2022年9月8日木曜日

The End of the Affair Graham Greene 成田悦子訳

 Ⅶ

「貴方は何処にいたの、ヘンリ?」僕は尋ねた。彼は、普段、最初に朝食に着き、時には、僕が下りる前に、彼は家を出たのに、今朝は、彼のお皿が触れられないままで、僕は彼が現れる前に、静かに玄関ドアが閉まるのを耳にした。

 「オウ。ちょうど下りて来たね、」彼はごまかすように言った。

 「一晩中外にいたの?」僕は尋ねた。

 「いや。もちろんいない。」彼が僕に本当の事を言うそんな義務を、彼自身に明瞭にする為に。「神父クロムプトンは、今日、サラーの為のマース(ミサ)を唱えた。」

 「彼は、未だにその事に関わっているの?」

 「ひと月に一度。ちょっと覗く、それが礼儀だろうと僕は思った。」

 「貴方がそこにいても彼が気付く、と僕は思わない。」

 「僕は、後でお礼を言いたくて、彼に面会した。実を言うと、僕は彼を夕食に招待した。」

 「それなら僕は出掛けるよ。」

 「貴方は、そうしないで欲しい、ベンドゥリクス。」

 「とりあえず、彼の身になると、彼は、サラーの友人だった。」 

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