「それは、ガラハドだよ。ランスロトゥは、グイネヴェレとベドゥの中で見付けられた。」何故僕たちは、無知をからかいたがる悪癖を隠し持つのか?つまり妬(ねた)みなのか?パーキスさんは、悲し気に言った。彼を裏切ったかのように、彼の若い者を横目で見ながら、「僕は 聞いたことがなくて。」
Ⅶ
翌日―彼の養父に意地悪をしたくなって―僕たちがシダー・ロウドゥに出かける前に、僕は、ハイ・ストゥリートゥで若者にアイスを御馳走した。ヘンリ・マイルズはカクテイル・パーティを開いている―そうパ―キスさんは、報告して来たので、リスクは避けられた。彼の衣服を真っ直ぐにグイっと引っ張ってから、彼は若者を僕に預けた。若者は、顧客と一緒の彼の初舞台のお目見えという光栄に則(のっと)った彼の一張羅でめかし込んでいた。それなのに僕は、僕の最もみすぼらしいのを身に着けていた。苺アイスが少々、彼のスプーンから零(こぼ)れ、彼のスーツにしみを作った。僕は、最後の一滴が飲み干されるまで、黙って座っていた。間を入れず僕は言った。「もう一杯?」彼は頷(うなず)いた。「又、苺?」
彼は言った。「ヴァニラを。」かなり経ってから付け加えた。「どうか。」
彼は二杯目のアイスを随分ゆっくりと、指紋を除去するかのように、念入りにスプーンを舐めながら食べた。
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