2022年7月8日金曜日

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

 「僕は、医者が助けたと思う。」

 「彼は、この冬、忙しくしていた。彼が、葬儀屋に電話を掛けた。僕は、何処に行くべきか、調べようともしなかった。僕たちは、職業電話帳を持った例がなかった。しかし、医者は、彼女の衣服をどう処理すべきか、僕に話す筈がない―カバドゥ(食器戸棚)は、そうしたもので溢れている。カムパクトゥ、香水―誰でも、むやみやたらに捨てられない・・・只、もし彼女が、姉妹でも持っていれば・・・」正面のドアが開き、閉じた為に、彼は、突然止めた。まさにそれは、彼が「メイドゥ、」と言い、僕が、「あれはサラーだよ。」と言った、あの何時かの夜にも起こったように。僕たちは、二階に上がって来るメイドゥの足音に耳を澄ました。一つの家がどんなに空疎でも、その中に三人も一緒にいられるのは、それは、奇妙ではあった。僕たちは僕たちのフイスキを飲み、僕は、もう一杯注いだ。「僕は、家の中を大勢にした、」ヘンリが言った。「サラーは、新しい拠り所を見付けた・・・」そして、又止めた。彼女は、何処の細道の外れにも立っていた。そこには、一瞬の間さえ、彼女を避けようとする目当ては、まず見受けられなかった。僕は思った、何故貴方は、僕たちにこうしたことをしなければならなかったのか?彼女が貴方を信仰しなかったら、彼女は、今尚生きているに決まっていて、僕たちは当然、未だに恋人だった。この境遇を不満に思って来たと覚えているのは、それは悲しくもあり、可笑しくもあった。僕は、彼女を、今やっと幸せそうに、分かち合おうとしていた。

 「僕は言った、「それで葬儀は?」

 「ベンドゥリクス、僕は、どうしていいか分からない。何かかなり手こずらせる事態になった。

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