はそれを尤もらしいとは思ったが、貴方は、それを全く間違っていることにした。貴方は、どのように夫は、その家が酷く空虚だと気付くかを描写した。椅子を移し、そこにいるもう一人の動作の効果を出そうとして、彼は、部屋をあちこち替えた。時々、彼は、二つのグラスに飲み物を、彼自身注ごうとする。」

 「僕は、そういうことは忘れる。そうだとちょっと文学的な響きがある。」

 「それじゃあ、目的からずれる、ベンドゥリクス。悩みは、家が空虚に思えない処にある。貴方は見ている、しばしば随分前には、僕が役所から帰宅すると、彼女は何処かに出掛けている―おそらく貴方と一緒に。僕が呼ぶのに、彼女は答えようとしない。その時、家は空っぽだった。僕は、危うく家具がなくなっているのを見つけることを期待するところだった。僕は、僕の範疇で彼女を愛したんだと貴方も分かっている、ベンドゥリクス。

257

2022年8月31日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「じゃあ、私であると証明してみなさい。ヘンリ。僕が神を論ぱく出来る以上に、僕の物語を、貴方は論ぱく出来ない。が、僕の物語は嘘だと貴方は知っている、まさにそのように、僕は彼がぺてんだとよく知っている。」

 「もちろん、そこには論拠がある。」

 「僕の物語の為に、哲学的論拠を僕はでっち上げてもよく、僕は敢えて言う、アリスタトゥルに基づいた。」

 ヘンリは、不意に話題を元に変えた。もし貴方が来て居てくれたら、それは貴方を少しは救うだろう。サラーは何時も言った、貴方の本は、それらは、あるべき程の成果を上げていないと。」

 「オウ、成功の影は、その上に投げ掛けられようとしている。」僕は、ウォタベリの記事を思った。僕は言った、「賞賛の為に大衆的批評家が、彼らのペンをちょっと浸しているのが聞かれる時、ある瞬間は訪れる―次の本が書かれる前でさえ。それは、皆時機に問題がある。」僕は、僕の心を決めていないから、と話した。

 ヘンリは言った、「そこには残った悪い‐感情は全くない。そこにあるの、ベンドゥリクス?僕は、貴方のクラブで貴方に怒られた―あの男の事で。しかし、今、それはどうでもいいじゃないか?」

256

2022年8月30日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

彼は、急いで続け、彼自らの提案が実際興味深いものではないかのように、マガジンの頁を捲った。「よくそれを考えてみて欲しい。貴方は、今、決める必要はない。」

 「それだから、貴方はとても善良だ。」

 「貴方は僕に好意を示そうとする、ベンドゥリクス。」

 僕は思った、何故そうしないのか?作家は、型に嵌らないと見做(みな)す。僕は、上級官吏よりずっと典型的なのか?

 「僕は、昨夜、夢に見た、」ヘンリが言った、「僕たちの何もかもを。」

 「そう?」

 「僕は、大抵、覚えていない。僕たちは、一緒に飲んでいた。僕たちは、幸せだった。僕は目覚めた時、彼女は死んでいないと思った。」

 「僕は、今は、彼女の夢は見ない。」

 「僕たちが、あの牧師に彼の道を貫かせていたらなあと思う。」

 「そんな馬鹿げた、ヘンリ。彼女は、もう貴方より僕よりずっと、カサリクとは言えない。」

 「貴方は、残存を信じるの、ベンドゥリクス?」

 「もし貴方が個人的残存を言おうとしているのなら、いいえだ。」

 「人は、それに論ぱく出来ない、ベンドゥリクス。」

 「何か論ぱくする、それはほとんど不可能だ。僕は、物語を書く。その中で、何事も起こらなかったと、その登場人物は現実にはいないと、貴方はどう証明出来る?聞いてくれ。僕は、今日、共有地で三本足の男に会った。」

 「何とおぞましい。」ヘンリは真剣に言った。「出来損い?」

 「それに、魚のうろこでそれは覆われていた。」

 「貴方は冗談を言っている。」

255

2022年8月29日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 あんなに僕を怒らせたタトゥラの悦に入った写真から、どんな長い道程を旅して来たのか。僕は、机の上に倒した、スナプ写真から引き伸ばしたサラーの写真を持っていた。彼は、それを上に向けた。「僕はそれを撮ったのを覚えている、」彼は言った。サラーは、写真は女友だちに撮られた、と僕に話した。彼女は、僕の気持ちを救う為に嘘を吐いたんだと僕は思う。写真では、彼女はより若く、より幸せそうだったが、僕が彼女を知った数年の内よりずっと愛らしく見えなかった。僕は、そのあたりを彼女に見せられたらなあと願いはしたものの、彼の情婦の周囲の配役に似て、強固になるばかりの不幸を見詰める事、それは愛人の宿命だ。ヘンリが言った、「僕は、彼女を笑顔にしようとして、自分自身、愚かなことばかりしていた。「将軍ゴードンは、興味深い性質?」

 「なかなかのくせもので。」

 ヘンリは言った、家が、この頃、非常に奇妙に感じる。僕は、出来るだけ力を尽くしてそれから守ろうとしている。貴方は、クラブでの夕食で、侭ならないと僕は思うが?」

 「僕は、終えなければならないたくさんの仕事を貰った。」

 彼は、僕の部屋を見回した。彼は言った、「貴方は、ここでは貴方の本のスペイスを十分とれない。」

 「いや。ベドゥの下にその内の幾らかは、置くことにしている。」

 彼は、ウォタベリが、彼の仕事の一例を見せる為に、インタヴュウ前、僕に送ったマガジンを抜き取り、言った、「僕の家には、部屋がそこいらにある。貴方は、実際、貴方自身向けにフラトゥを持てたりする。」僕は、答えようにもあまりにもびっくりし過ぎていた。

254

2022年8月28日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 

ヘンリが彼の家を共有することを、僕に頼んでもいいと思った時、それは、僕の気味の悪い冗談だった。僕は、提供を実際は期待しなかったし、その時が遣って来た時、僕は、驚きに心奪われた。葬式一週後、彼の訪問も、驚きだった。彼は、以前、僕の家に来たことは一度もなかった。僕は、彼が今までに、雨の中、共有地で彼に会ったその夜より南側に、ずっと近くまで来たことがあるのではないかと疑った。僕は訪問者と顔を合わせたくなくて、僕のベルが鳴るのを聞くと、窓の外を見た―それは、シルヴィと一緒のウオタベリかも知れないちう考えが浮かんだ。鈴懸の‐木の側のラムプは、歩道の上にヘンリの黒い帽子を浮かび上がらせた。僕は階下へ向かい、ドアを開けた。「僕は、ちょうど側を通り掛かったんだ。」ヘンリは嘘を吐いた。

 「入ってくれ。」

 僕が食器戸棚から僕の飲み物を取り出している間、彼は、突っ立って決まり悪そうにオロオロしていた。彼は言った、「貴方は、将軍ゴードンに興味があるように思います。」

 「彼らは、Lifeを遣って行く為に僕を欲しがっている。」

 「貴方は、そうするつもりなの?」

 「僕は、そう考えている。この頃、僕は大抵、仕事のように思わない。」

 「それは、僕と同じだ。」

 「王室委員会に未だ席があるの?」

 「そう。」

 「それは何か考えるべきことを貴方に許すの?」

 「それがですか?そう、僕はそう思っている。僕たちが昼食を止めるまで。」

 「とにかく、それは大事な仕事だ。ここに貴方のシェリがある。」

 「それは、独身気分に僅かなりとも見当違いをさせまいとする。」

253

2022年8月27日土曜日

THe End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 僕は、僕の背中の上に横たわり、僕の天井で動く共有地の高木の影を見守った。それは、まさに符合だ、僕は思った、恐ろしい程の符合、それは、殆ど最後には貴方に彼女を返したことになる。貴方は、一生に備え、僅かな水と一人の祈り手と一緒になって、二歳の子供に印を付けてはいけない。もし僕がそれを信じ始めたら、僕は、肉体や血を信じられただろうに。貴方は、この数年来、彼女を所有しなかった。僕は、彼女を所有した。貴方は、終わりの時に勝った。貴方は、それを僕に念を押す必要はない。彼女が僕と一緒に、このベドゥの上に、彼女の背中の下のこの枕と共に、ここに横たわった時、彼女は、貴方共々僕を騙していた。彼女が眠ると、僕は彼女と一緒になった、貴方とではなく。それは、彼女を貫いた僕だった、貴方ではなく。

 灯は皆消え、闇がベドゥの上にあった、直ぐに僕は夢を見た、僕の手の中に銃を持ち、僕はフェアにいた。僕は、それがグラスで作られたかのように見える瓶を撃っていた。しかしそれはスティールで覆われているかのようで、僕の弾丸は、それを外して跳んで行った。僕は発砲し又発砲して、ひびを入れられたのは瓶ではなかった、そうこうして僕の頭の中に同じ思いを抱えたまま、朝の五時に、僕は目覚めた。この数年の間、貴女は僕のものだった、彼のものではなく。

252

 


2022年8月26日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

  しかしその賢明さは、ビーチ近くの狡猾な儀式で、出来る事が何もなかった。それは「受け容れた」貴方ではなく、僕は、僕が信じなかった神を、語った。サラーが考えた想像上の神は、僕の命を救い(想像可能な何らかの目的の為に)、僕が、嘗て経験した唯一の深い安らぎを、彼の非実在にあってさえ、破滅させた。オウ、いや、受け容れたのは、それは貴方ではなかった。それは呪文だったし、僕は、貴方を信じるくらいなら呪文でも信じる方がましだ。呪文は、貴女の十字架であり、貴女の肉体の復活であり、貴女の神聖なカサリク教会、貴女の聖人の親交だ。

251

2022年8月25日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

  「それは、貴女と同様、多くを『受け容れられた』ようには思えません。」僕は、言うことには抵抗出来なかったが、彼女は、立腹しなかった。「オウ、」彼女は言った、「私の人生には、限(きり)のないほどの誘惑がありました。事態は、終わりまでに好転するだろうと期待しています。サラーは、私と一緒に随分我慢をしました。彼女は、いい娘(こ)でした。誰も私がしたように、彼女に感謝する者はいなかった。彼女は、更に何杯かポートゥを飲み、話した、「貴方だけでも、彼女をよくよく知って下さっていれば。何故(なにゆえ)に、もし彼女がちゃんとした様子の中で育てられていたら、もし私があんな卑しい男たちと決まって結婚しなかったら、彼女は聖人になれたのに、と私は真剣に決め込んでいます。

 「しかしそれは、まるで受け容れなかった。」僕は、荒々しく言い放ち、それから僕は、勘定書きを持って来させる為にウェイタを呼んだ。僕たちの未来の墓所の上を飛ぶあれらの灰色の雁の片翼は、僕の背中の下に隙間風を送ったのか、それとも他に、もしかして、僕は、凍った地面の中の死ぬほどの寒気を捕えてしまった。もしそれが、只、サラーのような死ぬほどの寒気で有り得たら。

 「それは受け容れなかった。僕は、マライルボウンでバトゥラム婦人を下ろした後、家への道すがら、地下鉄の中で僕自身に繰り返した。彼女にもう三パウンズ貸すと「明日は水曜日で、私は、雑役の為に、中に居なきゃいけませんから。」可哀そうなサラー、「受け容れられた」何かは、夫や継父というその一続きだった。彼女の母親は、彼女に効果的に十分教えた、一生の内に、一人の男では足りないと、しかし彼女は、彼女自身、彼女の母親の結婚の虚構を通して見て来た。彼女がヘンリに嫁いだ時、彼女は暮らしの為に嫁いだ、僕が絶望的に分かったように。

250

2022年8月24日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「もちろん、それ程のことは、ビーチで起こらなかった。私たちはその道のりを歩いた、と只言おうとしているだけです。」私はドアの側にサラーを置いて、牧師を探しに行きました。私は、二、三、彼に嘘を吐こうと思いました―成り行き次第の罪のないそれを―事情を説明する為に。私は、その全てを私の夫に押し付けました、当然。彼は結婚する前、約束したのに、その後、彼は彼の約束を破った、と私は言いました。フランス語をたくさん話せない事、それが命運を分けました。貴方が正直な理(ことわり)を知らなければ、貴方には恐ろしく真実に聞こえる。何はともあれ、彼はそこでその時、それを行い、私たちは、昼食に間に合うように帰りのバスを拾いました。

 「何をしました?」

 「彼女にカサリクの洗礼を施しました。」

 「それで終わりですか?」僕はほっとして尋ねた。

 「まあ、それは、サクラメントゥです―そうとも彼らは言います。」

 「サラーは、カサリクそのものだ、と貴女は言いたいのではないか、と直ぐに思いました。」

 「まあ、貴方は見ていますね、彼女はそういう人でした。只彼女はそれを知りません。私は、ヘンリが適切に埋葬してくれていたらと願います。」バトゥラム婦人は言い、再び異様な涙の滴下を始めた。

 「喩えサラーが知らなかったにしても、貴女は彼を責めることは出来ない。」

 「私は、何時も、それは『受け容れる』だろうという願いを持っていました。ワクチン接種のように。」

 「それは、貴女と同様、多くを『受け容れられた』ようには思えません。」僕は、言うことには抵抗出来なかったが、彼女は、立腹しなかった。

248

2022年8月23日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「復讐?僕はあまりよく貴女が分からない、バトゥラムさん。」

 「私の夫への、もちろん。それは単に、彼の最初の妻の所為だけではありません。私は貴方に話したでしょ、彼は、私をカサリクにならせないということを?オウ、そこにはこんなシーンがありました、もし私がマス(ミサ)に行こうとさえしなければ。

そこで私は思いました、サラーはカサリクになろうとしている、そうして彼は知りもせず、私が実際に怒りを買わなければ、私は彼に話そうともしない。」

 「それで、貴女はそうしなかったんですか?」

 「彼は去り、その後一年、私を置き去りにしました。」

 「だから貴女は、もう一度、カサリクになれた?」

 「オウ、まあ、私は多くを信じなかった、貴方が見ての通り。その後、私はユダヤ人と結婚しました。そして彼も又、難しかった。ユダヤ人は、恐ろしく寛大だ、と彼らは貴方に言います。貴方は、それを信じてはいけない。オウ、彼は、卑しい人でした。」

 「それにしてもビーチで何かあったのですか?」

2022年8月22日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕は、貴女が仰っていることが分かりません。」

 「サラーは、私がカサリクだと貴方に話しませんでした―一度も?

 「いいえ。」

 「私はそれにあまり立ち入っていません。 貴女にも見当が付くでしょうが、私の夫は、全てのビズニスを嫌いました。私は、彼の三番目の妻で、最初の年、私は彼の持つ十字架を貰った時、私たちはきちんと結婚していない、と事あるごとに申しました。彼は、卑しい人でした、」彼女は機械的に付け加えた。

 「貴女がカサリクである事は、サラーをそれにしない。」

彼女は、もう一口、彼女のポートゥを飲んだ。彼女は言った、「私は、他の指導者を口にしたことはなかった。私は少し酔ったと私は思います。私は酔っていると貴方は思いますか、ベンドゥリクスさん?」

 「もちろん、思いません。もう一杯ポートを飲んで下さい。」

 僕たちがそれを待つ間、彼女は、話を切り替えようとしたのに、僕は、彼女を情け容赦なく連れ戻した。「貴女は何を言い出すんです―サラーがカサリク?」

 「貴方はヘンリに話さない、と約束して下さい。」

 「僕は約束します。」

 「私たちは、一度、ノーマンディの海外にいたことがあります。サラーは、ちょうど二つを越えていました。私の夫は、ドービルに何時も出掛けました。そう彼は言っていましたが、彼が、彼の最初の妻を見舞うことを、私は知っていました。私は大層な十字架を頂きました。サラーと私は、砂浜に沿って歩いて向かいました。サラーは、座りたいと頼み続けたのに、私は、彼女に一休みさせ、その後も、私たちは少しでも歩こうとしました。『これは、貴女と私の秘密よ、サラー。』その時でさえ、彼女は内緒ごとが上手でした。―彼女はそうしたかったかどうか。私は、貴方に話せるなんて、びっくりします。でも、それは立派な復讐ですものね?」

247 

2022年8月21日日曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 彼女の会話は、地下鉄システムのようだった。それは、円や輪の中で動いた。僕は、カフィによって、繰り返されている駅に気付き始めた。ヘンリの卑しさ、彼女自身の清算の高潔、サラーへの彼女の愛情、葬式に伴う彼女の不満、偉く大きな全て―そこは、ヘンリに向かう不可避な列車が進み続ける所だった。

 「それは、随分おかしかったわ。」彼女が言った。「私は笑いたくなかった。誰も私が愛した以上にサラーを愛した者はいません。」僕たちは皆、僕たちが他の舌の上で、そういうことを聞くと、何時も、それに主張したり、怒られたりする。「しかしヘンリは、それを理解しようとしません。彼は冷たい人です。」

 僕は、目盛りを切り替える為に、測り知れない努力をした。「他にどんな種類の式を、僕たちが催せたのか、僕には見当が付きません。」

 「サラーは、カサリクでした。」彼女が言った。彼女は、彼女の、ポートゥのグラスを手に取り、一気にその半分を飲んだ。

 「ばかな、」僕は言った。

 「オウ、」バトゥラム婦人が言い、「彼女は、そのことを彼女自身知りませんでした。」

 突然、説明しがたく、僕は、殆ど完全な罪を犯してしまった男のように、恐れをなし、彼のペテンの壁に、初めての予期せぬ亀裂を見付ける。亀裂は、どれ程深く入るのか?それは、何とか塞がれるといいが?

246

2022年8月20日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「それは、適当だったと思います。結局、そこには祈り手がいました。」

 「あの牧師―彼は牧師でしたか?」

 「僕は、彼を見なかった。」

 「彼は、偉く大きな全体について話しました。私は、ずうっと分からずじまいでした。彼は偉く大きな海雀を言っているんだと思いました。」彼女は、彼女のスープの中に、又、垂らし始めた。彼女は言った、「私は、吹き出しそうでした、するとヘンリが私を見ました。私は、私の勘定書きにそれを見積もると、見て取れました。」

 「貴女は離れて、それに打撃を与えない?」

 「彼は、とても卑しい人です。」彼女は言った。彼女は、彼女のナプキンで目を拭い、それからスープの中で、猛烈に彼女のスプーンで、彼女はヌードゥルを掻き雑ぜながら、カチカチ音を立てた。「私は、一度、彼から十パウンズ借りなければならなくなりました。と申しますのも、私は滞在する為にロンドンへ来ようとして、私のバグを忘れました。それは、誰にでも起こり得ることです。」

 「もちろん、それは有り得ます。」

 「私は、何時も世間で借金しないことを、自分自身誇っています。」

245

2022年8月19日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「私はそれでいいわ。」彼女は、彼女の手を出し、言った、「グドゥ‐バイ。」時を逸してしまったということ、それは様々な事情の一つだ、と彼女には分かっている、と僕は言えはする。神に感謝、そんな事は、どうでも良かった―地下鉄駅と同じ程度に遠い微かな後悔と好奇心、バートクを覆うウォタベリへの意地悪な言葉。バトゥラム婦人の方へ後戻りしながら、僕は、又、サラーに話し掛けている僕自身に気付いた。貴女は見ている、僕は貴女を愛している。しかし、憎悪が持つのと同程度の、聞かれているという確信を、愛情は持たない。僕たちが火葬場入口に近付くに連れ、パ―キスが消え去ったということに僕は気付いた。僕は、彼が行くのを見なかった。今頃はもう、僕が彼を必要としない、と悟っていなければならなかった。

 バトゥラム婦人と僕は、イゾラ・ベラで夕食を食べた。僕は、僕がサラーと一緒に前に行ったことのある何処にも、行きたくなかった。それにもちろん直ぐに。一緒に訪れた他の全てと、このレスタラントゥを僕は比べ始めた。サラーと僕は、キアンティを飲んだことがなく、そして今は、それを飲んでいるという行為が、あの頃の実情を僕に思い起こさせた。僕は、僕たちの好みのクラレトゥを飲んだ方がずっとましだった、僕は、もう彼女について考えられなかった。空虚でさえ、彼女で混み合った。

 「私は、官公庁業務が好きではなかった、」バトゥラム婦人は言った。

 「僕は気の毒に思います。」

 「それは、非常に非人間的です。ベルトゥ・カンヴェイアのよう。」

 244

2022年8月18日木曜日

The End of the affair/Graham Greene 成田悦子

 「そうです、バトゥラム婦人、」僕は言った。

 「それで私は、私の黒いバグの中にお金を入れ替えるのを忘れました。」

 「僕に出来ることなら、何なりと。」

 「もしよろしければ、貴方が一パウンドゥ私に貸して下さればいいのですが、ベンドゥリクスさん。私は、私は出る前に、町で何か夕食を摂ろうと思います。グレイトゥ・ミセンデンでは、それは早く閉まります、」それから彼女は、話しながら、もう一度彼女の目を拭った。何か彼女に纏わることは、僕にサラーを思い起させた。彼女の悲しみ、多分曖昧さ、の中の現実ーのー物事。彼女は、一度でもヘンリに頻繁過ぎる程「触れた」ことがあったのか?「僕と一緒に、早い夕食を摂りましょう。」

 「貴女は、くよくよしようとしてはいけない。」

 「僕はサラーを愛していました、」僕は言った。

 「そう、私も。」

 僕は、シルヴィアの所に戻り、説明した。「あれは、彼女の母親だ。僕は、彼女の夕食を御馳走したい。僕は申し訳なく思う。僕は貴女に電話して、他の日を設けてもいい?」

 「もちろん。」

 「貴女は、電話帳にある?」

 「ウォタベリがあります。」彼女は悲観的に言った。

 「次の週。」

243

2022年8月17日水曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「貴方は、ベンドゥリクスさん?」彼女は尋ねた。

 「はい。」

 「サラーが私に話していました、」彼女は始めた、彼女が躊躇している間に、彼女は、伝えたいことがあるという、死者は語り掛けるという乱暴な期待が僕に湧いて来た。

 「貴方は、彼女の最高の友人だ―彼女は、よく私に話していました。」

 「僕は、彼らの中の一人でした。」

 「私は、彼女の母親です。」僕は、彼女の母が生きていると気に掛けもしなかった。あの数年の内、そこには、僕たちの間について話すことは何時も随分たくさんあったのに、僕たち二人の暮らしの全空間は、大昔の地図のように白紙だった、後(のち)に埋められるべく。

 彼女は言った、「貴方は、私についてご存じなかったんでしょ?」

 「現実の事柄としては・・・」

 「ヘンリは、私をよく思わなかった。それがそれをかなり気まづくしました。ですから私は、距離を保ちました。」彼女は穏やかな理性的様子で話した、そして尚も、独立の効果で、彼女の目から涙が溢れ出た。男たちと彼らの妻は、皆、一掃された。見知らぬ人々が、僕たち三人の間を、礼拝堂の中に入る彼らの道を選んだ。パ―キスだけは、考え事をしながら、居残っていた。僕は思う、彼は、より疎遠な情報を提供することで、未だ僕の役に立つのかも知れないが、彼は、彼の距離を保っていた、承知の上で、彼は、彼の立場を話してしまおうとするように。

 「私は貴方のことを聞いて、大変好意を持っています、」サラーの母親は言った。僕は、彼女の名前を思い出そうとした―カメロン、チャンドゥラ、それは、C.で始まった。「私は、今日、グレイトゥ・ミセンデンからこんなに大急ぎでやって来ました・・・」彼女は、浴用タウアルを使っているかのように無頓着に、彼女の目から涙を拭った。バトゥラム、僕は、それが名前、バトゥラムだったと思った。

242

2022年8月16日火曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

夕べの終わりに、僕は無様に愛を育もうとする、僕の酷い無様さ、僕の性的不能でさえ、もし僕が性的不能と判明すれば、ごまかせばいい、又、僕は専門的に恋愛をしようとしたり、僕の経験も手伝って、彼女を夢中にさせても構わなかった。僕は、サラーに懇願した、これの外へ僕を逃して、それの外へ僕を逃して、僕のではなく、彼女の為に。

 シルヴィアは言った、「私の母が具合が悪いと言う事も出来るわ。」彼女は、嘘を吐く用意をした。それは、ウォタベリの終わりだった。気の毒なウォタベリ。その初めての嘘と共に、僕たちは共犯者になる外ない。彼女は、彼女の黒いズボンを履いたままそこに立っていた。凍った水溜まりの間、そして僕は思った、これが、全ての長い前途が始まる場所だ。僕は、サラーに懇願した。その外へ僕を逃して。僕は、再びその全てを始めて、彼女を傷付けたくない。僕は、愛せない。貴女以外、貴女以外、すると青褪めた老婦人が、薄い氷をバリバリ音を立てながら僕の方へ逸れた。

241

2022年8月15日月曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

  「シルヴィア、」僕は呼んだ、サラーが僕に耳を傾けるといいのにと

、「貴女は、今晩何処かで食事をするの?」

 「私は、ピータと約束しています。」

 「ピータ?」

 「ウォ―タベリ。」

 「彼を忘れて。」

 貴女は、そこにいるの?僕はサラーに言った。貴女は、僕を見守っている?見て、貴女がいなくても、僕は直ぐに手に入れられる。それは、そんなに難しくはない。僕は彼女に言った。僕の憎悪は、彼女の生存を当てにすれば良かった。彼女が死んだ鳥以上に、影も形も消え失せたと分かった、それは、単に僕の執着に過ぎなかったのだ。

 新たな葬式が、人を集めようとしていたが、鉄道の側のその女は、入って来る見知らぬ人々の様子に、混雑の中、立ち上がった。彼女は、すんででのところで間違った火葬に捕えられそうだった。

 「僕は。電話を掛けるといい、と思う。」

 嫌悪が、倦怠のように、夕闇を覆い、行く手に横たわっていた。僕は、僕自身を追い詰めた。執着もなく、僕は恋の真似事を押し通してしまう。僕が、罪を、僕の迷宮の中に純潔を引きずり込むという罪を犯す前に、罪悪感が疼いた。性の行為は、どうということはないにしても、貴女が僕の年齢に達する頃、どんな時も、全てであることを、それが証明してしまう、と貴女は学ぶ。僕は安心していたが、僕は求めてもいいのに、この子供の中のどんな神経症に、誰が話し掛けられよう?

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