https://naritaetuko.jp成田悦子の翻訳テキストとちょっとしたこと

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2019年12月31日火曜日

Old Testament(旧約聖書)のCain(ケイン/カイン)とAbel(エイバル/アベル)に関する記述8

Chapter 3 三章

22
And Jehovah God said, Behold, the man is become as one of us, to know good and evil: and now, lest he put forth his hand, and take also of the tree of life, and eat, and live for ever:
すると、ジハウヴァ神は言った。善と悪を知るが故に、その男は我々の一人と見做(みな)される。そして今や、彼の手を前に突き出し、命の木の一人占めをもこなし、食べて、永久に生きないよう見守ろう。
23
Therefore the Jehovah God sent him forth from the garden of Eden, to till the ground from whence he was taken.
それ故ジハウヴァ神は、彼が取り出された土地を耕すために、イードゥン(エデン)の庭から視野の中に彼を遣(つか)わした。
24
So he drove out the man; and he placed at the east of the garden of Eden Cherubim, and the flame of a sword which turned every way, to keep the way of the tree of life.
そこで彼は、その男を駆り立てた。そうしてイードゥン(エデン)の庭の東に、
命の木の道を守るために、あらゆる方向に回るケルビムと剣の光を配置した。


Cherubimケルビムは、
四つの羽を持っているかのような、夜行性で
首が360度回転するフクロウ(梟)を指すのだと考えます。
昼間は、回転し燃える剣である太陽が、利己的にならないよう見守り、夜は夜行性の梟が360度見ています。

フクロウ(梟)の記述は、詩経の邶風の「流離之子」の毛伝に「流離は鳥也」とあり、アダムの子ケイン(カイン)は、エイバル(アベル)を殺し、流浪の民となることを暗喩する記述で、ケルビムがフクロウを指す裏付けになればと願っています。

嘗ては、ふくろう目にヨタカ(夜鷹、Caprimulgus indicus)が入っていました。
ヨタカは、Caprimulgus indicusと言います。
Wikipediaにも、夜行性およびそれによる収斂進化からフクロウ目との類似も指摘されてきた。分子的にも、Sibley分類では広義のフクロウ目にヨタカ亜目 Caprimulgi として、フクロウ亜目 Strigi(通常のフクロウ目)・ズクヨタカ亜目 Aegotheli(ズクヨタカ科のみ)と共に属していた・・・と書いてあります。

Cherubim、 Caprimulgusと、よく似た英語表記です。
夜鷹は、売春婦の意味でも使います。
命の木から人を遠ざけるのは、自分ばかり子孫を増やし、長生きをして、幸福や富の独占をさせないという神の意志でしょう。
売春婦は、産む事とエゴイスティックな愛の在り方を阻止する者の喩えで、神の意志に沿うものである、とも考えられます。

2019年12月24日火曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

Chapter 4 四章

Cain(ケイン/カイン)とAbel(エイバル/アベル)、
英語の発音をそのまま使うのが、私の翻訳手法で、日本で私只一人がこの手法で訳しています。
大江健三郎は、私のこの手法を知ると、過去に遡って英語発音を小説等に採り入れるようになりましたが、ミスも多く、薄汚い真似をするものだと感心しています。
東大卒とは、不名誉を母校に投げつける人に付いた勲章を指すのでしょうか?

1
And Adam knew Eve his wife; and she conceived, and bare Cain, and said, I have gotten a man with the help of Jehovah.
やがてアダムはイーヴ彼の人と通じた。すると彼女は孕(はら)み、ケインを産んだ。そして言った。私はジハウヴァの救いで一人得た。

2
And she again bare his brother Abel. And Abel was a keeper of sheep, but Cain was a tiller of the ground.
それから再び彼女は彼の兄弟・エイバルを産んだ。エイバルは羊の飼い主だった。しかしケインは土地の耕作者だった。

2019年12月25日水曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

3
And in process of time it came to pass, that Cain brought of the fruit of the ground an offering unto Jehovah .
やがて時を経て、ケインは地の産物からなるジハウヴァへの捧げものを齎すという事になった。

4
And Abel, he also brought of the firstlings of his flock and of the fat thereof an offering unto Jehovah . And Jehovah had respect unto Abel and to his offering:
そしてエイバル、彼もまた彼の羊の初子と肉付きの良いそれからなるジハウヴァへの捧げものを齎した。するとジハウヴァは、エイバルと彼の捧げものに対して敬意を払った。

2019年12月26日木曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

5
But unto Cain and to his offering he had not respect. And Cain was very wroth, and his countenance fell.
しかしケインに対して、また、彼の捧げものに対して、彼は敬意を払わなかった。するとケインは激怒し、彼の面目は地に落ちた。

6
And Jehovah said unto Cain, Why art thou wroth? and why is thy countenance fallen?
そこでジハウヴァはケインに言った。何故あなたは激怒するのか?それに何故あなたの面目が潰れるのか?

7
If thou doest well, shalt thou not be lifted up? and if thou doest not well, sin coucheth at the door. And unto thee shall be its desire, and thou shalt rule over it.
あなたが完全になし終えても報われないのか?あなたが完全になし終えたところで、罪はドアに凭(もた)れる。あなたに対してそれの欲するがままになる。何れにせよあなたはそれを一から十まで抑制せざるを得ない。

2019年12月27日金曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

8
And Cain told Abel his brother: and it came to pass, when they were in the field, that Cain rose up against Abel his brother, and slew him.
そしてケインはエイバル・彼の兄弟に話した。彼らが畑にいた時、ケインはエイバル・彼の兄弟に背いて激昂し、彼を殺すはめになった。

9
And Jehovah said unto Cain, Where is Abel thy brother? And he said, I know not: Am I my brother's keeper?
そこでジハウヴァはケインに対して言った。エイバルは何処ですか?
すると彼は言った。私はいないことは知っています。私は私の兄弟の世話係ですか?

10
And he said, What hast thou done? the voice of thy brother's blood crieth unto me from the ground.
そして彼は言った。あなたは何ということをしてしまったのか?地面からあなたの兄弟の血の叫びが私にすがって泣きます。

2019年12月28日土曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

11
And now art thou cursed from the earth, which hath opened her mouth to receive thy brother's blood from thy hand;
そして今あなたは土から祟(たた)られます。それはあなたの手からあなたの兄弟の血を受け止めるために彼女の口を開けたところです。

12
When thou tillest the ground, it shall not henceforth yield unto thee her strength; a fugitive and a vagabond,shalt thou be in the earth.
あなたが土地を耕すと、それは今よりのち、あなたに彼女の力を与えません。流浪者とも浮浪者ともあろう者よ、あなたは土の中にあれ。

2019年12月29日日曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

13
And Cain said unto Jehovah, My punishment is greater than I can bear.
するとケインはジハウヴァに言った。私の罪は私が耐えられるより重い。

14
Behold, thou hast driven me out this day from the face of the earth; and from thy face shall I be hid; and I shall be a fugitive and a vagabond in the earth; and it will come to pass, that every one that findeth me shall slay me.
見守っていて下さい。あなたは今日私を地面から追い出し、そしてあなたの面前を避けよと。やがて私は地上の流浪者とも放浪者ともなるでしょう。私を見つけた誰もが私を殺すはめになります。

2019年12月30日月曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

15
And Jehovah said unto him, Therefore whosoever slayeth Cain, vengeance shall be taken on him sevenfold. And Jehovah set a mark upon Cain, lest any finding him should kill him.
するとジハウヴァは彼に言った。その代わり、ケインを殺す者なら誰でも、復讐がその者の上に7重に襲い掛かる。そこでジハウヴァは、彼を見つけた誰もが彼を殺さないように、ケインに目印を用意した。
16
And Cain went out from the presence of Jehovah, and dwelt in the land of Nod, on the east of Eden.
そうしてケインはジハウヴァの面前から消え、イードゥン(エデン))の東のノドゥの国に住んだ。

2019年12月31日火曜日
投稿者 成田悦子 時刻: 21:31:00

おわり


正月から何年かかるか分かりませんが、「エデンの東」を翻訳します。
本文を改竄されたり、原書を変えられたり、色々な目にあうとは思いますが、やってみます。
「エデンの東」は、「East of Eaden」。
John SteinBeck、ジョン・スタインベック作です。

予(あらかじ)め創世記3章4章のケインとエイバルの話を知って頂きたくて、年末になんとか訳しました。
旧約聖書の原書は様々で、どうしたものかと思いました。
ところがその訳文は、何故かみんな一緒で、話が見えないばかりでなく、誤訳ではないかと思う箇所がたくさんあります。
私の言葉で、本文に忠実に訳しました。
「East of Eaden」も同じ手法をとります。
既に早川書房から出版されている本と比べると、かなり読み易く、私の訳文の方が楽にテーマに迫れると思います。