2023年7月11日火曜日

The Quiet American Graham Greene 成田悦子訳

「怪我をしていますか?」パイルが言った。

 「何かが僕の足にぶつかった。何でもないよ。」

 「立ち上がりましょう、」パイルは僕を促した。僕はどうにかこうにか彼を見る事ができた、彼はきめの細かい白い土に塗(まみ)れているように見えたから。それから彼はスクリーン上の映像のように外に出た、その時映写機のラムプが落ちた:ただサウンドゥトゥラクだけが続いた。僕は僕の正常な膝で慎重に起き上がり、僕の悪い左足首に少しも負担をかけずに立ち上がろうとした、その時僕はまたもや痛みで息も絶え絶え倒れ込んだ。何かが僕の左足に起こっていた。僕は心配もできなかったー痛みは世話を二の次にした。僕は、できるだけ静かに地面に横になった、痛みが二度と僕を見付けないようにと願いながら。僕は僕の呼吸をやっとの思いで持ち堪えた、誰もが歯痛に付き合うように。僕はまもなく塔の崩壊を調べるはずのヴィエトゥの事を考えもしなかった:別の砲弾がその上で破裂したー彼らは彼らが入って来る前にかなり確かめていた。それにはどれだけ多額を要するのか、痛みが遠のくに連れ、僕は考えた、数人の人間を殺す事をーお前は実に楽々と馬を殺せる。僕は完全に意識があるはずがなかった、僕が生まれた小さな町で、僕の子供の頃の恐怖だった廃馬屠殺業者の作業場に迷い込んでしまったと思い始めた。僕達は、馬が恐れて静かに嘶(いなな)き、安楽殺人者の爆発音を聞いたのを、僕はよく思い出したものだ。

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