「オウ、幾分平底小舟に似たようなものー僕はそれ用の名前を知らない。実は僕はそれを買おうとした。それはそんなにかからなかった。」
「それで君は一人で川に下りたの?」
「それは実のところ難しくなかった、貴方も御存知だ、流れは僕に味方した。」
「君は正気ではない。」
「オウいや。唯一の真の危険は座礁する事です。」
「或いは海軍のパトゥロウルかフランスの飛行機によって乱射される事。或いはヴィエトゥミンによって君の喉を切って頂く事。」
彼ははにかんで笑った。「まあ、僕はとにかくここにいます。」彼は言った。
「何故?」
「オウ、そこには二つの理由があります。しかし僕は貴方を目覚めさせたままにして置けません。」
「僕は眠くない。ガンは直ぐに始動するようにしてある。」
「僕が蝋燭を動かせば気にしますか?それじゃここでは少し明る過ぎます。」彼は神経質らしかった。
「一番の理由は何?」
「そうですね、先日、貴方はこの場所はかなり興味深いと僕に思わせました。僕達がグランガ・・・それにフオンと一緒だった時を貴方は覚えていますね。」
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