Ⅶ
「貴方は何処にいたの、ヘンリ?」僕は尋ねた。彼は、普段、最初に朝食に着き、時には、僕が下りる前に、彼は家を出たのに、今朝は、彼のお皿が触れられないままで、僕は彼が現れる前に、静かに玄関ドアが閉まるのを耳にした。
「オウ。ちょうど下りて来たね、」彼はごまかすように言った。
「一晩中外にいたの?」僕は尋ねた。
「いや。もちろんいない。」彼が僕に本当の事を言うそんな義務を、彼自身に明瞭にする為に。「神父クロムプトンは、今日、サラーの為のマース(ミサ)を唱えた。」
「彼は、未だにその事に関わっているの?」
「ひと月に一度。ちょっと覗く、それが礼儀だろうと僕は思った。」
「貴方がそこにいても彼が気付く、と僕は思わない。」
「僕は、後でお礼を言いたくて、彼に面会した。実を言うと、僕は彼を夕食に招待した。」
「それなら僕は出掛けるよ。」
「貴方は、そうしないで欲しい、ベンドゥリクス。」
「とりあえず、彼の身になると、彼は、サラーの友人だった。」
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