2022年9月1日木曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 ヘンリは言った、「そこには残った悪い‐感情は全くない。そこにあるの、ベンドゥリクス?僕は、貴方のクラブで貴方に怒られた―あの男の事で。しかし、今、それはどうでもいいじゃないか?」

 「僕が悪かった。彼は、単なる幾分狂気じみた桶をどんどん打つ、彼の論理を以(もっ)て彼女に興味を抱いた合理主義者だった。そんなことは忘れた方がいい、ヘンリ。」

 「彼女は善良だった、ベンドゥリクス。人々は噂するが、彼女は善良だった。まあ、僕が彼女を適切に愛せなかった、それは、彼女の落ち度ではない。貴方も知ってる、僕は恐ろしく分別があり,慎重だ。僕は愛人を作るタイプではない。彼女は、貴方のような誰かを求めた。」

 「彼女は僕の許を去った。彼女はその気にさせ続けた、ヘンリ。」

 「僕は、一度、貴方の著作の一つを呼んだのを知ってる?―サラーが僕に見繕った。貴方は、その中で女が死んだ後の家を描写した。」

 「The Ambitious Host。」

 「それがその題名だった。その時には、それで全くいいように思った。僕はそれを尤もらしいとは思ったが、貴方は、それを全く間違っていることにした。貴方は、どのように夫は、その家が酷く空虚だと気付くかを描写した。椅子を移し、そこにいるもう一人の動作の効果を出そうとして、彼は、部屋をあちこち替えた。時々、彼は、二つのグラスに飲み物を、彼自身注ごうとする。」

 「僕は、そういうことは忘れる。そうだとちょっと文学的な響きがある。」

 「それじゃあ、目的からずれる、ベンドゥリクス。悩みは、家が空虚に思えない処にある。貴方は見ている、しばしば随分前には、僕が役所から帰宅すると、彼女は何処かに出掛けている―おそらく貴方と一緒に。僕が呼ぶのに、彼女は答えようとしない。その時、家は空っぽだった。僕は、危うく家具がなくなっているのを見つけることを期待するところだった。僕は、僕の範疇で彼女を愛したんだと貴方も分かっている、ベンドゥリクス。

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