そこにはハーパーズ・バザーやライフや一揃いのフランス・ファッション雑誌があり、中を僕に見せた男は、ちょっと気を使い過ぎだったものの、身なりは良かった。彼は火に面した椅子に僕を誘引し、かなり注意深くドアを閉めた。僕は患者のような気がして、僕は嫉妬向けの名だたるショック療法を試すに足りる病人、すっかり患者を決め込んだ。
サヴィッジ氏について、僕が気付いた最初の事は、彼のネクタイで、それは或るOB会を表し、次に、粉末の微(かす)かな赤らみの下、彼の顔の何と奇麗に剃られていたことか、そしてその次は彼の額、鼠色がかった髪は後退し、ぴかぴかと光った。職務について回る理解、同情、気遣いの合図の-輝き。彼が手を握る時、彼は微妙な捻(ひね)りを僕の指に加えたな、と僕は気付いた。彼はフリーメイスンに違いなく、もし僕が抑圧を跳ね返せたら、僕は多分、異例の請求額を是認しただろう。
「ベンドゥリクスさん?」彼は言った。「座って下さい。それは、最高に心地良い椅子だと僕は思います。」彼は僕のためにクシャンを叩き、僕がその中に我が身を上手く沈めるまで、僕の側に気遣って立っていた。それから彼は、まるで僕の脈拍に耳を傾けようとするかのように、僕の側に真っ直ぐな椅子を引き寄せた。「さあ貴方自身の言葉で、何もかも僕に話して下さい。」と彼は言った。僕は僕自身の所有するもの以外に、僕が使えていた何か他の言葉を想像出来ない。僕は当惑し、苦々しく思い、僕は同情を求めてにここに来たのではなく、何らかの実質的助力の代償を支払うためその余裕があったら。
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