https://naritaetuko.jp成田悦子の翻訳テキストとちょっとしたこと

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2012年7月13日金曜日

Water, is taught by thirst.135/Emily Dickinson翻訳

Water, is taught by thirst.
Land — by the Oceans passed.
Transport — by throe —
Peace — by its battles told —
Love, by Memorial Mold —
Birds, by the Snow.
海へと、渇きに従って導かれる。
陸へと-幾つもの越えた海を経由して。
流刑囚へと-苦悩を素通りして-
安寧は、その広く伝えられる陣容によって-
愛は、記憶の鋳型に照らして-
鳥は、降雪を貫いて。



Water海は、欲望を象徴し、thirst渇きを満たすところです。
Land陸は、the Oceans passed幾つもの欲望を充足したその後辿り着く場所。
人は、海や陸を往き来するTransport流刑囚・欲望の囚われ人です。
Peace安寧によって
Love愛を得
Birds飛び立とうとします。
しかし、by the Snow雪が降り、鳥の飛翔を阻み、雪によって阻まれても、雪を貫いて鳥は飛びます。
傷を負い、地上に生きる羽を畳んだ鳥である私達は、白く、許された者に戻る事が出来ます。
やがて雪は解け
water水となり、海へと・・・
Peace、Love、Birds・・白い鳥であるなら雪白に消え、青い鳥なら空の青さに消えます。
鳥は自由の象徴ですが、自由と云うものは、有って無い様なものです。
生きるという事は、不自由を託(かこ)つ事。
自由に生きようとすればするほど、
自由に羽ばたこうとすればするほど、
自由を手に入れようなんて考えなくなるものです。
不自由は、寧ろ自由そのものです。

Love, by Memorial Mold —
記憶の鋳型は、愛によってその形を定められます。
今日の記憶の鋳型は、明日の記憶を形作るのですが、昨日の記憶に照らし合わせて忘れたり忘れられたり・・

Birds, by the Snow
Birds、飛び立つもの
Snow、埋(うず)めるもの、覆うもの
それでも鳥は羽ばたこうとする。

15:55 2012/07/13金曜日