2012年4月22日日曜日

The House Of The Rising Sun /Marianne Faithfull翻訳

Marianne Faithfull - Blowin' In The Wind + House Of The Rising Sun - 1964 45rpm


The House Of The Rising Sun
Marianne Faithfull
Marianne Faithfull (1965)

There is a house in new orleans,
They call it the risin' sun
And it's been the ruin
Of many poor girl,
And me, oh god, I'm one.
ニューオーリンズに、或る一軒の劇場があります
人々は、性的魔力を、権門に蔓延る、と非難します
実際、数々の不運な娘達にとって、それは破滅を意味しました
そして又、私自身、おお神よ、片割れです

There is a house in new orleans,
They call it the risin' sun
And it's been the ruin
Of many poor girl,
And me, oh god, I'm one.
ニューオーリンズに或る一軒の劇場があります
人々は、性的魔力を、権門に蔓延る、と非難します
実際、数々の不運な娘達にとって、それは破滅を意味しました
そして又、私自身、おお神よ、片割れです

If I had listened
To what my mother said
I'd've been at home today.
もし私が、お母さんが繰り返し言った事に従っていれば
今頃は、気楽に暮らしていたでしょうに

But I was young and foolish, oh god,
Let a rambler lead me astray.
けれども、私は未熟で思慮が足りなかった、ああ神様、
一人の放浪者が私に過ちを犯せさせました

Go tell my baby sister
Don't do what I have done.
Go shun that house in new orleans
They call the risin' sun.
可愛い、妹の様に私に似ている人に知らせに行って
私が手を切った事を引き受けてやってはいけない、と
人々が、権門に蔓延る、と非難するニューオーリンズの
あの劇場を避けて進んで欲しい

Well, I'm going back to new orleans,
My race is almost run.
I'm going back to spend my life
In the house of the risin' sun
それはそうと、私は、ニューオーリンズを思い出しています
私の一生は、やがて終えられるでしょう
私は権門に蔓延る劇場の仕事に人生を賭けたので
引き返さざるを得ない

21:52 2012/04/22日曜日

作者不詳のSspirituals・霊歌です。
The House Of The Rising Sun・・・何時でも、誰でも、朝日が昇る度にやり直す事が出来ます。
私達人間は、明けてゆく一日の劇場の一人の出演者、一日劇場では、皆、唯一の出演者です。
I'd've been at home today.
十戒を犯す事の一つが姦淫で、売春婦は堕落した女、何も春を売る女の事だけを言うのではありません。
at homeは故国イギリスの事だと思われますが、気楽にと訳しました。
many poor girl・・・単に貧しいから堕落する女を指すのではなく、好ましくない女という意味も含まれています。
ニューオーリンズ・ストーリーヴィルの売春婦は、イギリス人、スペイン人とアフリカ人の混血だったのでしょうか?
米国連邦政府が、1917年、第一次世界大戦中「ストーリーヴィル地区」を強制的に閉鎖したのは、売春婦がイギリス人、スペイン人、フランス人とアフリカ人の混血・・・
或いは、移住したものの、多くは地主になる事も出来ず、女は売春婦、男はプランテーションでアフリカ人の奴隷と同じ労働に従事し、貧困を強いられていたのではないかと思います。
権門に蔓延る・身分が高く、権勢のある家で幅をきかすしかない移民者が多かったというのは当たり前の話です。
a house・・・ 舞台と思われるのが、StoryVille(ストーリービル)ですから、a house を「一軒の劇場」と訳しました。

Let a rambler lead me astray・・・1801年、フランスにニューオーリンズを奪還したナポレオン皇帝の事を a rambler・「放浪者」と言っているのだと思います。
1930年代に「The House Of The Rising Sun」が多くの歌手に歌わせたのは、米国連邦政府、ニューオーリンズ市政府=イギリス連邦政府の屈辱的な地(ストーリーヴィル)の象徴であるニューオーリンズのイメージの払拭を狙った政治的音楽活動だったのでしょう。
1951年には、欲望という名の電車 (A Streetcar Named Desire)がニューオーリンズを舞台に描かれます。

Sspirituals・霊歌は、詩篇を歌ったものが多いと言います。
「The House Of The Rising Sun」で歌われていると思われるのは、第41篇、第46篇です。
*詩篇第41篇
貧しい者をかえりみる人はさいわいである。
主はそのような人を悩みの日に救い出される。
主は彼を守って、生きながらえさせられる。
彼はこの地にあって、さいわいな者と呼ばれる。
・・・
*詩篇第46篇
一つの川がある。
その流れは神の都を喜ばせ、
いと高き者の聖なるすまいを喜ばせる。
神がその中におられるので、都はゆるがない。
神は朝はやく、これを助けられる。
もろもろの民は騒ぎたち、もろもろの国は揺れ動く、
神がその声を出されると地は溶ける。
・・・

ミシシッピー川流域のニューオーリンズは、湿地帯です。
おそらく降雨の度に開墾地は水に浸かり、絶望と神の導きの間(はざま)で、貧しい移民者は、この詩篇第41篇、第46篇を幾度口にした事でしょう。

ニューオーリンズ( New Orleans)は、ニューオーリンズ市政府
アメリカ合衆国ルイジアナ州南東部、ミシシッピー川流域のメキシコ湾に面した都市
地域の大部分が湿地帯で、1インチ(約2.5cm)以上の降水量で水害が発生する。
其の為、死者は、土葬ではなく、地上の埋葬室に葬られる。
カーニバルとジャズの発祥地

1718年 フランス人が設立。
1722年 フランス領ルイジアナの首府
1763年 パリ条約(フランスが北アメリカ大陸から完全撤退、カナダケベック州だけフランス領)によりルイジアナはスペイン領となる
ルイ15世の摂政オルレアン公フィリップ2世に因み、「新オルレアン、ラ・ヌヴェロルレアン」と言う。
1801年 仏ナポレオン皇帝ルイジアナ奪還
1803年 アメリカ合衆国に売却
1917年 米国海軍の命令により売春地区として知られたストーリーヴィルが閉鎖

**
ストーリーヴィル地区は、第一次世界大戦中の1917年に米国連邦政府によって、ニューオーリンズ市政府の猛反対を押し切って閉鎖
アイバーヴィル公営住宅の建設のため、地区内の殆どの建物は1930年代に取り壊された。
市当局は、この地区を人々の記憶から消すためにあらゆる手段を講じ
、その一環として、一時期はベイシン・ストリートまでもが"ノース・サラトガ"と改名されたのであった。(但し、その後20年を経て、元の歴史ある名称に戻された。)