https://naritaetuko.jp成田悦子の翻訳テキストとちょっとしたこと

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2012年7月16日月曜日

I taste a liquor never brewed —214/ Emily Dickinson翻訳

I taste a liquor never brewed,
From tankards scooped in pearl;
Not all the vats upon the Rhine
Yield such an alcohol!
私は、選りすぐったものの中にかき集めた、醸造されないお酒を大コップで味わう
素晴らしいお酒を産出するのは、ライン川に面したタンクばかりではなかった!

Inebriate of air am I,
And debauchee of dew,
Reeling, through endless summer days,
From inns of molten blue.
私、上辺有頂天
それに、純粋さ故の退廃
リールを踊る、何時果てるとも知れない夏の始めから終わりまで
移り変わる空の酒場で

When landlords turn the drunken bee
Out of the foxglove's door,
When butterflies renounce their drams,
I shall but drink the more!
ジギタリスの道から離れ、宿主が酔っ払った蜂に変わっても、
蝶々が飲酒と縁を切っても、
私はただただ飲み干すばかりでしょう

Till seraphs swing their snowy hats,
And saints to windows run,
To see the little tippler
Leaning against the sun!
セラピムが清純無垢の帽子を振り回すと
直ぐに、聖者が窓に駆け寄る
幻日に寄り掛かろうとする愚かしい飲助を見る為に!



・a liquor、such an alcohol・・お酒は詩、言葉、私や貴方を酔わせるもの
・I taste a liquor never brewed,
From tankards scooped in pearl;
私は多くの言葉の中から醗酵していない言葉、使い古されていない言葉を選び、I shall but drink the more!私を酔わせるものをすっかり飲み干して詩を書き始めると云う意味です。

・From inns of molten blue.・・blue空の青、空、心を塞ぐもの、移り変わり、私が酔い私を酔わせるもの。
・through endless summer days,・・夏、青春、私に酔う(自己陶酔)時代は長く、何時果てるとも知れない。
・landlords・・宿主、自己の意味だと思います。
・seraphs・・セラピム、天使九階級中最高の天使、6翼で、愛に富み、光輝、熱情、清純の象徴。
・Till seraphs swing their snowy hats,
 And saints to windows run,
 To see the little tippler
 Leaning against the sun!
私Emily Dickinsonは、空想家で自己陶酔家。
愛や光輝や熱情や清純は、私と懸け離れて存在する様で、そうでもない、寧ろ私は其処に寄り掛かっている方が楽である。
しかし、私は見かけは自惚れ家で退廃的と看做されているし、そうした面も私自身である。。
詩を書く時、愛や光輝や熱情や清純、聖者の様であろうとすると、to windows run窓(目・心の目・判断)に駆け寄る、冷静に全体を見て考えて書く事を私自身が求める・・と云う様な意味です。

15:53 2012/07/16月曜日