私は自分のをしょっちゅう忘れる。フロイトは言うだろう、それも、ヘンリの番号だから、それを忘れようとするのだ。しかし私はヘンリを愛す。私は、ヘンリに幸せになって欲しい。私は、只今日、彼を避けるだけ、彼は幸せで、私は背を向け、モーリスは背を向ける、つまり彼は物事を知ろうとしない。彼は、私が疲れているようだねとか、それは祟りだと思うよとか言う―彼はもはや、あの頃の伴侶を維持しようとして悩もうともしない。
今夕はサイレンが鳴った―私は、勿論昨夕のことを言っているが、それは何と関係があるのか?不毛の中、そこにはどんな機会もない。不毛の外に、私が望めば出て行ける。私は明日、帰途の列車を捕まえ、彼に電話でベルを鳴らせる。ヘンリは、おそらく未だ田舎にいるだろうから、私たちは一緒に夜を過ごせる。誓いが全てではない。あの大切な―誓い、私が今まで全く知らなかった誰かへの、私が心底信じてはいない誰かへの。私が誓いを破ったのを、私と彼以外、誰も知らない。―それに彼はいないでしょ?彼はいられない。貴方は、慈悲深い神も、この絶望も持てない。
もし私が帰ったら、私たちは何処にいるのでしょう?サイレンが鳴る前に、その前の年、私たちが、昨日いた場所。終わりを恐れる互いに対して苛立つといい、そこに何も残っていなかった時、命と共に何をすべきか思い巡らしながら。私はもうこれ以上あれこれ考えなくていい。―そこには恐れるものは何もない。これが終わり。それでも親愛なる神よ、愛に向かうこの欲求を抱え、私はどうしましょう。
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