「或る日何かが起こるだろう。君は一つの側を選ぶだろう。」
「いや、僕はイングランドゥに帰ろうとする。」
「君が僕に一度見せたあの写真・・・」
「オウ、僕はその一枚をすっかり破ってしまった。彼女は僕の許を去った。」
「僕は気の毒に思う。」
「それは事が起こる常道だ。人は自ら誰彼となく置き去りにする、その時潮目が変わる。それはほとんど正当だと僕に信じ込ませる。」
「僕もそうだ。初めてナパームを落とした時、僕は思った、これは僕が生まれた村だと。それはジュヴア氏、僕の父の古い友人、が住む所だ。パン屋の主人ー僕は、僕が子供だった時、パン屋がとても好きだったー僕が投げ込んだ炎の中のそこに何時も駆け下りている。ヴィシーの男達は彼らの所有する国土を爆撃しなかった。僕は彼等よりひどいと思った。」
「それでも貴方はまだ続ける。」
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