2022年1月15日土曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 サヴィッジ氏は、僕を苛々した子供扱いして、僕の袖に彼の手を置いた。「嫉妬を恥ずかしがることはない、ベンドゥリクスさん。僕は何時も本当の愛情の印として、それを迎え入れます。さて、僕たちが話し合おうとしているこの女性、彼女が今も―他の人と親密であると考えるに足りる理由を持っていますか?」

 「彼女の夫は彼女が彼を欺いている、と考えています。彼女は私的逢瀬を重ねています。彼女は何処に彼女がいたのか、嘘を吐きます。彼女は持っていますー秘密を。」

 「ああ、秘密、そうですか。」

 「その中身は何でもないことかも知れません、勿論。」

 「僕の長い経験では、ベンドゥリクスさん、そこには殆ど変わることなくあります。」彼は論述をどんどん前に進めるために、目下のところ、僕を十分安心させたかのように、サヴィッジ氏は彼の机に戻り、書く準備をした。名前。住所。夫の職業。彼の鉛筆を持ち、ノウトゥに向かって構え、サヴィッジ氏は尋ねた。「マイルズ氏はこの面談を知っていますか?」

 「いいえ。」

 「僕達の部下が、マイルズ氏の配下にあってはいけませんか?」

 「確かに不味い。」

 「それでは複雑になってしまいます。」

 「貴方の報告書を、後で彼に見せても構いません。僕には分からない。」

 「貴方は家族について何らかの実情を、僕に提供出来ますか?メイドゥはいますか?」

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